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加計問題が映し出す日本の「本当の病」

日本の教育の仕組みはもう限界に達している

  • 小宮 一慶

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[1/3ページ]

2017年6月9日(金)

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 学校法人「加計学園」(岡山市)を巡る問題が大きな注目を集めています。国家戦略特区の指定を受けた愛媛県今治市に獣医学部を新設する計画について、同学園の加計孝太郎理事長と親しい関係にあるとされる安倍晋三首相が便宜を図ったのではないか、という疑惑です。

「官邸トップのご意向だ」と文部科学省に対する圧力を示唆する文書が流出したとされ(政府は文書の信頼性を否定)、前川喜平・文部科学省前事務次官も記者会見で、文書の存在について「間違いない」と発言するなど、騒動が広がっています。

 政府もその終息に必死ですが、もし事実であれば、許されないことであるのは言うまでもありません。しかし、私は、もっと本質的な議論が置き去りになっているような気がしてなりません。私たちは、今回の問題が映し出した日本の「岩盤規制」の問題にも目を向けるべきではないかと思うのです。

加計学園を巡る問題は国会で繰り返し取り上げられている(写真:つのだよしお/アフロ)

最も遅れているのは、「教育業界」の規制改革

 日本政府は、50年以上にわたって獣医学部の新設を認めなかったといいます。加計学園も15回も獣医学部開設の認可申請をしてきましたが、ことごとく却下され続けてきました。私はもちろん、加計学園を応援する気は毛頭ありませんが、背景には、日本獣医師会による強い反対があったと言われています。空前のペットブームの到来で、獣医のニーズが高まっているにも関わらず、既得権益がこれだけ守られてきたことに、私は驚愕しました。

 こうしたことは氷山の一角に過ぎません。例えば、安倍首相は「既得権益の岩盤を打ち破る」として、農業、医療、労働、教育の4分野を改革の対象として挙げています。

 農業については、全国農業協同組合連合会(JA全農)の事業見直しといった農協改革を打ち出しました。形ばかりではありますが、これから環太平洋経済連携協定(TPP)交渉や日米の2国間通商交渉を進めていく中で、大きな風穴が開くのは時間の問題でしょう。それは「強い農業をつくる」という本来あるべき良い方向に転換していくのではないかと思います。

 医療に関しては、改革待ったナシの状況です。医療費が年間41兆円、介護費が10兆円を超え、赤字が厳しい一般会計から医療や介護への特別会計に現状でも毎年10兆円以上もの補てんが必要な中、あと5年もすれば団塊世代の方々が後期高齢者になっていきます。その状況を見据え、緊急の対応を必要とする急性期病床を減らしながら、高齢化によって需要が増えるリハビリテーションや在宅医療を充実させようとしています。まだ道半ばではありますが、ある程度の方向性をもって着実に進んでいると言えるでしょう。

 雇用に関しては、安倍首相を議長とした「働き方改革実現会議」を設置し、長時間労働の是正や在宅勤務の推進などの改革を進めてきました。まだまだ十分とは言えませんが、残業時間の上限を設け、違反した企業には罰則を科すという厳しいルールを定めたことは、一歩前進したと言えるでしょう。

コメント25件コメント/レビュー

私は『政治の保護・官僚の規制・業界の談合』が日本の発展を妨げる元凶だと本気で信じ、小宮氏の意見『私たちは、今回の問題が映し出した日本の「岩盤規制」の問題にも目を向けるべきではないかと思うのです。』に強く同調する。

2017年6月15日、文部科学大臣は、民主党の取り上げた内部文書の存在を認める発表をした。ニュース番組では『国民のために内部文書をリークした職員を守れ』と発言した人がいたが、リークは『国民のため』ではなくて『文科省の省益のため』だったように思う。

小宮氏は、『既得権益によって学校自体が守られているからです。競争原理が働いていないから、変わる必要がない。さらには教員市場、特にレベルの高い人材市場の流動性もなく、また競争もそれほどありませんから、教員の能力も十分には上がりません。これでは日本人の学力は下がる一方です。大学という高等教育のレベルが下がれば、日本経済が世界から取り残されていくのも当然の話です。』という。

私立大学に17年勤務した私も、このことを実感したが、私個人の知見だからここでは具体的には述べない。替わりに、「いじめによる自殺」が発生したとき、教員出身者で構成する教育委員会は、いつも、教員を庇う立場で調査するから、なかなか真相が明らかにならない事実を取り上げ、教育界は『政治の保護・官僚の規制・業界の談合』が強く支配する世界だと指摘する。

