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不幸の連鎖、男性の3人に1人「生涯未婚」時代

「親が死んだら天涯孤独」と少子化問題のゆくえ

2017年4月4日(火)

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 結婚できない男女で一番の障害になるのは経済問題だ。所得が少なく仕事が不安定であるために結婚に踏み切れない20代男女は、調査によって数字は異なるが、結婚できない理由上位を「結婚資金がないから」と回答している。20代、30代の正規、非正規を問わず支払われる賃金自体は下げ止まっているが、上昇し続ける社会保障費負担もあって手取りは伸びず、賃金が今後上がる保証もないとなれば、結婚よりもまず自身の生活をきちんと安定させるという志向になるのは致し方のないところともいえる。

 2000年代ごろまでの独身像というのは、自由な暮らしをしたいから独身を貫くというスタイルであったが、昨今の独身は後述する通り、追いやられ型が大多数を占める。すなわち、経済的に貧困で稼ぎが悪く貯蓄も少ないので仕方なく独身でいるか、望むような相手を探しても見つからないので異性との交際もしないまま年を重ねて引き返しがつかなくなるケースが多いのだ。

絶望的に高いシングルマザーの貧困率

 一方で、未婚問題で避けて通れないのがシングルマザーの貧困率の絶望的な高さである。同居や出生が日本社会においては結婚という制度ありきになっているため、つい最近まで、離婚や婚外子によるシングルマザー問題に光が当たることはなく、貧困の再生産につながってきた側面がある[3][4]。母子世帯となってしまった理由の80.8%は離婚が原因であり、離婚後の母子世帯の年間平均年収は291万円とされる。ただし、これは平均値であり、養育に扶助をしてくれる近親者(子供にとっての母方の祖母など)がいるのといないのとでは雲泥の差がある。2015年の国民生活基礎調査では母子のみの世帯が79万世帯、父子のみの世帯が9万世帯となっており、片親だけで児童を養育している世帯は我が国の全世帯の2%に及ぶ。その2017年の母子世帯あたりの月間支出は279,249円と前年対比でマイナスになっている。ただしこれもあくまで平均値であって、非正規就労を強いられる母子世帯の収入・所得は非正規雇用の場合は125万円に落ち込む[3]。このわずかな収入で育児をするわけであり、貧困に陥らないはずがない。

 独身もさることながら、離婚や死別によって子供ごと貧困に陥る事例が事欠かないのが日本の結婚周辺事情である。結局のところ、人生においてもっともリスクの少ない暮らし方をしようとすると、結婚し、子供をはぐくみ、人生の最後まで伴侶と手をつないで生きていくことに他ならない。他国の事例を見ても喫煙や高カロリー食よりも独身のほうが人生を短くする要因と認知されており、独身の短命は我が国だけの現象ではない。少子高齢化を根本から考えるとき、我が国の出生率の低下や、結婚できない(しない)男女が増加していくプロセスは、熟考に値する。結婚制度を前提にする限り男女の同居を前提として、それを守り抜いていく暮らしを目指して夫婦で助け合って生きていくしか社会制度的にも生物としてもレールが無くなっているといえる。そして、人口減少の要因はこの結婚ができない男女の増加がそのままダイレクトに少子化に繋がっていることになる。

生涯未婚率の推移(将来推計を含む)
出所:国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集(2015年版)」、「日本の世帯数の将来推計(全国推計2013年1月推計)」
(注)生涯未婚率とは、50歳時点で1度も結婚をしたことのない人の割合。2010年までは「人口統計資料集(2015年版)」、2015年以降は「日本の世帯数の将来推計」より、45~49歳の未婚率と50~54歳の未婚率の平均である。
独身にとどまっている理由
(出所:国立社会保障・人口問題研究所「第15回出生動向基本調査 独身者調査」)

