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東芝に求められる「土光イズム」

2017年3月3日(金)

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(写真:NurPhoto/Getty Images)

 東芝が窮地に陥っている。2015年4月に報じられた不適切会計問題を皮切りに不祥事の発覚が続き、昨年末にはアメリカの原子力事業をめぐる巨額損失が明るみに出た。2月14日には、2016年度の第3四半期決算が発表される予定だった。だが、内部統制の不備を指摘する内部通報を受けて調査をしたところ、さらなる調査が必要だという判断が下されたという。

 東芝といえば、日本のトップ企業の1つだ。その東芝が今、下手をすると倒産するのではないかとまで言われている。きっかけは、2009年から6年間、社長3代にわたって続けられてきた粉飾決済だった。

隠ぺい体質が、問題をどんどん大きくさせた

 問題が露呈したのは、2015年春のことだった。6年にもわたって隠ぺいされていた粉飾決算が明るみに出て、今一度、東芝が全力を挙げて立ち上がろうとしたその時、さらにとんでもないことが判明した。アメリカの原子力事業に伴う約7000億円もの巨額損失だ。

 2006年、東芝はアメリカの原発会社ウエスチングハウスを買収した。これが大きすぎる買い物だった。

 商業用原子炉には主に2つのパターンがある。1つがPWR(加圧水型)、もう1つがBWR(沸騰水型)だ。今、世界ではPWRの方が圧倒的に多い。日本ではPWRを開発しているのは三菱重工で、東芝と日立はBWRだった。アメリカでは、BWRは重電大手ゼネラル・エレクトリック(GE)、PWRはウエスチングハウスが担っていた。

 PWRが得意な三菱重工がウエスチングハウスを買収すべく買収合戦に参戦し、当初は2000億~3000億円の価格で交渉していた。だが、ウエスチングハウスは最終的に、50億ドル(約5800億円)という当初予想の2倍の価格を出した東芝を売却先に選んだ。東芝はPWRとBWRの両方の技術を有することに成功したが、非常に高い買い物となった。

 それから後が問題だった。2008年、ウエスチングハウスはアメリカで4基の原発建設を受注した。実際に建設をするのは、アメリカの大手エンジニアリング会社シカゴ・ブリッジ・アンド・アイアン・カンパニー(CB&I)の子会社であるCB&Iストーン・アンド・ウエブスター(S&W)だ。

 ところが、これら4基の原発の具体的な建設に入る前に、2011年の東日本大震災で福島第一原発事故が起こってしまう。世界中が原発に対して神経質になり、アメリカでも原発の安全基準が厳しくなった。このため建設費が3~4倍に跳ね上がってしまったのだ。

コメント11件コメント/レビュー

東芝の今回の件は、WH社を高値で買収したことが引き金になっているだけだと思います。

元をたどれば、米国のアイゼンハワーの「原子力の平和利用」の言葉に騙され、原発を推進させた55年体制の当時の政治判断に誤りがあったと思います。結果、廃炉も含めて数十基の原発が存在する現実があります。

もはや、一企業の経営判断を超えていますので、国として今後の原子力事業をどうするのか、安全保障との関りもありますので、国家戦略を明確にする必要が早急に求められます。(2017/03/04 04:58)

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「東芝に求められる「土光イズム」」の著者

田原 総一朗

田原 総一朗(たはら・そういちろう)

ジャーナリスト

1934年滋賀県生まれ。早大文学部卒業後、岩波映画製作所、テレビ東京を経て、フリーランスのジャーナリストとして独立。「朝まで生テレビ!」「サンデープロジェクト」等のキャスターを務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

東芝の今回の件は、WH社を高値で買収したことが引き金になっているだけだと思います。

元をたどれば、米国のアイゼンハワーの「原子力の平和利用」の言葉に騙され、原発を推進させた55年体制の当時の政治判断に誤りがあったと思います。結果、廃炉も含めて数十基の原発が存在する現実があります。

もはや、一企業の経営判断を超えていますので、国として今後の原子力事業をどうするのか、安全保障との関りもありますので、国家戦略を明確にする必要が早急に求められます。(2017/03/04 04:58)

 今の日本の経営層の多くが小利口なだけで度胸も覚悟もないのは公知の事実。それ以前に勘が働かない。新しいことを始めるのに過去の経験は大して役に立たないどころか、かえって邪魔になります。ここでの勘とは、以前ソニー社長だった大賀さんの言った「鼻が利かない奴はダメだ」の「鼻」のこと。これはいわゆる勉強では得られない才能の一種と思ってます。「鼻」の効く人は変人のけがある人が多いように思え、困ったことに、こういう人は日本では大抵潰されます。
 まあ、なんにしろ「鼻」の利かない三洋、シャープ、東芝等の社長が自社の従業員を路頭に迷わせた、迷わせつつある、ということです。
 東芝に関しては、ここまで来たら一旦潰して再生できる、勝てる、部分は再生した方がいいでしょう。三洋がそうだったように。案外、Appleが半導体部門を買うんじゃないか、という気がする。(2017/03/03 20:21)

東芝の経営は昔からダメだったです。少なくとも私が業者として出入りし始めた35年くらい前からは。現場の責任押し付け・ぬるま湯体質・事なかれ主義の蔓延、上層部からの戦時中を思わせる戦略なき根性論命令。。。営業現場での接待費使い方にも目を覆うものばかりでしたよ。(2017/03/03 13:40)

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