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あなたは何歳までがんの手術を受けますか?

第8回 「手術すべきか否か」を外科医が決めるという現実

2017年6月9日(金)

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 新しい病院に勤め始めて2カ月が経ちました。そろそろ看護師さんも私の顔を覚えてくださり、私も皆さんの名前を少しずつですが頭にインプットしてきました。新しい職場に慣れるためには点滴のオーダーの仕方から手術の申し込み方、病院内の検査室の場所を知ることも大切ですが、最も重要なことはスタッフの顔と名前を覚えることですね。私は以前の職場である都立病院に11年間も勤めていたので、そういう感覚を今、少しずつ取り戻しているところです。

 職場を変えたのとともに、郡山市という初めての街に移住しました。初めての街に住むのはいつもワクワクします。私はこれまで横浜、鹿児島と東京にしか住んだことがなかったので、北国は初めて、東北も初めて。新しい街では、人々が話す言葉が違いますから、たまに聞き損じることもあります。

 気候も全然違いまして、朝晩は冷え込んでいます。上司に聞けば「梅雨は寒いから6月でもまだコタツ出してるよ」と。飲み屋さんでは「メヒカリの唐揚げ」というものを福島に来て初めて食べましたが、これが実に旨いのです。

メヒカリの唐揚げ。福島県に来て初めて食べましたが、本当に旨いのです

 そして先日は病院の同僚医師であり研究仲間でもあるみんなと岳(だけ)温泉に行って「温泉会議」をしてきました。郡山市から車で40分ほど北上した安達太良山(あだたらやま)山麓にある温泉地で、歴史あるひなびた風情。草津や熱海などの大きな温泉地とは違い、静かで、ゆっくりと湯につかることができました。

露天風呂は、ただ静かに夕刻を過ごしているようでした

 安達太良山といえば詩人高村光太郎が洋画家の妻について書いた「智恵子抄」でおなじみですね。

 あれが阿多多羅山、
 あの光るのが阿武隈川。

(『校本 智恵子抄』角川文庫、「樹下の二人」より)

 統合失調症を発症した奥さんへの揺るぎない愛。こんなものが現代にはあるのかな、などと想いを馳せながら温泉につかりました。

 地元の食材を使った極上の夕食を終えた後は0時過ぎまで研究会議をし、翌日は6時に出発するという強行スケジュールでしたが。

ご馳走を前に

コメント11件コメント/レビュー

医は人それぞれ。ニキビで医者に行く人も放置する人もいる。致死性のものと一緒にしないでという人もいるでしょうけれど、私は同じように捉えています。
癌も、人それぞれでいいのでは。寿命だと思う(放置する)人も治療する人もいていいと思う。
私自身は、90超えたら手術はいいんじゃないの、って思うけれど、治療したい人が「もう年ですから」と言われるようなことになってはいけないと思う。
ただ、認知症などが入って、本人の気持がわからないとなってくると、家族は悩むでしょうね……。(2017/06/16 18:28)

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「あなたは何歳までがんの手術を受けますか?」の著者

中山 祐次郎

中山 祐次郎(なかやま・ゆうじろう)

外科医

1980年生まれ。聖光学院高等学校を卒業後、2浪を経て、鹿児島大学医学部医学科を卒業。その後、都立駒込病院外科初期・後期研修医を修了。2017年2~3月は福島県広野町の高野病院院長、現在は郡山市の総合南東北病院で外科医長として勤務。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

医は人それぞれ。ニキビで医者に行く人も放置する人もいる。致死性のものと一緒にしないでという人もいるでしょうけれど、私は同じように捉えています。
癌も、人それぞれでいいのでは。寿命だと思う(放置する)人も治療する人もいていいと思う。
私自身は、90超えたら手術はいいんじゃないの、って思うけれど、治療したい人が「もう年ですから」と言われるようなことになってはいけないと思う。
ただ、認知症などが入って、本人の気持がわからないとなってくると、家族は悩むでしょうね……。(2017/06/16 18:28)

オランダのように、安楽死を認めるべきです。高齢化社会で、家族に過大な負担を掛けたくありません。

迷惑かけても生きたい人は、そうすればいいですし、そこまで望まない人には安楽死の選択権を認めるべきです。他人が、どうこう言うべき事柄ではないのです。(2017/06/10 00:39)

このように逡巡されている様子を率直に伝えて下さることは必要なことだと思います。
有難うございます。(2017/06/09 16:47)

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