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「金融機関の営業は、顧客の利益になってない」

監督官庁である金融庁が断

2017年2月14日(火)

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 金融行政が大きな転機を迎えている。金融庁はこれまで不良債権処理など「銀行の健全性」を重視していたが、「企業と経済の成長と資産形成」を最大の目標として打ち出した。改革を進める金融庁・森信親長官は何を目指すのか。金融機関や顧客はどのように変わっていくべきか。

(構成 日経BPコンサルティング 金融コンテンツLab.

 「これを読んで、思わず苦笑しましたよ」。ある独立系投資信託会社の首脳が示した文章は、金融庁が2016年8月に出した2017年度の税制改正要望だった。そこにはこう書かれていた。

 「金融機関が真に顧客の利益になる商品・サービスを提供していない現状を、改める必要がある」

 銀行や証券会社の営業の現場は目を疑ったに違いない。監督官庁である金融庁から、今の金融機関の営業では、顧客の利益につながらないと断言されたに等しいからだ。実際、この独立系投信会社の首脳は、地方銀行の担当者などと話していて、首をかしげることが多かった。自社の投信を窓口で販売してもらおうと交渉に行っても、たいがい答えはNo。その理由が「これまで関係のある、大手銀行傘下の投信会社の商品を販売しなければいけないから」だった。

 この投信が個人顧客の利益につながっていればいいが、現実は違っていた。2016年10月までの株式相場低迷で、購入した顧客の大半は含み損を抱えていたという。個人の顧客は、毎月一定額を積み立てるドルコスト平均法と呼ばれる手法で、コツコツ投信を購入するのが、結果的に利益につながることが多い。だが現実は、販売手数料の確保を優先する金融機関が、設定直後に最低でも100万円程度、一括での投信購入を勧める。新しい商品が出るたびに、これを繰り返すから、個人顧客は勧められるまま、「回転売買」の連鎖にはまる。

 こうした流れを断ち切るために、金融庁は動き出した。その代表例が、2016年10月に打ち出した金融行政方針の中で掲げた「フィデューシャリー・デューティー」だ。金融機関に対し、もっと顧客本位の業務運営をせよと勧告した。

「金融機関が真に顧客の利益になる商品・サービスを提供していない現状を、改める必要がある」(写真:PIXTA)

 行き過ぎたノルマ営業をやめ、顧客の利益を最優先する営業への転換を金融機関に求めている。森信親長官の基本方針である「顧客本位の業務運営」が強く反映されている。こうした金融庁の方針が浸透すれば、無理な投信販売は減る見込みで、代わりに増えそうなのが、長い時間をかけ、コツコツと資産を増やしていく投資だ。

コメント1件コメント/レビュー

融資の面で言えば、借りる必要のない相手にはたくさん借りて欲しいけれど、借りる必要のある相手にはあまり借りて欲しくないと思うのが日本の金融機関の営業ですよね。
リスク・ヘッジと言えば聞こえは良いけれどさ。(2017/03/28 10:28)

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「「金融機関の営業は、顧客の利益になってない」」の著者

鈴木 亮

鈴木 亮(すずき・りょう)

日本経済新聞社編集委員兼キャスター

1960年生まれ。1985年早稲田大学政治経済学部卒、日本経済新聞入社。 1997年ロンドン駐在特派員、東京本社証券部次長、日経マネー編集長、日経電子版マネー編集長兼マーケット編集長などを経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

融資の面で言えば、借りる必要のない相手にはたくさん借りて欲しいけれど、借りる必要のある相手にはあまり借りて欲しくないと思うのが日本の金融機関の営業ですよね。
リスク・ヘッジと言えば聞こえは良いけれどさ。(2017/03/28 10:28)

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