小宮さんは、日米の給料と成長率の格差も取り上げ、『日米の間には大きな「成長格差」がついてしまっているのです。ここが、日本にとっての大きな問題となっているのです。財政赤字の問題にしても、成長することで解決する問題は多くありますが、残念ながらなかなか成長しません。先進国のどこへ行っても物価が高いと感じるのも、日本が成長しないからです。』と解説し、既成改革の必要を力説する。

規制改革を支持するか、官僚統制を支持するかで、文書リークの是非は全く変わる。私は、前文部事務次官のリークは、とがめられて罷免された天下りについては全く反省せず、許認可権限を握る省益を維持しようとするけしからん言動だと考える。(2017/06/16 12:35)

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私は『政治の保護・官僚の規制・業界の談合』が日本の発展を妨げる元凶だと本気で信じ、小宮氏の意見『私たちは、今回の問題が映し出した日本の「岩盤規制」の問題にも目を向けるべきではないかと思うのです。』に強く同調する。

2017年6月15日、文部科学大臣は、民主党の取り上げた内部文書の存在を認める発表をした。ニュース番組では『国民のために内部文書をリークした職員を守れ』と発言した人がいたが、リークは『国民のため』ではなくて『文科省の省益のため』だったように思う。

小宮氏は、『既得権益によって学校自体が守られているからです。競争原理が働いていないから、変わる必要がない。さらには教員市場、特にレベルの高い人材市場の流動性もなく、また競争もそれほどありませんから、教員の能力も十分には上がりません。これでは日本人の学力は下がる一方です。大学という高等教育のレベルが下がれば、日本経済が世界から取り残されていくのも当然の話です。』という。

私立大学に17年勤務した私も、このことを実感したが、私個人の知見だからここでは具体的には述べない。替わりに、「いじめによる自殺」が発生したとき、教員出身者で構成する教育委員会は、いつも、教員を庇う立場で調査するから、なかなか真相が明らかにならない事実を取り上げ、教育界は『政治の保護・官僚の規制・業界の談合』が強く支配する世界だと指摘する。

小宮さんは、日米の給料と成長率の格差も取り上げ、『日米の間には大きな「成長格差」がついてしまっているのです。ここが、日本にとっての大きな問題となっているのです。財政赤字の問題にしても、成長することで解決する問題は多くありますが、残念ながらなかなか成長しません。先進国のどこへ行っても物価が高いと感じるのも、日本が成長しないからです。』と解説し、既成改革の必要を力説する。

規制改革を支持するか、官僚統制を支持するかで、文書リークの是非は全く変わる。私は、前文部事務次官のリークは、とがめられて罷免された天下りについては全く反省せず、許認可権限を握る省益を維持しようとするけしからん言動だと考える。(2017/06/16 12:35)

特区というものは、例外的にやってみて、その結果で次を考えてみようとするものと理解しています。故に規制緩和一般論には概ね異論はありません。それでも文科省と内閣府が対立しており、会社などで珍しくありませんが、決着を付けるために「社長の意向でもある」風な言葉を文書に付け加えたものだと想像し、たとえ文字にしなくても言葉ではもっと頻繁に使われているのでしょう。きっと。前川氏は作戦を間違ったのかもしれません。文科省の反対した理由の本質的な部分を述べた上、挙句にこんな圧力まがいの文書があったと表明すべきだったと考えます。
 攻撃する側の民進党なども、特区要請の反対理由を述べた上、それでも文書にしてまで圧力的言辞を用いる安倍内閣を訴えるべきです。政権を取ったら特区の運用をするのでしょうから。(2017/06/13 18:16)

私は小宮さんの考察に割りと近い感覚なのでよく読んでいるのですが、今回は酷い内容です。相当こじつけ臭いし考察も甘い。何より事実関係が出鱈目で思いつきだけで書いた文章。申し訳ないですが、もう一度よく調査をしてから1月後に同じタイトルでやり直して下さい。テストだと30点以下、落第点しかあげられません。落第点の意味は他のコメントの方が指摘しているので割愛します。せめて獣医の事だけでもしっかり調べて下さい。(2017/06/13 10:25)

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齋木 昭隆 三菱商事取締役・元外務次官