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公明党、小泉進次郎氏に政権の抑止力はあるか

人格を犠牲にして首相を守ろうとした柳瀬氏

2018年5月18日(金)

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参考人招致に出席した柳瀬唯夫元首相秘書官(写真:Motoo Naka/アフロ)

 加計学園による獣医学部新設をめぐり5月10日、衆参両院の予算委員会で柳瀬唯夫元首相秘書官(現経済産業審議官)の参考人招致が行われた。

 おそらく多くの国民が、柳瀬氏の答弁は大部分が虚言だろうと捉えたのではないかと思う。焦点の一つは、4月10日に柳瀬氏が発言した「自分の記憶の限りでは、愛媛県や今治市の方とお会いしたことはない」という内容に関する真偽だ。今回の参考人招致では、「15年4月2日に加計学園の関係者とは会ったが、愛媛県や今治市の職員が同席していたかどうかは記憶にない」と繰り返した。

 これに対し、愛媛県の中村時広知事が反論に出た。15年4月2日の首相官邸での面会で、職員が交換した柳瀬氏の名刺を公開し「愛媛県や今治市の職員はメインテーブルに着き、積極的にやり取りを行った」と言ったのである。

 その通りならば、柳瀬氏の発言は虚言であったことになる。しかも、愛媛県や今治市の職員は、柳瀬氏に3度も面会したという。国民の多くは、中村知事の発言からますます不信感を募らせたと思う。

 これまでも政府に獣医学部の新設を申請したケースはいくつもある。その中で、政府関係者が特定の学園の関係者に何回も会うということは、えこひいきもいいところである。

 しかも柳瀬氏は、加計学園の関係者と何度も面会するということについて「安倍首相の指示もなければ報告もしていない」と言うが、こんなえこひいきを首相秘書官が勝手にやるはずがない。

 では、なぜこんなことを言ったのか。それは安倍首相が、「加計学園については何も知らない。2017年1月20日に決着するまでまったく知らなかった」と発言したことに起因する。

 もし柳瀬氏が、ここで安倍首相の指示や自身の報告を認めれば、安倍首相は首相の座が危うくなる。安倍首相が国民から批判されないよう、柳瀬氏は自分の人格を犠牲にし、国民からの批判を浴びても安倍首相を守ったのだろう。

 その点を考えると、僕はむしろ柳瀬氏に同情する。

民主主義を掲げる国にとってあってはならないこと

 3月2日に朝日新聞が、一度は沈静化しかけた森友学園問題について「財務省が国有地売却についての決裁文書を改ざんしていた」と報じたことをきっかけに、この問題は新たな局面を迎えた。つまり、政府は文書を改ざんしただけでなく、それを国民に隠蔽していたことになる。これは民主主義を掲げる国にとっては、あってはならないことだ。

 一連の問題が露呈し、僕は当然、安倍首相は責任者として麻生太郎財務相を辞任させるものだと思っていた。実は何人かの自民党幹部たちに聞くと、皆が口を揃えて「辞任になるだろう」と言っていた。

 ところが麻生氏は辞任せず、それどころか「文書改ざんは一部の人間が勝手にやったことだ。これはよくある話である。だから、組織としての財務省は全く責任がない」という理解し難い発言をした。とんでもない発言だ。

コメント4件コメント/レビュー

一連の出来事について、「野党がだらしない」という発言が目立つが、本当にだらしがないのは健全な野党を育ててこなかった国民ではないか。とてもまっとうな国家とは思えない政治家の発言に対し、「そんなものだ」どころか積極的に支える声が出るというのは、どう考えても成熟した国家ではありえない。これだけ情報の流通が進んだ世界の動きのなかで、非常識な発言がまかりとおるのは、日本に対する嘲笑を呼ぶだけで、国家の品格、さらに安全保障に重大な懸念を生じさせる。かつて日本国民は「仕方がない」で愚かな戦争に敗れた歴史がある。今回は、多分市場が引き金を引くと思うが、同じような破たんを迎える前兆なのだろうか。今日ではないかも知れないが、近い将来、日本国民はそのツケをまとめて払うことになるだろう。正義や常識を捨て品格を落とした国家が栄えたためしがないことは、人類の長い歴史から明らかだ。(2018/05/18 09:46)

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「公明党、小泉進次郎氏に政権の抑止力はあるか」の著者

田原 総一朗

田原 総一朗(たはら・そういちろう)

ジャーナリスト

1934年滋賀県生まれ。早大文学部卒業後、岩波映画製作所、テレビ東京を経て、フリーランスのジャーナリストとして独立。「朝まで生テレビ!」「サンデープロジェクト」等のキャスターを務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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一連の出来事について、「野党がだらしない」という発言が目立つが、本当にだらしがないのは健全な野党を育ててこなかった国民ではないか。とてもまっとうな国家とは思えない政治家の発言に対し、「そんなものだ」どころか積極的に支える声が出るというのは、どう考えても成熟した国家ではありえない。これだけ情報の流通が進んだ世界の動きのなかで、非常識な発言がまかりとおるのは、日本に対する嘲笑を呼ぶだけで、国家の品格、さらに安全保障に重大な懸念を生じさせる。かつて日本国民は「仕方がない」で愚かな戦争に敗れた歴史がある。今回は、多分市場が引き金を引くと思うが、同じような破たんを迎える前兆なのだろうか。今日ではないかも知れないが、近い将来、日本国民はそのツケをまとめて払うことになるだろう。正義や常識を捨て品格を落とした国家が栄えたためしがないことは、人類の長い歴史から明らかだ。(2018/05/18 09:46)

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齋木 昭隆 三菱商事取締役・元外務次官