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虎屋当主「いいものに触れれば語り合いたくなる」

ファクトリエ山田代表が聞く老舗が守り続けたものづくりの精神(前編)

2018年11月7日(水)

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 アパレル業界の常識を根底から覆すものづくりに挑戦するブランド「ファクトリエ」。店舗なし、セールなし、生産工場を公開、価格は工場に決めてもらう——。これまでのタブーを破って、日本のものづくりを根底から変えようとしている。つくる人、売る人、買う人の誰もが、「語りたくなる」ようなメイド・イン・ジャパンの新しいものづくりを目指す。本連載では、同ブランド代表の山田敏夫氏が、思いのあるものづくりを実践している人々に話を聞く。連載1回目に登場するのは500年の歴史を持つ和菓子「虎屋」の17代当主の黒川光博氏。創業以降、虎屋が大切に守り続けてきたものづくりの思いとは何か。ファクトリエが開催したイベントで語る黒川当主の話をまとめた。今回はその前編。
写真内右が黒川光博(くろかわ・みつひろ)氏 虎屋代表取締役社長17代当主
1943年生まれ。学習院大学法学部卒業。富士銀行(当時)勤務を経て、1969年に虎屋入社。1991年、代表取締役社長に就任する。全国和菓子協会会長、日本専門店協会会長などを歴任。著書に『虎屋――和菓子と歩んだ五百年』(新潮社)、『老舗の流儀 虎屋とエルメス』(共著、新潮社)がある。(取材日/2018年4月23日、写真/竹井俊晴)
山田敏夫氏の「ファクトリエ」の歩みをまとめた『ものがたりのあるものづくり』

山田敏夫氏(以下、山田):黒川当主とのご縁は、6年ほど前、僕がファクトリエを創業してすぐの頃に、「ものづくりの真髄について伺いたいので、ぜひ会っていただけませんか」とお手紙をお送りしてからのご縁ですよね。以来、何度もお会いさせていただきました。

 それも、一度の手紙ではお返事をいただけなかったので、二度書きました。お返事をいただけた時は本当に嬉しかったです。

黒川光博氏(以下、黒川):最初のお手紙から、非常に熱心な方だという印象を受けましたが、たまたま忙しくしていて返事を書けませんでした。
 二度目にいただいた時は「また来たか」と思いましたが(笑)、お目にかかると本当に若い青年が現れたので驚きました。

 よく訪ねてくださったなと感心しながら、いろいろなお話をさせていただいたことを覚えています。

 山田さんは生まれ育った家が100年続く洋品店だと聞き、新しい挑戦を始めようとする志の中に、確かなルーツの存在を感じました。

 私は私で、室町時代の後期から500年ほど和菓子屋を営んでいる家に生まれまして、家を継いだ形になります。

 京都で創業し、長らく京都で商いをしておりましたが、明治2年の東京遷都に伴い、天皇にお供して御用商人として東京にも店を構えたという経緯があります。

山田:500年。改めて、すごい年月ですね。第二次世界大戦の頃には、代々伝わる書物が空襲で焼けるのを避けようと、川の水に浸けて逃れたという話も聞きまして、老舗が抱える歴史の重みを感じます。

今日は、その歴史を継ぎながらも“革新”に挑む黒川当主のものづくりの哲学について、お伺いしたいと思います。

 まず、興味深いのは現在の経営理念として掲げていらっしゃるこちらの言葉について。「おいしい和菓子を 喜んで召し上がっていただく」。この経営理念はいつ頃に決めたものなのでしょうか。

黒川:おそらく30年ほど前だったかと思います。当時は健在だった先代である父と私と社員とで、「虎屋にとって一番大切にすべきことは何だろうか」とじっくり話し、改めて言語化してみたところ、「それは、おいしい和菓子を喜んで召し上がっていただくことに尽きる」と結論付いたのです。

 企業理念というのはついいろいろと盛り込みたくなるものですが、単純かつ皆が共通の目的として一つにまとまれるための言葉であることが重要だろうと考えているんですね。

 単語一つひとつには、吟味した意味が込められています。

山田:皆が覚えやすいように、あえてシンプルにされたということですね。そして、短い言葉に深い意味を込めたと。

 例えば、「おいしい和菓子」という言葉にはどのような思いを込めたのでしょうか。

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「虎屋当主「いいものに触れれば語り合いたくなる」」の著者

山田 敏夫

山田 敏夫(やまだ・としお)

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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