• ビジネス
  • xTECH
  • クロストレンド
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

日銀はいつまで「大本営発表」を続けるのか

「異常」が「普通」になってしまった異次元緩和の怖さ

  • 小宮 一慶

バックナンバー

[1/4ページ]

2018年8月17日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 日銀の金融政策は、太平洋戦争時の日本と同じ状況に陥っているのではないか──

 8月15日に終戦の日を迎え、ふとそんなことを思いました。

 日銀の異次元緩和がスタートしたのは、2013年4月4日。日銀政策決定会合で、「マネタリーベースを2年間で2倍まで増やす」という大胆な内容が発表され、世界中から驚きの声が上がりました。「異次元」と言われるゆえんです。当初は2015年3月までの見込みでしたが、5年を過ぎた今も、マネタリーベース(日銀券と日銀当座預金の合計)は依然として拡大を続けています。さらに2016年2月には、マイナス金利政策が導入されました。

 日銀の異次元緩和がなぜ太平洋戦争と重なって見えるのか。金融政策の先行きとリスクを考えながら説明したいと思います。

(写真=栗原秀夫/アフロ)

日銀はなぜ「物価目標2%」の旗を降ろさないのか

 異次元緩和がスタートした当初、日銀の目的は二つありました。一つは景気の底上げ、もう一つはインフレ率の引き上げです。

 まず、景気浮揚効果はどれだけあったのでしょうか。実質GDP成長率は、確かに2013年度2.6%、2014年度マイナス0.3%、2015年度1.4%、2016年度1.2%、2017年度1.6%と、低いながらもある程度の成長はしていますが、細かく内容を見てみるとなかなか厳しい状況です。GDPの約6割を支える「消費支出2人以上世帯」の推移を見てください。

消費支出2人以上世帯
(前年比%)
銀行計貸出残高
(前年比%)
2013年度0.92.3
2014年度▲5.12.5
2015年度▲1.22.5
2016年度▲1.62.4
2017年度0.22.8
2017年1月▲1.22.6
2月▲3.82.9
3月▲1.33.0
4月▲1.43.0
5月▲0.13.2
6月2.33.3
7月▲0.23.4
8月0.63.2
9月▲0.33.0
10月0.02.8
11月1.72.7
12月▲0.12.4
2018年1月1.92.3
2月▲0.92.1
3月▲0.71.9
4月▲1.32.0
5月▲3.91.9
6月▲1.22.1
7月2.0

出所:総務省、日銀

 2013年度は前年比プラス0.9%(実質)と伸びました。これは2014年4月の消費増税に向けた駆け込み需要が発生していたからです。翌2014年度は、その反動で同マイナス5.1%まで落ち込みました。以降もマイナスの数字が続き、2017年度はプラスに転じましたが、それでもわずか前年比プラス0.2%という状況で、家計の消費は低迷を続けています。

 異次元緩和の成果が現れるはずの銀行融資はどうでしょうか。「銀行計貸出残高」を見てください。2013年度以降、前年比プラス2%台前半の水準で伸びていたのが、月別の数字で見ると、2017年の春先から夏にかけては3%台にのせました。しかし、その後は再び2%前後まで戻っています。マネタリーベースを急激に増やしても、銀行融資はそれほど伸びていないと言えます。設備投資等の資金需要がそれほどないからです。日本経済の足腰は弱いままなのです。

コメント21件コメント/レビュー

(2018/08/18 23:23)へ

では日銀が出来ることでナニをすればよかったと言うのか?

出来る事の中からしか出来ないからね。

>消費を控えるのが当たり前

消費を控えるだけでも結果、

給与は上がらない、年金は減少しており、老後の生活が全く見通せない状況

を誘発すると思うのですが?

控えるべきは無駄な仕事や消費

多くの仲買業者を経由した商品などに無駄がある。
ゼロサムゲームに類する部分に過度に群がる無駄の削減
某CDを無駄にするような商法や酷いゲームの課金。
カジノどころではに無駄に問題が身近にあるでしょう。
お金を使う所と金額がちょっと間違っているのですよ。

そんなことも判らない民衆だからのこの現状(2018/08/21 23:23)

オススメ情報

「小宮一慶が読み解く経済の数字・企業の数字」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

(2018/08/18 23:23)へ

では日銀が出来ることでナニをすればよかったと言うのか?

出来る事の中からしか出来ないからね。

>消費を控えるのが当たり前

消費を控えるだけでも結果、

給与は上がらない、年金は減少しており、老後の生活が全く見通せない状況

を誘発すると思うのですが?

控えるべきは無駄な仕事や消費

多くの仲買業者を経由した商品などに無駄がある。
ゼロサムゲームに類する部分に過度に群がる無駄の削減
某CDを無駄にするような商法や酷いゲームの課金。
カジノどころではに無駄に問題が身近にあるでしょう。
お金を使う所と金額がちょっと間違っているのですよ。

そんなことも判らない民衆だからのこの現状(2018/08/21 23:23)

(2018/08/18 16:51)のコメントされた方の意見が全てでした(笑)
旧日本軍の軍部と現在の財務省はマスコミを手中に収めている点も含めて本当の良く似ていますよね。
(財務省の)大本営発表の中には「日本の借金○○兆円」とか「○○で財政破綻する」⇒「緊縮財政」(欲しがりません、勝つまでは)など、戦争を継続(プライマリーバランスの黒字化)させるためのプロパガンダが多分に含まれており、一見正しそうに聞こえることが、問題をより複雑にしている気がします。(2018/08/21 11:54)

記事よりもコメント欄が秀逸で、コメント欄をぜひ読むべきである。
日銀のインフレ目標は、デマンドプルインフレを目指していると思われるが、現実的な物価上昇要因は、エネルギー関連の原油高や消費税増税によるコストプッシュであり、恩恵を受けているのは、消費税を免税とされている輸出関連企業だけである。その結果、国内では、消費税のかからない個人取引(メルカリ等)が急成長したり、消費税のないアメリカからは消費税を不公平な関税と指摘されて、消費税の代わりに関税をかけると言われる始末である。日本の場合、現時点で8%の消費税を輸出免税とし、さらに仕入れに係る消費税8%相当分を還付しているので、アメリカが関税を最低16%かけると言っても、何ら反論できる根拠はなく、日本の消費税が10%になれば、アメリカが20%以上の関税をかけて対等となる。
輸出企業しか儲けられなくなれば、内需関連企業が疲弊して、国内産業はどんどん衰退すると考えられる。トランプの政策が本当に必要なのは、日本であることを多くの人は語らない。多くのメディアは、トランプを批判するが、少なくともトランプは有言実行であり、政権公約を守らない日本の政治家とは明らかに違うので、もっと評価されても良いと思う。(2018/08/21 01:13)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

我々のブランドは、人により好き嫌いが分かれてもいい。

上田谷 真一 TSIホールディングス社長