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米金利上昇の今、日本も脱金融緩和の出口を示せ

「物価目標2%」よりも、金融市場の正常化を

2018年6月22日(金)

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 米連邦準備制度理事会(FRB)は、6月12、13日に開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利翌日物の誘導目標を0.25%引き上げ、1.75~2.00%に設定しました。今年に入り2度目の利上げとなります。米国景気がこのまま好調に推移すれば、年後半も当初は1度としていた利上げも、2度あるのではないかとの見方が強まっており、私自身もその可能性は高いと考えています。

 一方で、日本の金融政策は、ある意味、膠着状態に陥っていると言えるでしょう。2016年1月から導入された「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」は現在も継続されたままで、日銀は出口を全く示していません。

 その中で、今は少し落ち着いている物価も、この先じわりと上昇する可能性が高まりつつあることを考えると、日本は「物価目標2%」にこだわらず、少しずつ、脱金融緩和、利上げの方向に進み始めてもよいのではないかと私は考えています。今回は、日米の景況感、金利、為替相場の行方から、日銀が取るべき金融政策について考えます。

米FRBは今年2度目の利上げを決定した(写真:AP/アフロ)

米雇用は好調、物価も上昇基調にある中での利上げ判断

 今回の米国の利上げは、多くの人にとって予想通りの結果でしょう。金利に影響を及ぼすとされる「雇用」と「物価」の状況から見ていきましょう。

 まずは「雇用」ですが、直近となる5月の指標を見ますと、「非農業部門の雇用者数」は前月比22万3000人の増加、「失業率」は前月比0.1ポイント改善し同3.8%。雇用状況はすこぶる好調と言えます。

 続いて「物価」です。「消費者物価指数」は、4月は前年同月比2.5%上昇。5月は同2.8%上昇となり、2012年2月以来の大きな伸びとなりました。上昇の主な要因は、ガソリン価格の値上がりです。一部の報道では、米国のガソリン価格は今年に入ってから15.5%上昇していると言われています。

 ドバイ原油価格は値上がり傾向が続いており、5月は1バレル=75.20ドルまで上昇。5月初旬に米国がイラン核合意から離脱し、イランに対して経済制裁を再開する意向を示したことが大きな要因の一つとなっています。

 6月18日時点では、サウジアラビアとロシアが減産を緩めるのではないかとの観測から70.80ドルまで下落していますが、今後の動向によっては再び上昇に転じ、物価の押し上げ要因になる可能性もあります。

 FRBが重視している個人消費支出(PCE)物価指数は、3月、4月と連続で目標の2%を達成しました。

 好調な雇用、堅調な物価を受けてFRBは利上げを決め、政策金利の誘導目標が0.25%引き上げられて1.75~2.00%となりました。

米国
TB3カ月(%) 10年国債利回り(%)
2015年 0.20 2.27
2016年 0.50 2.44
2017年
2017年1月 0.52 2.45
2月 0.61 2.39
3月 0.75 2.38
4月 0.79 2.28
5月 0.96 2.20
6月 1.00 2.30
7月 1.06 2.33
8月 1.01 2.13
9月 1.04 2.33
10月 1.08 2.40
11月 1.23 2.41
12月 1.35 2.40
2018年1月 1.44 2.70
2月 1.65 2.89
3月 1.68 2.74
4月 1.79 2.95
5月 1.87 2.87
出所:米国政府

 「TB3カ月」を見ますと、5月は1.87%まで上昇していますから、市場はすでに利上げを織り込んでいたことが分かります。

 長期金利の指標となる「10年国債利回り」は、一時は3%を超えましたが、5月末時点では2.87%。こちらはそれほど上昇していませんが、短期金利が上がれば、長期金利もベースが上昇すると考えられます。

コメント12件コメント/レビュー

今出口のことを口にしたら、急激な円高でまたデフレへ舞い戻るでしょうね。デフレ社会で喜ぶのは定期預金で金融資産をたんまりため込んでいる高齢者だけでしょう。(2018/06/25 12:05)

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「米金利上昇の今、日本も脱金融緩和の出口を示せ」の著者

小宮 一慶

小宮 一慶(こみや・かずよし)

小宮コンサルタンツ代表取締役会長CEO

81年京都大学法学部卒業。東京銀行に入行。米国ダートマス大学タック経営大学院に留学。MBA取得。経営戦略情報システムやM&Aに携わったのち、岡本アソシエイツ取締役に転じ、国際コンサルティングにあたる。95年に小宮コンサルタンツを設立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

今出口のことを口にしたら、急激な円高でまたデフレへ舞い戻るでしょうね。デフレ社会で喜ぶのは定期預金で金融資産をたんまりため込んでいる高齢者だけでしょう。(2018/06/25 12:05)

マイナス金利は市中銀行の収益力喪失原因のごく一部に過ぎず、大部分は金融技術革新に後れを取り、長短金利の利ザヤ稼ぎ一芸しか持たないことから生じている。スルガ銀行は論外として、収益を挙げることができない銀行など存続に値しない。銀行には、業容転換が不可欠である。
国債と日銀当座預金の交換に過ぎない量的緩和に物価上昇効果など本来あるはずはなく、施策が行き詰っているのではなく、端から建前上の実績を出していないだけである。
ただ、量的緩和の真の目的は、金融政策を装った円安誘導であることは明らか。円安は、低賃金労働拡大とのコラボも効いて、生産性が低い企業の温存に役立ち、企業利益増大には寄与した。
反面、高付加価値産業への転換が阻害され、経済成長は進まず、賃金も伸びなかった。逆は必ずしも真ではなく、円高に振れるだけでは、競争力の弱い企業淘汰が進むだけとなろう。
日銀は政策のパーツに過ぎない。正常化主張であれば、意味不明の日銀リスク回避などではなく、円安に代わる政策を論じるべき。本来、経済政策は、円安ではなく技術革新進展による産業競争力強化を目指していくべき。そのため、企業を甘やかさず、その性根を叩き直して国内投資増強施策を講ずるべき。
また、消費増税などもってのほかであり、当分の間、財政による需要創造拡大も必要となろう。正常化は、欧米の施策から出てくるものではない。(2018/06/23 17:19)

しかしこの人はアホですね。
消費増税が迫って経済の急ブレーキが予想される時に出口を示せとは。
2%の物価上昇に遥か遠いのに、ガソリンが上がってるから物価が上がりそう、輸入物価が上がってるから物価が上がりそうとか。
実際にCPIが全然上昇してないのに、更に消費増税を控えているのに出口を示したら、デフレに逆戻りするのは間違いないだろう。
銀行が儲からないのは貸出によって利ざやを稼ぐ本来の役割を怠っている銀行自身の責任だ。
マイナス金利だとは言ってもそれはたった一部のことで、相変わらず0.1%の付利がある。日銀は貸出もしないでこれ以上日銀口座にブタ積みするなら0.1%の付利の部分が減りますよと言っているに過ぎない。
デフレに逆戻りさせて日本経済を破滅させようとしている文にしか見えず、100害有って一利なしだ。(2018/06/23 02:48)

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