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AI診察が実現したら、医師の役割はどうなる?

米国で「糖尿病網膜症」の診断が実現

2018年7月12日(木)

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AIによって眼科の医師の仕事はどう変わるのだろうか

 皆さん、AIと聞いたら何を思い浮かべるでしょうか? もちろん、シンガーソングライターのAI(アイ)さんのことではありません(私はファンなのでいつも思い浮かぶ)。

 AIといえばそうです、Artificial Intelligence (人工知能)です。

 空前のAIブームが到来し、メディアで目にしない日はないほど、AIは注目のワードになっています。AIによって、「負担が減り、便利な世の中になる」という肯定的な意見がある一方で、「仕事が奪われてしまう」といった問題提起もされています。

 「医師の仕事には当面、AIに奪われることはないだろう……」と考えていた矢先、ついに私の仕事(眼科医)にもAIの波が押し寄せてきました。2018年4月11日、米食品医薬品局(FDA)で、AIを使った「糖尿病網膜症」の診断機器に認可が下りたのです! この機器を用いれば、眼科医でなくとも、糖尿病網膜症の診断が可能になるといわれています。

「糖尿病網膜症」とは

 糖尿病網膜症は、中高年の失明原因の2位に位置しますが、どのような病でしょうか。

 糖尿病によって血糖値が高い状態が続くと、目や腎臓などの細い血管や神経に多くの合併症が起こります。そこで、目の血管がダメージを受けると糖尿病網膜症、腎臓の血管が悪化した場合は腎不全になります。また、神経に障害が及ぶと、手足のしびれや足の感覚の麻痺によって傷が悪化し、潰瘍や壊疽になることがあります。

 糖尿病は約1000万人が罹患する病気で、そのうち10.6%が糖尿病網膜症を併発するといわれています。

 糖尿病網膜症にかかると、網膜の血管が弱くなり、そこから血液や血しょう(血液のうち、赤血球、白血球、血小板を除いた透明な液体)成分が漏れ出し、むくみが出て視力の低下を起こします。同時に、血管が詰まったり出血したりすると、網膜に酸素の供給がうまくできなくなってしまいます。

 すると、眼球の内側にある「網膜」は息苦しくなるため、新しい血管(新生血管)が作られます。しかし、この血管はとてももろく、すぐに破け、出血や成分の漏出を度々起こし、視力が徐々に低下していきます。これが糖尿病網膜症です。

 治療にあたり、眼科医と糖尿病内科医が協力し、糖尿病と網膜症をコントロールしていきます。しかし、一度、糖尿病網膜症にかかってしまうと、内科がどれだけコントロールをしても、網膜症を元に戻すことはできません。

 そこで眼科では、投薬(抗VEGF薬、本項では詳細は省略)やレーザー等の手段で治療にあたります。昨今では、この治療法によって視力の低下を防ぐことができます。さらには、網膜のある眼球内部の後面である「眼底」の状況の綿密なフォローアップが必要になります。

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「AI診察が実現したら、医師の役割はどうなる?」の著者

猪俣 武範

猪俣 武範(いのまた・たけのり)

順天堂大学医学部医学科助教

2006年順天堂大学医学部医学科卒。12年に同大で医学博士号取得。12~15年にハーバード大学医学部眼科スケペンス眼研究所へ留学。留学中、ボストン大学でMBA(経営学修士号)を取得。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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齋木 昭隆 三菱商事取締役・元外務次官