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北朝鮮の非核化は本当に実現できるか

予測難しいトランプ氏の行動と、日本の立場

2018年6月8日(金)

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米朝首脳会談で金正恩朝鮮労働党委員長は「朝鮮半島の非核化」を主張してくるだろう(写真:KNS/KCNA/AFP/アフロ)

 6月12日にシンガポールで行われる米朝首脳会談に注目が集まっている。紆余曲折を経て、ようやく予定通りに行われることになったこの会談の行方は、一体どうなるのか。

 米国のドナルド・トランプ大統領は、この会談について「大きなことの始まりだ」と述べている。つまり、会談は一度で決着をつけるのではなく、今後複数回にわたって行われることを示唆している。

 6月3日にシンガポールで行われた日米韓3カ国の防衛相会談の共同声明では、北朝鮮に対し「最大限の圧力」と言う文言が盛り込まれなかった。トランプ大統領自身が、この言葉を使うことに難色を示したのである。これから行われる米朝首脳会談を見据えた対応だろう。

 もう一つ、気になることがある。米国は「北朝鮮の非核化」を主張しているが、北朝鮮は南北首脳会議でも「朝鮮半島の非核化」をアピールしている。ここに大きな食い違いがある。北朝鮮としては、米国に対して非核化をできる限り「高く」売りつけたい。さらには、できる限り先延ばしにしたいと考えている。

 さて、トランプ大統領は、どこで決着をつけるつもりだろうか。

 ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は当初、核放棄を先行させた後に見返りを与える「リビア方式」によって、北朝鮮の核施設を解体すると述べていた。しかし、トランプ大統領は「リビア方式」を否定。このため、ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストなどは、「北朝鮮の非核化は不可能ではないか」と報じている。

 2018年6月4日付の東京新聞朝刊では米ジョージタウン大のシャロン・スクアッソーニ教授の次のような見方を報じている。「北朝鮮のCVID(complete, verifiable, irreversible, dismantlementの略で『完全で検証可能かつ不可逆的な非核化』を意味する)を完全に実現するまでに20年を要する」

 このように、複数のメディアから「北朝鮮の非核化は現実的ではない」という意見が出始めた。

 僕が司会を務めるテレビ番組「朝まで生テレビ!」(テレビ朝日)でも先日、早稲田大学教授で元米連邦議会職員の中林美恵子氏に出演していただいた。中林氏は交渉の長期化を見越して「トランプ大統領は、非核化の『花』は取るだろうが、『実』は取れないだろう」と分析していた。

 トランプ大統領が任期の間に決着をつけられるのかについては、日本政府も相当疑問を抱いている。

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「北朝鮮の非核化は本当に実現できるか」の著者

田原 総一朗

田原 総一朗(たはら・そういちろう)

ジャーナリスト

1934年滋賀県生まれ。早大文学部卒業後、岩波映画製作所、テレビ東京を経て、フリーランスのジャーナリストとして独立。「朝まで生テレビ!」「サンデープロジェクト」等のキャスターを務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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