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無自覚にハラスメントに加担していませんか?

ケーススタディで学ぶSOGIハラ(ソジハラ)

2018年10月12日(金)

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(写真:PIXTA)

 第2回の記事で触れたSOGIハラ(ソジハラ。性的指向・性自認に関するハラスメント)について、最終回でもある今回はケーススタディもまじえて解説してみよう。

 まずは次のやりとりを読んでほしい。

 「ねぇ知ってる? あの人ってこっちらしいよ」(片手を頬にそえるしぐさとともに)
 「え? そうなの。言われてみたらなんとなくそれっぽいかも(笑)」

 社内で、あるいは飲み会の席でこんな会話で盛り上がっているとき、その場で凍りついている、カミングアウトしていないLGBTの当事者がいるかもしれないと想像したことがあるだろうか。

 連載第1回でも紹介したように、LGBTの社員は、13人に1人くらい、7.6%の割合でじつは社内にもいる可能性がある。そしてそのほとんどが職場ではカミングアウトしていない。

 多くの働くLGBTから聞こえてくるのは、「職場での『ホモネタ』がつらい。LGBTを嘲笑うような環境では、絶対にこの職場では自分のことは話せないと感じる」という悲痛な声だ。

 言っている方からすれば、「ただの冗談なんだからそんなに真面目に反応されても、、」と困惑するかもしれない。それに、これまではこうした話題が、ある種「会話の潤滑油」として機能してしまっていたという側面も否めない。だが、その背後には、これまではイヤだと思っても「おかしい」とか「やめてください」と声をあげられなかったという現実がある。

 2010年代に入って、LGBTをとりまく社会の変化と、当事者の意識の変化がうねりのように起きている。「性的指向(Sexual Orientation):好きになる相手の性別」と「性自認(Gender Identity):自分の性別の認識」=SOGI(ソジ)を尊重してほしい、SOGIに関してからかいやいじめ、差別をしてほしくない、という当事者の切実な声の高まりを受けて、2017年にSOGIハラという言葉が生まれた。

 マタハラ(マタニティ・ハラスメント)という言葉を例にとるとわかりやすい。マタハラという言葉は、10年前にはなかった。被害を受けていた女性たちがその実態をハラスメントと名づけ、広めたことで、社会問題化し、2017年からは法改正を受けて、マタハラ防止の措置義務が事業主に課されるようになった。

 同じタイミングでの男女雇用機会均等法の改正で、セクハラ防止指針が改正され、セクハラの対象はSOGIにかかわらない旨が明記された。また、セクハラの背景としてSOGIハラに該当する言動が盛り込まれ、あわせて周知されている。

 ハラスメントかどうかは、シンプルに判断できる。とても大切な存在や、大事な取引先の社長やその配偶者を相手にしても、同じ言動を行えるかと問われ、「イエス」と即答できない言動は、ハラスメントに該当する可能性が高い。

 LGBTの本人やLGBTが家族や友人、同僚など身近にいる人の場合では、そうでない人に比べて、ホモネタなどSOGIハラへの感度が上がり、「受けたことがある・見聞きしたことがある」という割合が4倍近く高くなるというデータもある(連合「LGBTに関する職場の意識調査」)。

 多くの人がLGBTをまだ身近な存在として感じられていない中では、見えないところでLGBTの社員を傷つけて、うつや離職の原因になっている可能性があるSOGIハラがどんなもので、どんな対策ができるのかについて知識を得ることがまずは重要だ。

 LGBTの社員ものびのびと安心して働ける、心理的安全性が確保されている環境の方が、パフォーマンスも向上するという関連性については連載第1回の記事(リンク)で説明した。

 心理的安全性を簡単に下げてしまう要因である、SOGIハラのケースをいくつか見ていこう。

コメント7件コメント/レビュー

>差別やハラスメントについて無関心でいればいいという意見には危機感を覚えます。

横から。

具体的にはどうすべきかを書かないと、対応できません。
たとえば、理由もなく性的嗜好を言いふらされたりしているのであれば、LGBT差別として許されないと思います。
しかし、そんな当たり前のことを要求しているとも思えません。

