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訪日客と株高頼みの百貨店 好調はいつまで?

  • 小宮 一慶

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[1/3ページ]

2018年1月11日(木)

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 苦境が続いていた百貨店に、明るさが見え始めています。インバウンドと株高などによる富裕層の消費に支えられ、大手百貨店5社が発表した2017年12月の売上高(既存店ベース)は前年同月を上回り、正月の初売りも福袋をはじめとして好調だったと報じられています。百貨店全体の売上高を見ても、17年は前年比プラスが続いており、堅調に推移していると言えるでしょう。

 そして、年初から日経平均株価は大幅に上昇し、百貨店の売上高は2018年も資産効果の好影響を受けるとの見通しもあります。インバウンドの勢いも続けば、引き続き百貨店には追い風となるでしょう。

 ただ、この傾向はいつまで続くかと考えますと、やはり楽観視はできません。今回は、百貨店の現状と先行きについて考えます。

中国人をはじめとする訪日客の旺盛な消費は続くか(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

都市部は好調だが、地方は依然として苦戦

 今期の百貨店の業績は、総じて好調に推移しています。三越伊勢丹ホールディングスの18年3月期第2四半期決算の売上高は、前年同期比2.2%増の5952億円。同第3四半期の決算まで出ている高島屋は前年同期比3.1%増の6788億円。いずれも緩やかに売り上げを伸ばしています。

 「全国百貨店売上高」の推移を見ますと、2016年度はずっと前年比マイナスの数字が続いていましたが、17年度に入ると回復傾向に転じました。

全国百貨店売上高
(前年比)
2013年度 4.0
2014年度 ▲4.6
2015年度 1.8
2016年度 ▲2.9
2016年4月 ▲3.8
5月 ▲5.1
6月 ▲3.5
7月 ▲0.1
8月 ▲6.0
9月 ▲5.0
10月 ▲3.9
11月 ▲2.4
12月 ▲1.7
2017年1月 ▲1.2
2月 ▲1.7
3月 ▲0.9
4月 0.7
5月 0.0
6月 1.4
7月 ▲1.4
8月 2.0
9月 4.0
10月 ▲1.8
11月 2.2
出所:日本百貨店協会

 16年度に売上高が悪化した原因の一つは、15年度にインバウンドの旅行者、特に中国人旅行者による購買が急増した反動です。16年度は中国人旅行者による「爆買い」がピークを越え、前年比で見るとマイナスになったのです。

 その大きな理由は、以前の本コラム「中国人観光客がもう『爆買い』しない理由」で詳しくお話ししましたが、当時、中国が人民元安に対抗するため外貨準備を取り崩して大量の外貨売り人民元買いを行ったことで、外貨準備が大きく減少しました。そのため、中国政府が外貨の流出を抑えようとし始めたことが挙げられます。

 具体的には、輸入関税の税率を引き上げたり、中国で広く使われている銀聯カードを使った海外での現金引き出し限度額を年間10万元(約160万円)に制限したりといった措置をとりました。その結果、中国人旅行者は日本で高額品を買わなくなってしまったのです。その代わりに、化粧品や医薬品、小型の魔法瓶などの比較的安価なものの需要が高まりました。同時に、リピーターが増えたことから、モノ消費からコト消費へと移っていったという見方もあります。

 17年度に入ると、少し潮目が変わりはじめました。先にも触れましたが、全国百貨店売上高は17年4月以降、おおむね前年比プラスの数字が続いています。化粧品などを中心としてインバウンド消費が勢いを取り戻したことに加え、国内消費者には株高による資産効果が生まれているからです。ビットコインなどの仮想通貨で利益を得たケースも多いのではないかと思われます。

 11月の外国人売上高は前年同月比74.5%増の253億円となり、高い伸びが続いています。

 ただし、百貨店の業績は、都市部とそれ以外の地域との間で大きな差があります。11月の全国百貨店売上高は、前年同月比2.2%増。このうち、札幌、仙台、東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、福岡の10都市の売上高は、前年同月比4.0%増と確かに好調です。

 特に大きく伸びているのが、インバウンドが増え続けている大阪で、同比11.6%増となっています。一方で、10都市以外の地区では同比1.6%減。都市部以外の百貨店は、依然として厳しい状況が続いているのです。

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