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米中貿易戦争は景気後退の引き金になりかねない

  • 小宮 一慶

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2018年4月13日(金)

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 トランプ米大統領が鉄鋼とアルミニウムの輸入品に対する追加関税を導入したのに続き、通商法301条(スーパー301条)に基づいて中国による知的財産侵害に制裁関税を課す方針を発表。4月3日には、米通商代表部(USTR)が産業用ロボットなど約1300品目に高関税を課す具体案を提示、これに対し、中国も米国から輸入する大豆や自動車など128品目に報復関税を課すと表明しています。

 関税引き上げなどの実施は、これからの交渉次第で、両国は神経戦を繰り広げています。今後、米中間での激しい駆け引きが繰り広げられることとなりますが、場合によっては貿易戦争が過熱してゆくのではないかとの懸念が広がっています。

 問題は、この米中貿易摩擦が今後どれだけ日本経済に影響を及ぼすのか、という点でしょう。ここには北朝鮮問題、今秋の米中間選挙などの要素も複雑に絡み合っており、どういうふうに展開していくのか予断を許さない状況です。

 日本の大きな貿易相手国でもあり、また多数の日本企業が現地で事業を行うことから、米中の経済に大きく依存する日本経済にとって、これからどのようなリスクが考えられるのかを考えてみましょう。

中国への高関税措置に署名したトランプ米大統領(写真:ロイター/アフロ)

米中貿易戦争、百害あって一利なし

 米国と中国は、世界2トップの経済大国です。2016年の米国のGDPは約19兆ドル、中国が約11兆ドル。全世界のGDPの推計値は、大まかな数字ですが80兆ドル弱と言われています。ちなみに、日本は約5兆ドルです。

 米国の年間の貿易・サービス収支は約5000億ドルの赤字で、そのうち対中赤字は約3750億ドル(2017年)です。一方、中国の貿易収支は約5000億ドルの黒字。つまり、中国にとっては貿易黒字の大半を米国から稼いでいるという構図になっています。

 一部の報道では、トランプ大統領は「対中貿易赤字を1000億ドル削減する」と発言したということです。これが実行に移されるようなことがあれば、中国は大きな影響を被ることは免れません。

 米国への輸出に大きく依存する中国経済が直接のダメージを受けることは避けられません。さらに、中国の消費者物価は、ここ1年ほど前年比プラス1%台で推移しており落ち着いていますが、米中摩擦によって輸入物価が上昇すれば、それに伴って消費者物価も上がってくる恐れがあります。

 中国は貧富の差が大きい国ですから、消費者物価の上昇は貧困層の生活に直撃します。すると、国民の不満が高まる可能性もありますので、中国政府としてはこの点も注視せざるを得ません。

 米国内からも批判の声が出ています。中国からの輸入品を取り扱う業者はコスト高になりますし、中国向けに輸出している企業や農家にも悪影響が出ます。中国製品の値上がりは、米国のGDPの70%を支える個人消費にも影響を与える可能性があります。

 米中貿易戦争が起これば、短期的には米国の貿易収支の改善が見込めるかもしれませんが、それでも、長期的には経済の縮小など、両国にとってメリットはほとんどありません。世界各国にとっても、世界の2大経済大国が摩擦を繰り広げることは経済成長を妨げる要因になりますから、百害あって一利なしです。

 なぜ、トランプ大統領はこんなことをやりだしたのでしょうか。

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