LGBTをネタにした冗談を言うなということでしょうか?
LGBT以外の特徴であってもネタにされることは往々にしてあります。
公的に「障碍者」(LGBTを含む)と認定された特徴についてはネタにしてはいけないということでしょうか?
確かに他人の障碍をネタにすることは品がないと思いますし、私も基本的にはそういうことはしません。
しかし、それはただ単にLGBT(あるいは障碍者)を区別されたものとして、あっち側においやるだけのような気もしますが……。

とにかく、増原さんらはもっと具体的に詳細に議論をしてもらわないと、こちらとしては対応できません。
我々の言うことを聞かなければ「差別」みたいな議論には辟易とします。(2018/10/31 16:29)

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「無自覚にハラスメントに加担していませんか?」の著者

増原 裕子

増原 裕子(ますはら・ひろこ)

LGBTアクティビスト/コンサルタント。株式会社トロワ・クルール代表取締役。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

>差別やハラスメントについて無関心でいればいいという意見には危機感を覚えます。

横から。

具体的にはどうすべきかを書かないと、対応できません。
たとえば、理由もなく性的嗜好を言いふらされたりしているのであれば、LGBT差別として許されないと思います。
しかし、そんな当たり前のことを要求しているとも思えません。

LGBTをネタにした冗談を言うなということでしょうか?
LGBT以外の特徴であってもネタにされることは往々にしてあります。
公的に「障碍者」(LGBTを含む)と認定された特徴についてはネタにしてはいけないということでしょうか?
確かに他人の障碍をネタにすることは品がないと思いますし、私も基本的にはそういうことはしません。
しかし、それはただ単にLGBT(あるいは障碍者)を区別されたものとして、あっち側においやるだけのような気もしますが……。

とにかく、増原さんらはもっと具体的に詳細に議論をしてもらわないと、こちらとしては対応できません。
我々の言うことを聞かなければ「差別」みたいな議論には辟易とします。(2018/10/31 16:29)

いったい何歳の方が書いているのかわかりませんが、差別やハラスメントについて無関心でいればいいという意見には危機感を覚えます。
LGBTとは次元が違うと言われるかもしれませんが自分はモラハラ・パワハラの末精神障碍者となり職を失いました。
「モラハラ・パワハラはいけないと心得ていればよく、それを目撃しても無関心でいれば十分である」とお考えですか。
私の味方になってくれたのは3人でしたから、それが現実なのかもしれません。
それがどれほど辛いことか想像する力を持たない人はすぐにでも辞表を出して収入の道を断ってみるとおわかりになると思います。
そうでなくても他人のことを「気持ち悪い」と言い放つようでは自分のことを「差別者」と見られていることすら想像できないのでしょう。(2018/10/24 13:44)

自分はLGBTではないが、宴会での女装芸を「面白い」と思ったことがない。正直「気持ち悪い」の一言だ。であるから、申し訳ないが本職のLGBTは尚更生理的に受け付けない。
当然、この記事で推奨されている「配慮」など、自分にはできない。無理にそれをしようとしても偽善や欺瞞になってしまう。
自分にできるのはせいぜい「無関心」だと思う。

ところで、何故LGBTには特別な配慮が必要なのだろうか?
Tはともかく、LGBは少数ではあっても決して弱者ではないと思う。
ハラスメントがよくないと言うのは分かるが、それは無理解からくるものであって、変な気遣いやコミュニケーションなどと言ったベタベタした関係は必要ないと思う。

正しく理解し、興味がなければ無関心で居ればよいだけではないのか?
否定もせず、ただし肯定もせず、そこで余計なことをせずに何もしなければ良いだけの話じゃないのか?
そう言う意味では、プロは良いとする筆者の考えには同意しかねる。(2018/10/18 17:05)

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