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日銀新体制、出口を探るなら今しかない

  • 小宮 一慶

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[1/3ページ]

2018年3月30日(金)

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 3月20日、日銀の新体制が発足しました。黒田東彦総裁が続投し、若田部昌澄早大教授と雨宮正佳日銀理事が副総裁となりました。 黒田氏は依然として大規模な金融緩和の維持を主張していますが、欧米が緩和縮小に動き出す中、日本だけが異次元緩和を続けるというのは、大きなリスクを伴うのではないかと私は危惧しています。日本の異常さがクローズアップされかねません。

 日本は2013年4月から「異次元緩和」を始め、2016年2月にはマイナス金利政策を導入しました。これは非常時の対策で、その時は仕方なかったかもしれませんが、ある意味「異常」な状態です。景気拡大が続く今こそ出口を探らなければ、金融市場の歪みはますます大きくなり、日銀や金融市場全体が背負うリスクは高まるばかりです。

 日銀は、遅かれ早かれ出口を示さなければなりません。そのチャンスはまさに今ではないかと、私は考えています。

新たに日銀副総裁に就任した若田部昌澄氏(右)と雨宮正佳氏(写真=ロイター/アフロ)

出口を示すチャンスは今だ

 「線路は続くよどこまでも」という歌がありますが、今回の日銀の新体制が決まった時、私は「緩和は続くよどこまでも」と、つい口ずさんでしまいました。新副総裁の若田部氏は「金融政策に限界はない」と主張していますが、出口はどうするのか、具体的には語っていません。彼の発言を聞くと、どこか「撃ちてし止まむ」の言葉が想起させられます。

消費者物価指数
(生鮮除く総合前年比%)
国内企業物価指数
(前年比%)
輸入物価指数
(前年比%)
2014年度 2.8 2.8 0.2
2015年度 0.0 ▲ 3.3 ▲ 13.7
2016年度 ▲ 0.3 ▲ 2.3 ▲ 10.5
2017年1月 0.1 0.5 4.3
2月 0.2 1.0 9.6
3月 0.2 1.4 12.1
4月 0.3 2.1 10.9
5月 0.4 2.1 12.4
6月 0.4 2.2 11.5
7月 0.5 2.5 11.9
8月 0.7 2.9 12.8
9月 0.7 3.0 13.8
10月 0.8 3.5 15.6
11月 0.9 3.5 10.4
12月 0.9 3.0 7.3
2018年1月 0.9 2.7 5.0
2月 1.0 2.5 4.4
出所:総務省、日銀

 異次元緩和は、いつまで続けられるのでしょうか。2%の物価上昇を掲げる日銀がターゲットにしている「消費者物価指数(前年比)」を見ますと、1月はプラス0.9%、2月はプラス1.0%と上向きです。ところが「輸入物価指数」は、17年10月の前年比15.6%をピークに伸びの縮小が続き、18年2月は同4.4%となっています。

 円高が進み、原油価格も落ち着きつつありますから、今後は輸入物価の伸びは縮小していくと考えられます。これは最終的に消費者物価に影響しますから、こちらも伸びが鈍化し始めると私は考えています。企業物価指数には、すでにその影響が出始めています。

コメント4件コメント/レビュー

黒田総裁。昨日の記者会見でも2%の物価安定目標に拘っていましたね。
金利水準が上昇すると保有国債の含み損が膨らむとか、あの方は多分そこまで考えていない。デフレ時のマクロ経済スライド強行に庶民からの強い反発があったから、1%程度の物価上昇では年金受給者の不満ばかりが溜まり、だったら2%は継続して上昇して欲しい(2-0.9=年金も額面は1.1%増えます)位の素人発想ではなかろうか。
2017年末の貸出金残高のうち金利0%台の融資は全体の62%に拡大したという記事が日経2月15日に掲載されていましたが、今の金利水準はあまりにも低すぎる。マイホームローンも借りた時期で総返済額が大幅に変わってしまう世代間の不公平感を招きかねないと危惧します。(2018/04/10 13:21)

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いただいたコメント

黒田総裁。昨日の記者会見でも2%の物価安定目標に拘っていましたね。
金利水準が上昇すると保有国債の含み損が膨らむとか、あの方は多分そこまで考えていない。デフレ時のマクロ経済スライド強行に庶民からの強い反発があったから、1%程度の物価上昇では年金受給者の不満ばかりが溜まり、だったら2%は継続して上昇して欲しい(2-0.9=年金も額面は1.1%増えます)位の素人発想ではなかろうか。
2017年末の貸出金残高のうち金利0%台の融資は全体の62%に拡大したという記事が日経2月15日に掲載されていましたが、今の金利水準はあまりにも低すぎる。マイホームローンも借りた時期で総返済額が大幅に変わってしまう世代間の不公平感を招きかねないと危惧します。(2018/04/10 13:21)

本音と建前が違うため、当面これを止めることができないであろうが、5年間の実績でも明らかなように、異次元緩和は物価上昇に効かない。
金融政策を装った円安誘導が異次元緩和の真の目的。この方は、ドル安傾向が神通力を殺いではいるが、5年前80円台のドルレートを100円台としている。リフレ派で新体制を固めたのは、異次元緩和はまだ使える政策手段と政府は考えている証左でもある。
欧米と異なり、貯蓄超過の日本では外国資金を導入する必要はなく、長短金利両方を日銀が支配し、外国が日本の債券を買ってくれなくても資金循環上問題はない。小宮氏は、異次元緩和の弊害を縷々書き連ねているが、これらは取るに足りないこと又は杞憂である。
銀行の利益減少は、環境変化に適合したビジネスモデルを作れなかった経営陣の愚かさを示すものに過ぎない。国の通貨発行権に基づいて日銀券は信任されており、国債金利上昇が日銀に多額の含み損を発生させてもこれが揺らぐことはない。運用の一環で市中銀行は国債を購入しており、将来の値下がりを見込むのなら買わなければよい。債務者利得がモラルハザードであれば、インフレやこれを目標とすることも同様である。
なお、異次元緩和の弊害の最たるものは、円安による一種の安売りで産業競争力を強化しようとする政策思想の蔓延と考えている。これに染まると、企業は高付加価値産業への転換努力を怠り、国内投資を疎かとする。生産性・賃金は上がらず、経済は停滞する。(2018/03/30 10:48)

>欧米が緩和縮小に動き出す中~(以下略)
この方は欧米の方がずっと前から金融緩和に乗り出していたのを忘れているのだろうか。
欧米が金融緩和する中、日本銀行は無策で超円高となり民間企業の黒字倒産という事態さえ起きていたというのに。
日本が遅れて金融緩和に乗り出したのだからそのエンドも遅れて全く構わない。
というより欧米に合せなきゃいけない理屈も無い。
また、お隣の超大国は最近こそ抑え気味だが、それでも超緩和状態であるのだから、経済面で関係の深い日本もある程度は追従する必要もあるでしょう。
今日本が金融緩和を止めてもっとも得をしそうなのは韓国だが。。。(2018/03/30 10:33)

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