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人も海老フライも「見た目が9割」!?

ルックスも味も妥協しない、介護食のつくりかた

  • Curiko .

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[1/6ページ]

2017年7月28日(金)

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 ガンで、噛む力に障がいを負ったご主人・アキオさんのために、妻で料理研究家のクリコさんは「食欲をそそる流動食作り」に挑み、介護食とは思えないほど「おいしそう」な料理を次々と生み出しました。その奮闘ぶりをお伝えした「ダンナが、ガンになりまして」連載が、ついに単行本化。こちらは、それを記念しましての番外連載です。

 前回までは料理初心者の編集Y氏が「見た目はおいしそうだけど、そうは言っても介護食なんだから、実際食べてみたらどうなの? 作るのは難しいのでは?」という疑問にお答えするべく、介護食作りに挑戦しましたが、今回からは私、助っ人編集Fがクリコさんの介護ごはんに挑みます。(助っ人編集F)

『希望のごはん 夫の闘病を支えたおいしい介護食ストーリー』

(前回「障害を越えうまいものを食べたい、食べさせたい」から読む

クリコ:あら、今回は助っ人編集Fさんが調理されるんですか?

助っ人F:はい! 前回までの枝豆のポタージュや、ふわふわ豚シート肉のトンカツを編集Yさんが調理するのを近くで見ていて、介護ごはんを食欲をそそる見た目にするためのアイデアや工夫が面白くて、わたしも作ってみたい!と、編集Yさんに調理を代わってもらうことにしました(笑)。わたしもYさん同様、料理には不慣れで、初心者のようなものですが…(ポリポリ)。

今回のお題は“なんちゃって海老フライ”

助っ人F:さて先生、今日は何を作りますか?

クリコ:ふわふわ海老すり身を使ったフライです。

編集Y:あ、あのおいしそうな「海老フライ」ですね!。

クリコ:「なんちゃって」ですけど、おいしいですよ(笑)。

海老を噛めないアキオさんのために「ふわふわ海老すり身」を海老の形にして揚げることを思いついた、クリコさん考案の“なんちゃって海老フライ”。海老にしか見えない!

助っ人F:ええっ、介護食なのに海老フライ!?と、初めて見たときはビックリしました。そしてこれは実は海老そのものではないという…。

クリコ:はい、そうです(笑)。この料理を考案した当時のアキオは、仮の入れ歯は入ったものの、ぷりぷりの海老は弾力があって、そのままでは噛めなかった。だから、本人も「海老フライ」はあきらめていたと思うんです。

 でも、揚げ物が大好きなアキオの前に、海老フライにしか見えない、けれどアキオがしっかり食べられる海老フライを、どうにかして出してあげたかった。アキオが驚いて、喜ぶ顔が見たかったんです。

編集Y:それで、アキオさんが噛める“なんちゃって海老フライ”を編み出した…。

クリコ:はい(笑)。ぷりぷりの海老ではなく、やわらかい海老のすり身を作ってフライにします。しかも、しっかり海老の味や香りを楽しめます。

助っ人F:面白そーう♪ では、さっそく、そのアイデアと工夫を教えてください!

クリコ:まず、材料はこちらです。背わたを取って下処理済みのむき海老。すりおろした大和芋と豆腐は、ふわふわシート肉の肉ダネ作りでも使いましたね。今回は海老のすり身に混ぜ込んで、すり身自体をやわらかくするためのものです。そして、マヨネーズ、溶き卵、お麩、酒、片栗粉、塩、干し海老の粉末、衣(ころも)用の細かいパン粉。このほか道具として、フードプロセッサーと絞り出し袋も用意します。

ふわふわ海老すり身の材料。銀のバットの左下にある黄色っぽい粉末が「海老の香りを増す魔法の粉」

助っ人F:…すでに、ものすごく海老の香りがしますね。

クリコ:「海老の香りを増す魔法の粉」があるからでしょう(笑)。干し海老を粉末状にしたものです。海老フライの本体になる海老すり身にも入れますが、すり身を揚げる時に使うパン粉にもこの粉を入れて、海老風味を増量します(笑)。

編集Y:なるほど!

泣けて、笑えて、生きる力が湧いてくる。
充実のレシピ、ハウツーを大幅加筆!

「この連載は仕事中に読めないのが難点。泣けてくるから。」

「お互いを思いやる優しさや、いつでも楽しさや幸せを共有するお二人の話に、会社なので毎回泣くのを堪えるのが大変でした。」

「命が輝くスーパー連載、有難うございました!」

「深い悲しみを表に出さない文章に、クリコさんの素敵なお人柄を感じました。私も主人を今まで以上に大切にします。」

「本連載は確かに最終回を迎えましたが、アキオさんクリコさんの史上最強ラブラブ物語が実を結ぶのは、まだまだこれからです!」

「食べることは生きること!胸に刻みました。」

「毎回、毎回、読むたびに涙が、ちょちょぎれました。
このばか甘カップル羨まし過ぎる。」

 連載中はたくさんの暖かいコメントをありがとうございました。「日経ビジネスが…介護料理の本?」と言われつつ、応援を力に、ついに単行本になりました。書籍名は『希望のごはん』。クリコさんの「食べることは、生きること」という言葉の意味を、そのままタイトルに取りました。

 もちろん、ただ連載を本にまとめただけではありません。エピソードのブラッシュアップはもちろん、33の人気メニューをフルカラーでレシピ紹介。食材の柔らかさの見立て方、万一の誤嚥や窒息の避け方など、実践でつかんだ介護食のノウハウも、担当編集者が「これじゃもう一冊作るのと同じ」と悲鳴を上げるほど満載です。

 家族と食と仕事への愛情が見えてくるエッセイとして、介護食のハウツー本として、そして何よりバカップル本として、お楽しみ頂ければ幸いです。

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齋木 昭隆 三菱商事取締役・元外務次官