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EU離脱国民投票の不正告発者が日本に警鐘

パキスタン系英国人、シャミール・サニ氏に聞く

2018年6月25日(月)

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英国のEU(欧州連合)離脱を問う国民投票で不正があったーー。こんな内部告発が相次いでいる。その一つは離脱派陣営が、選挙法で定められている資金の上限を不正に越えて投入していたという疑惑だ。内部告発者の一人であるパキスタン系英国人、シャミール・サニ氏は、離脱派からの様々な個人的な誹謗中傷を受け、職も失った。今回、そのサニ氏の単独インタビューに成功した。同氏は、英国政治だけでなく、日本政治にも警鐘を鳴らした。

 EU(欧州連合)離脱を問う国民投票から2年が経った。英国ではこの3月、離脱派陣営で活動していた内部告発者により、選挙法で定められた活動資金の上限を不正に越えて投入していた疑惑が大騒動となった。詳細は、前稿に記したが、こうした告発や、有力紙・ガーディアンの調査報道などによって、投票結果の正当性が、現在も激しく議論され続けている。

 今回、内部告発者の一人であり、元離脱派団体でボランティアを行なっていた男性に話を聞くことができた。パキスタン系英国人、シャミール・サニさん(24)だ。告発当初、サニさんらをニュースで見ない日はなかったが、サニさん自身はほとんど海外取材を受けておらず、日本のメディアで話すのは、これが初めてだ。

 離脱陣営に持ち上がった疑惑は、国民投票法で定められている、各主要団体が広告やキャンペーンに投じて良い資金の上限700万ポンド(約10億1500万円)を越えた額を使ったのではないか、というものである。同法では、その他の登録された団体には、上限70万ポンドの使用が認められていた。700万ポンド以上の金が必要となった離脱の公式団体が、サニさんの団体に彼らの使用上限に迫る62万5000ポンドもの金をキャンペーンとは別の「寄付」として流し、その金をサニさんに命じて、自分たちがキャンペーンで使ったデジタル企業に流させたのではないか、というものだ。つまり、離脱陣営がキャンペーン資金の簿外と見せかけ、上限を超える資金を使っていたという疑惑だ。これを「資金流用があった」と証言したのがサニさんだ。離脱派の関係者は、これらの疑惑を否定している。

 サニさんは告発により、それまで家族にもひた隠しにしてきた同性愛者である事実を、当時離脱派団体の主要メンバーであり、一時恋人だった、現職の官邸関係者から暴露された。男性はサニさんに事前の了解も得ず、一連の告発は、恋愛関係のもつれによるものだと、米ニューヨークタイムズ紙に公式に発表した。

 突然セクシュアリティを公然と、しかも時の政権関係者から公表された本人や家族のショックは計り知れないが、今も親族の暮らすパキスタンで同性愛はタブーであり、親戚らが深刻な危険にさらされたと言う。告発により、職も失った。それでも、離脱を支持したことや、告発を行ったことを後悔してはいないと語る。

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「EU離脱国民投票の不正告発者が日本に警鐘」の著者

伏見 香名子

伏見 香名子(ふしみ・かなこ)

フリーテレビディレクター(ロンドン在住)

フリーテレビディレクター(ロンドン在住)。東京出身、旧西ベルリン育ち。英国放送協会(BBC)東京支局プロデューサー、テレビ東京・ロンドン支局ディレクター兼レポーターなどを経て、2013年からフリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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