交際経験なしでも結婚できる男性の条件は「年収」

 では、未婚男女において「結婚しない」人生を主体的に選択しているのだろうか。この手の調査で定番になっている国立社会保障・人口問題研究所の「第15回出生動向基本調査」では、17歳から34歳の独身男女5,276人で「いずれ結婚するつもり」と回答したのは男性85.7%、女性89.3%である[7]。あくまで、これは被験者の希望・意志にすぎないが、それだけ結婚したいと思ってはいることの証左でもある。ある程度の年齢までに結婚しようと考える未婚者は過半数であって、基本的には多くの日本人は良い相手がいれば結婚したいという「希望は持っている」ということは分かる。逆に若いころから「一生結婚するつもりはない」と回答する割合はおおむね1割以下にとどまっており、日本社会における結婚制度の存在の大きさが見て取れる。

 しかしながら、実際には30代未婚男性のおよそ3割が「女性との交際経験なし」である[8]。女性との交際経験がなくとも、お見合いや、地域の補助などで結婚に漕ぎ着ける男性も30代以降では毎年合計4%弱ほどいるが、交際経験がなくとも結婚できる男性のただ一つの条件は年収にある。逆に言えば、所得の低い非正規雇用に喘ぐ男性は、たとえ若かったとしても、民間サービスによっては婚活マッチングに自分を登録することすら断られるぐらい、成婚率が低くなってしまう。30代後半で年収200万円以下の層が民間サービスで登録して結婚相手を見つけられる確率は絶望的な数字となる。安定した生活を実現できる年収のある男性を選びたいという女性からの求婚ニーズに遠すぎて、登録しても相手を紹介されないのだ。統計的に見ると、30代未婚男性でそれまで女性と交際経験がない人は、年代によっても異なるが概ね20人に1人以下しか結婚することができない。

コメント60件コメント/レビュー

結婚しても出生率が高くなるわけじゃあない。 結婚して子供を育てられるだけの収入が担保されない限りにおいては子供は欲しくても作れないのが現状。
無駄な所に税金使って足りない分を税金上げてるような究極な社会主義国家じゃあ出生率の上昇は望めないだろう。

くだらない、モリカケ問題で一体何億円の税金が消費されたのだろう。 公文書偽造で罰すればいいものを時間と税金の無駄をいつまで続けるのだろう? その分の税金を子育て支援か何かの形で使えばいいのにと思うが.....(2018/04/11 21:24)

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「不幸の連鎖、男性の3人に1人「生涯未婚」時代」の著者

山本 一郎

山本 一郎(やまもと・いちろう)

個人投資家、作家

IT技術関連のコンサルティングや知的財産権管理、コンテンツの企画・制作に携わる一方、高齢社会研究や時事問題の状況調査も。「ネットビジネスの終わり(Voice select)」、など著書多数。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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結婚しても出生率が高くなるわけじゃあない。 結婚して子供を育てられるだけの収入が担保されない限りにおいては子供は欲しくても作れないのが現状。
無駄な所に税金使って足りない分を税金上げてるような究極な社会主義国家じゃあ出生率の上昇は望めないだろう。

くだらない、モリカケ問題で一体何億円の税金が消費されたのだろう。 公文書偽造で罰すればいいものを時間と税金の無駄をいつまで続けるのだろう? その分の税金を子育て支援か何かの形で使えばいいのにと思うが.....(2018/04/11 21:24)

2008年のリーマンショックの不況や中国への製造業移転の頃から非正規雇用の割合が企業の利益維持のため増えて、それが当たり前になった。正社員の給料を減らして非正規雇用と同じ給料にする。
大企業の社員の給料を中小企業の給料と同じにする努力があれば婚姻数もふえる(2018/04/08 19:31)

「近い将来、平均寿命が右肩下がりになるときがくるでしょう。」

いや、もう始まっていますよ。わかっている人は、そう自覚していますが、政府などはわざと誤魔化しています。社会保障費を削減する口実のためでしょう。

かつては日本一長寿だった沖縄県は、現在平均寿命で他県に負けています。男性のほうですが。
つまり、日本本土よりもアメリカの食文化が強く、早く入った沖縄では、平均寿命が延びなくなっているのです。

また、ハワイの日系人は、白人よりは平均寿命が長いですが、現在の日本人と比べれば、ずっと短い。つまり、アメリカナイズされた食生活では、遺伝子的には日本人と同じでも、寿命が短くなっているのです。

将来、平均寿命は必ず短くなります。政府はその対策を取るどころか、長生きされては財政が困ると、放置、助長しているのです。(2018/04/05 11:47)

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