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EU離脱で英国の魂である医療制度が崩壊も

離脱派が唱えた「医療制度が改善する」はウソだった

2018年10月17日(水)

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 来年3月29日に定められた、英国の欧州連合(EU)離脱まで半年を切った。離脱による影響は、EU各国間との関税や、アイルランドとの国境問題など多岐に渡り、今なお政治の現場はもちろん、人々の間でも激しい議論が絶えることはない。しかし、全ての英市民が離脱によって影響を被るのは、何より医療面ではないだろうか。

 英国の医療は、NHSと呼ばれる「国営医療制度」が主体だ。財源は税金であり、英国に居住していれば外国人であっても、患者は基本的に無料で医療が受けられる。(歯科治療は除く)しかし、NHSは慢性的な資金不足に苦しみ、近年の緊縮財政で、更に予算は削られる一方だ。資金難から人件費も削られ、手術を必要とする患者が長期間待たされるなど、深刻な事態に陥っている。

 2年前、EU離脱を問う国民投票の際、離脱派はこうした待ち時間の長さなど、NHSにまつわる問題の多くが、増えすぎた移民のせいだとの主張を連日展開した。真っ赤なキャンペーンバスに「毎週EUに支払う拠出金、3億5千万ポンドをNHSへ」との公約を掲げ、離脱こそがNHSを改善する、と声高に訴えた。

 この主張は、離脱決定直後、離脱派の急先鋒であった、当時の独立党党首によりいともあっさり「確約はできない」と覆されている。だまされた、と感じる英市民は、現在でも少なくはない。

 離脱派の思惑が何であれ、英市民の命を預かるNHS関係者の間には、離脱による深刻な打撃を懸念する声が噴出している。先月15日、離脱に反対するNHS関係者で組織された団体、NHS Against Brexitのイベントが、ロンドン市内で開かれた。

 最前列で熱心に講演者の話に聞き入っていたのは「不安を感じる一市民」としてイベントに参加したマイク・ジョージさん(74歳)だ。ジョージさんは、「NHSは、市民として私たちが得られる唯一の医療サポートです。私たちの面倒を見てくれるものですし、年齢を重ねるごとに、人々にはケアが必要です」と話した。

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「EU離脱で英国の魂である医療制度が崩壊も」の著者

伏見 香名子

伏見 香名子(ふしみ・かなこ)

フリーテレビディレクター(ロンドン在住)

フリーテレビディレクター(ロンドン在住)。東京出身、旧西ベルリン育ち。英国放送協会(BBC)東京支局プロデューサー、テレビ東京・ロンドン支局ディレクター兼レポーターなどを経て、2013年からフリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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