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綿密な予測、完璧な製品は「停滞」の元凶になる

「スタートアップ・ウェイ」概論

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2018年6月14日(木)

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 組織がイノベーションを起こせなくなる一因は「予測」とそれに基づいて「完璧な製品」を作ろうとするようになるから――『リーン・スタートアップ』の著者、エリック・リース氏はこう指摘する。時代の変化がゆるやかな時代は、3年先、5年先といった単位で予測が当たった。ところが動きが早い今、数年先の予測はほとんど当たらない。さらには、以前のようにその予測だけに頼って開発を進めたら、売れない製品ができるだけだ。リース氏は、様々な組織でリーン・スタートアップを導入した経験を基に、不確実な世界でもずっと成長し続けるためのマネジメント法「スタートアップ・ウェイ」をまとめた。その書籍『スタートアップ・ウェイ』から一部を抜粋して掲載する。
エリック・リース

 アントレプレナーであり、ニューヨークタイムズ紙のベストセラーリストに登場した『リーン・スタートアップ』(日経BP社)の著者でもある。『リーン・スタートアップ』は100万部以上が売れたミリオンセラーであり、30を超える言語で翻訳版が出版されている。リーン・スタートアップ手法はビジネスの分野で大きなムーブメントとなり、世界中の企業や個人が実践している。

 数年前、私はマネジメント分野の古典的名著であるアルフレッド・スローンの『GMとともに』(ダイヤモンド社)を読んだ。この本では、1921年に現金がほとんどなくなった事件が紹介されている。別に、大惨事があったわけでも横領スキャンダルがあったわけでもない。単純に部品を買いすぎた、世の中の景気が悪くなりつつあり1920年から1921年の需要が低迷すると気づかず、在庫を数億ドル分も抱えすぎたのだ(1920年代のお金で、である)。

 この危機をなんとかしのいだスローンは、数年をかけ、このような問題の再発を防止できるマネジメント理論を探した。その結果、完成したのが、「事業部の協調管理を実現する鍵」と彼が呼ぶものである。

 このシステムを支えるのは、「理想的」な年であれば何台売れるかという事業部ごとの予測だ。この数字にさまざまな社内目標と外部のマクロ経済要因を組み合わせ、事業部ごとの販売目標を本社が設定する。この目標を上回った部門の幹部は昇進するし、上回れなかった部門の幹部は昇進できない。このような形の仕組みがあれば、1920年のような誤算や資源の無駄使いは起きない。

 アルフレッド・スローンが提唱した組織構造は、20世紀の総括マネジメントの基礎となった。これなしで、たくさんの部門でたくさんの製品を作り、たくさんの国に展開する企業とそのグローバルサプライチェーンを経営することはできない。この100年間でもトップクラスの画期的なアイデアで、いまも広く使われている。

 ルールは単純だ。予測を上回れば株価が上がり自分は昇進するし、下回ればいろいろと心配しなければならなくなるというわけだ。

 だが、この話を聞いたとき、私の頭をよぎったのは……
 昔々あるところで……
 予測が行われ……
 そのとおりになったのか?
 だ。

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