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逆境を楽しめるリーダーが最後に笑う

流大・ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズ主将×岩出雅之・帝京大学ラグビー部監督(下)

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[1/5ページ]

2018年7月17日(火)

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大学ラグビー9連覇の岩出雅之監督と、トップリーグと日本選手権2連覇の流大主将。

「勝つ」と「勝ち続ける」の間には雲泥の差がある。偶然勝てることはあるが、偶然勝ち続けることは絶対にできない。経営でもスポーツでも、組織で結果を出し続けるためには、秀でた文化とシステム、人づくりが必要だ。大学ラグビーで前人未到の9連覇を継続中の帝京大学ラグビー部を率いる岩出雅之監督と、同大ラグビー部OBで岩出監督の教えを受け継ぎ、トップリーグのサンゴリアス主将として日本選手権2連覇を達成し、スーパーラグビー・サンウルブズでも主将として活躍する流大選手に、「逆境時のリーダーシップ」をテーマに語り合ってもらった。今回は下編をお届けする。

(写真:厚地健太郎)

上編から読む

常勝の原動力は「イノベーション」

帝京大学ラグビー部の強さの秘訣は、組織のなかに常にイノベーションが起きていることにあると前回うかがいました。岩出監督が進める「脱・体育会」の取り組みでは、最上級生の4年生が掃除などの雑用をもっともこなすとうかがっています。流さんの在学時、新たな変革としてどんなことがあったんですか?

:僕が1年の頃、掃除はすでに4年生がしていました。3年生の時、一つ上の代(4年生)の先輩たちは、1年生がやっている「食事当番」を自分たちで引き受けて1年生の負担を減らそうという改革を行ったんです。そのときの4年生の決断は、すごく尊敬できました。チームの進化のために、1年生の時にやった食事当番を、4年生でもう一回やったわけですから。チームのキャプテンや副キャプテンも食事当番で僕らに配膳してくれましたので、素直に「4年生ってすごいな」と感動しました。

帝京大ラグビー部のなかでは毎年、新しいチャレンジやイノベーションの導入があるんですね。

:はい、なので4年生は毎年大変なんです(笑)。新4年生には「前年の4年生を越えたい」という目標があるので。前年の4年生のすばらしい姿を見て、「ああいう風になりたい」と思うと同時に、それを越えないとチームは進化しないという思いもあります。そうやって4年生のレベルは毎年着実に上がっているので、現在は僕らの時と比べると絶対にレベルアップしていると思います。

岩出:実際、上がっています。

流 大(ながれ・ゆたか)氏
ラグビー・トップリーグのサントリー・サンゴリアス主将。スーパーラグビーのヒト・コミュニケーションズ サンウルブズでも主将を務める。1992年福岡県生まれ。2011年帝京大学入学、ラグビー部に所属し2年からレギュラー。4年で主将になり、大学選手権6連覇達成に貢献。2015年サントリー入社。サンゴリアスで2年目(2016年度)にキャプテンに抜擢されると、チームは前年9位からトップリーグ優勝、日本選手権も制する。2017年度も2年連続で2冠達成。選手としてトップリーグのベスト15にも輝く。日本代表キャップは12。2019年ラグビー・ワールドカップで日本代表を牽引するリーダーとしての活躍に期待がかかる。

去年の帝京大学ラグビー部の活動テーマが「楽しさ」だったんですが、これはもともと流さんが4年の時、大学選手権優勝後の主将インタビューで語られた「楽しいことばかりではありませんでしたが」のフレーズを聞いた岩出監督が、それなら「楽しいことばかりだった、と言ってもらえるようにしよう」と考え、打ち出したと聞いています。

:インタビューでは、事前に準備していたことではなく、その時に思ったことを口にしました。あの時は、試合になると勝っていたんですが、チームがばらばらになりそうになったことやうまくいかないことがあり、それが頭をよぎって「楽しいことばかりではなかったけれど、それを乗り越えて」という言葉になったんだと思います。

 岩出監督の『常勝集団のプリンシプル』を拝読させていただいて、やはり「楽しい」ということが一番成長につながるということがよくわかりました。

 当時の自分を振り返ると、試合や練習を楽しむというのは難しくて、一生懸命、目の前のプレーをやっていました。試合中に笑うこともなく、精神的にもそこまで余裕がなかった。今年1月の大学選手権決勝の明治戦では、試合の後半に13点差で負けていましたが、たとえば、あれが僕たちの代だとしたら、焦ったり不安になったりしていたと思います。いまの学生は、それすらも楽しみに変えてしまう。逆境でポジティブなマインドを持てるのはすばらしいと思いました。

岩出:あらためて振り返ると、そういうアプローチの変化は、僕自身の変化なので、自分の未熟さを感じますね。それに気付くのがもう少し早ければ、流選手の頃にそうしていたと思う。流選手の代は、勢いやノリでいく学生が多かった。勢いはある半面、雑になったり、お調子者になったりする。2年生の頃から試合に出ている選手が多くて、それだけパワフルな選手が多かったが、雑で諦めも早い。当時の僕は、何事も最後まできちんとやりきらせようと思って指導していた。いまだったら、もう少し違ったアプローチをしていたと思います。「そうやっていると、おもしろくないんじゃないの?」という投げかけをして、楽しさの方向に学生の考えを向けていく。「もっとこうしたほうが、おいしいよね」と楽しさの味を教えていく。こういう話になると、「指導者の責任」というものを痛感しますね。たった3、4年の違いですが、流選手が卒業してからの変化もかなり大きい。

岩出 雅之(いわで・まさゆき)氏
帝京大学ラグビー部監督、帝京大学スポーツ医科学センター教授。1958年和歌山県新宮市生まれ。1980年日本体育大学卒業。大学時代、ラグビー部でフランカーとして活躍し、1978年度全国大学ラグビーフットボール選手権大会で優勝の原動力になり、翌年度、主将を務めた。教員となり、滋賀県教育委員会、公立中学、高校に勤務後、1996年より帝京大学ラグビー部監督。2009年度全国大学ラグビーフットボール選手権大会で初優勝。以来、9連覇を継続中。著書に『常勝集団のプリンシプル』(日経BP社)がある。

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齋木 昭隆 三菱商事取締役・元外務次官