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トヨタはこうして「作るべきもの」をみつけた

「スタートアップ・ウェイ」事例02

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2018年6月28日(木)

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 シリコンバレーをはじめ世界中に広く普及した製品開発手法「リーン・スタートアップ」の提唱者、エリック・リース氏はトヨタのリーン生産方式に敬意を表して「リーン・スタートアップ」と名付けたという。もっとも、トヨタは「作るべき新しい物」を見つける仕組みが自社に欠けていたと判断し、リース氏の手法を応用した。リース氏が記した新刊『スタートアップ・ウェイ』から、一部を抜粋して掲載する。
エリック・リース

 アントレプレナーであり、ニューヨークタイムズ紙のベストセラーリストに登場した『リーン・スタートアップ』(日経BP社)の著者でもある。『リーン・スタートアップ』は100万部以上が売れたミリオンセラーであり、30を超える言語で翻訳版が出版されている。リーン・スタートアップ手法はビジネスの分野で大きなムーブメントとなり、世界中の企業や個人が実践している。

 白状すると、トヨタから声をかけてもらったときには、ちょっと緊張した。リーンな仕事のやり方について語る者なら、だれにとっても、リーンな生産方法を初めて大々的に活用したトヨタは神に近い存在だからである。2011年に提唱した理論を「リーン・スタートアップ」としたのも、トヨタおよびリーンな考え方の先駆者たちに対する敬意を込めてのことだ(それは本書についても言える。本書の書名は、ジェフリー・ライカーの名著『ザ・トヨタウェイ』(日経BP社)にちなんだものだ)。前著『リーン・スタートアップ』を書いたとき、私は、新たな領域─とても不確実なアントレプレナーの世界─にもリーンな考え方は適用できると示し、新世代の管理職や幹部にも参考にしてもらえたらと思っていた。

 この分野においてトヨタは伝説といっても過言ではない会社であり、事業も順調であることを考えると、『リーン・スタートアップ』など関係ないと一笑に付されておかしくない。私には製造業の知識もなければ「トヨタウェイ」を正式に学んだこともないわけで、そういう意味からも眉につばを付けられて文句は言えない。だが、トヨタはオープンな文化の会社で、いずれも問題にしなかった。リーン・スタートアップのアーリーアダプターがトヨタ社内にはたくさんいて、私は、トヨタ生産方式にリーン・スタートアップを組み合わせるといい理由をいろいろと教えてもらうことになる。

 トヨタは、スケジュールどおり、予算どおり、業界トップクラスのコストで高品質の製品を大量生産することにかけて世界をリードしている。プリウスのハイブリッド駆動方式など技術革新で大成功を収めたトヨタだが、私が呼ばれたころには、デジタルプラットフォームを組み込むスタイル面のイノベーションが遅れていた。消費者の好みが変化し、自律運転技術が進歩すれば、これが会社全体の足を引っぱる弱点になる恐れもある。

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