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オバマ政権、米建国の理念を追求し頓挫

2017年1月19日(木)

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1月20日、いよいよトランプ政権が誕生する。
トランプ氏の大統領就任にばかり目が向けられるが、この日はオバマ政権が終了する日でもある。
オバマ政権は、米国の歴史においてどのような意味を持つのか?
オバマ大統領は何を成し遂げようとし、何を実現したのか。
そして、何を成すことができなかったのか。
オバマ政権を総括することで、トランプ政権を評価するものさしも見えてくる。
拓殖大学の川上高司教授に聞いた。

(聞き手 森 永輔)

シカゴでの最後の演説に臨んだオバマ大統領(写真:The New York Times/アフロ)

オバマ大統領が8年にわたる任期を終了します。米国の歴史において、オバマ大統領はどのような意義を持つ存在だったのでしょう。

川上高司・拓殖大学教授(以下、川上):オバマ大統領は最もアメリカらしい大統領だったと思います。「自由」「民主」をはじめとする米国建国の理念を体現し、それを世界に流布しようとしました。私は、この理念の追求こそがオバマ大統領のキモであったと考えます。「核なき世界」の実現を目指したのも、この理念追求の延長線上に位置づけることができるでしょう。

 しかし、この理念の実現は中途半端に終わることになりました。肝心な時に武力行使をためらったために力の真空 が生まれ、リビジョニスト国家(現状打破勢力) が独善的な行動を取るのを許すようになりました。

 パスカルが言うように「カなき正義は無能」 だったからです。オバマ大統領の場合、正確には「力なき正義」ではなく、「持てる力をあえて行使しない正義」でしたが。

ジェファーソン主義を貫く

オバマ大統領が体現しようとした建国の理念とはどのようなものですか。

川上 高司(かわかみ・たかし)氏
拓殖大学教授
1955年熊本県生まれ。大阪大学博士(国際公共政策)。フレッチャースクール外交政策研究所研究員、世界平和研究所研究員、防衛庁防衛研究所主任研究官、北陸大学法学部教授などを経て現職。この間、ジョージタウン大学大学院留学。

川上:「自由」「民主」「法治」を柱とする理念です。トーマス・ジェファーソンが米国の独立宣言に「すべての人間は平等に造られ、創造主によって生存、自由、幸福の権利を含む侵害されることのない権利を有する」 と記しました。これに集約されていると言えるでしょう。オバマ大統領はジェファーソン主義を信奉しています。

 さらに言えば、オバマ大統領は建国の父達の理念に戻り、テロとの戦争で疲弊した米国を再生し「丘の上の町」(キリスト教徒の模範的な国)に戻し、そのうえで改めてその価値観を世界に普及させたかった。しかし、その想いは道半ばで頓挫し、果たすことはできなかったのだと思います。

 オバマケアの導入はこの理念を現実化した例と言えるでしょう。生存と幸福の権利を追求する手段を低所得者に提供する制度と言えます。まだ産声を上げたばかりであるにもかかわらず、もう消滅してしまいそうですが。

 オバマケアは結果として低所得者が多い有色人種層を優遇する面があります。悲惨な奴隷制度を経験した黒人層に対する贖罪の意味もあったのではないでしょうか。これもジェファーソン主義と軌を一にします。ジェファーソンは奴隷解放を独立宣言に盛り込もうとしましたが、反対に遭い断念せざるを得ませんでした 。

コメント2件コメント/レビュー

あとになって、批判や評価は誰にでもできる。(2017/01/19 09:50)

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「オバマ政権、米建国の理念を追求し頓挫」の著者

森 永輔

森 永輔(もり・えいすけ)

日経ビジネス副編集長

早稲田大学を卒業し、日経BP社に入社。コンピュータ雑誌で記者を務める。2008年から米国に留学し安全保障を学ぶ。国際政策の修士。帰国後、日経ビジネス副編集長。外交と安全保障の分野をカバー。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

あとになって、批判や評価は誰にでもできる。(2017/01/19 09:50)

地域ごとに米国の基軸国を定め 、基本的にはその国に地域の安全保障を任せる 。米国の安全保障に重大な影響が生じると判断した時のみ 、バランサー として戦力を投入する。> これを卑怯と思うならそれこそ平和ボケしています。
日露戦争の日本海海戦の時、英国はバルチック艦隊の動向を逐次日本に伝えることで目の前の敵を間接的に倒した。まともにやりあうより他国を間接的に応援する方が最小限の投資でライバルを抑え込むことができます。国益を語る割にはこの程度のしたたかさもないとはデリケート過ぎるんじゃないですか?(2017/01/19 09:11)

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