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中国人の驚き「日本人は買わない客にも丁寧!」

「タテの差」と「ヨコの差」~中国人の金銭感覚を考える

2018年7月3日(火)

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 この連載も6回目を迎え、おかげさまで予想を超える多くの方に読んでいただいている。改めて御礼を申し上げたい。

 今回のテーマは中国人の金銭感覚についてである。ここにも「スジか、量か」という発想が大きくかかわっている。そういう話をしたい。

「中国人はケチである」という印象

 連載の第2回「小銭を返さない中国人は、何を考えているのか?」で、お金の使い方に関する「スジか、量か」の判断基準は以下のようにまとめられると書いた。

 日本人の社会 → 論理で判断してお金を使う
(お金を使うか使わないかを「スジ」で判断する)

 中国人の社会 → 払えるか払えないかで判断する
(お金を使うか使わないかを、使えるお金の「量」で判断する)

 これまで述べてきたように、中国人の判断基準は「ものごとの大きさ(=現実的影響)」に基づいて決まる傾向が強い。そのため、自分が直面するその場の「現実」が変われば、判断基準が変わる。日本人が理解しにくいところはここにある。

 中国社会がまだあまり裕福でなかった1980~90年代、おそらく2000年代初頭ぐらいまでに中国人と接した人は、一般に「中国人はケチだ」という印象を持っている人が多い。

 当時、中国社会の所得水準は低かったし、1カ月の収入をドル換算すると日本の平均的給与所得者の数十分の一などという時代が長くあった。だから当時の多くの中国人は、日本に限らず先進国に行くとお金の支出に極端にシビアになった。

 日本人だって、物価の相対的に高い場所に行けばお金の支出に渋くはなる。だが、それでも日本人は「使うべきか否か」という「スジ論」で支出を判断する習性が強いので、持っているお金が少なくても、理屈で割り切って必要なお金は使う――という対応をすることが多い。まさに「論理で判断してお金を使う」のである。

 しかし中国人は自分の持っているお金の「量」に先に意識が行くので、自分の手持ち資金が相対的に少ないと、とにかくお金を使わず、なんとか支出を減らそうとする。「使うべきかどうか」の観念より先に「使う量を減らす」という発想になる。当時、日本に留学に来た友人の中に、本当に水とコメとバナナ以外(日本はバナナが安い)ほとんど口にしていない人がいて健康の心配をしたりした。

 こういう中国が貧しかった時代の印象が、日本社会、特に一定年齢層以上の人には根強くあるので、いまでも「中国人=ケチ」というイメージが日本人の脳裏には色濃く残っている。

 ところが中国は急速に豊かになって、状況は大きく変わった。年収1000万円を中国元に換算すると60万元弱だが、いまや世帯単位でこの程度の所得のある人は都市部のホワイトカラーなら決して少数ではない。資産で見ても、最近は上海や北京などの大都会では郊外の築20年超、みすぼらしいマンションの2LDKが軽く1億円を超えるという世界である。

 そういう時代になって、手元のお金の量が増えてくると、中国人のお金の支出に対する判断基準は一気に逆回転する。途端に「ケチ」から一転、大胆にお金を使うようになるのである。お金がないと使わないが、お金を持つと太っ腹になる。中国人にはそういう傾向があって、ここが常に原則重視の日本人の金銭観と大きく違う。

コメント12件コメント/レビュー

似たような内容なのかと思ったので読むのが遅くなってしまいましたが、とても面白かったです。タイトルは普通でしたが内容の方はものすごく良かったと思います。(2018/07/04 20:02)

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「中国人の驚き「日本人は買わない客にも丁寧!」」の著者

田中 信彦

田中 信彦(たなか・のぶひこ)

BHCCパートナー

90年代初頭から中国での人事マネジメント領域で働く。リクルート、大手カジュアルウェアチェーンの中国事業などに参画。上海と東京を拠点にコンサルタント、アドバイザーとして活躍している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

似たような内容なのかと思ったので読むのが遅くなってしまいましたが、とても面白かったです。タイトルは普通でしたが内容の方はものすごく良かったと思います。(2018/07/04 20:02)

中国本土の金持ちというのは、しょせん成金であることと、社会的特権と金が一体化していることから、そうなるのではないか。邱永漢さんの書いたものには、華僑の大金持ちのケチっぷりについて書いたものがある。ここで書かれている中国人の特徴は、共産中国の特殊事情下でのもので、必ずしも漢民族の伝統的なものではないと読むべきだろう。(2018/07/04 08:55)

個人の消費感覚については、記事のとおりかも知れませんが、力関係の差がある企業同士とか、企業と個人の技術者や芸術家との取引においては、日本人は「払うべき額を払うのではなく、力関係で強いものの言い値で話を進めるのが当然」、中国人は「相場を調べて、いい仕事を頼むためなら、十分妥当な額を払う」という、逆の傾向があります。

どうやら、それは、中国のほうが同業者の横のつながりが強くて、力関係でプロの個人の技能をないがしろにすると、あっという間に噂が広がって、「同業者たち全体の敵」と目されるからのようです。なんとなく、ヨーロッパのギルドを連想しますね。

これは、コンピュータプログラムとか電子回路の設計依頼から、絵や音楽の発注に至るまで、様々な分野で見聞きする、実際に中国企業からの仕事を引き受けた中小企業や個人事業者の経験談です。(2018/07/04 04:46)

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