日本のエネルギー政策に責任を持つ人物がいない

このままでは今世紀末に気温は4.8度上昇

米国はトランプ大統領の下、パリ協定を離脱(写真:ユニフォトプレス)

 今年は記録的な猛暑が続いた。6~8月の平均気温は、東日本で平年比プラス1.7度となり、統計を開始した1946年以降、最高水準となった。西日本も平年比プラス1.1度で、第2位だ。

 さらに凄まじい台風が相次ぎ、全国の被害規模は深刻なものとなった。豪雨も同様である。明らかに異常気象だ。

 今後、日本はどのようになってしまうのだろうか。そこで僕は研究機関や大学の教授らを招き、話を聞いた。

 ある専門家から、「このままでは、今世紀末には平均気温が4.8度上昇する」という話が出た。4.8度も気温が上昇すると、どのようなことが起こるかと言えば、まず水が蒸発して、海に面していないアフリカ大陸、南米大陸、ユーラシア大陸などの内陸の国々では深刻な水不足の危機が起こる。大勢の死者が出ることも免れないという。

 これから平均気温が1度上昇すると、動植物の30%が死滅すると予測されている。4度上昇すれば、60%が死滅するという。当然のことながら、生態系のバランスも大きく崩れる。

 最も大きな問題は、農業が極めて大変になるということだ。例えば、インドでは農産物を育てることができなくなる可能性がある。そうなれば、地球上どの国も食糧危機に陥り、多くの人間が死ぬことになりかねない。食糧危機になると争奪戦が起こり、戦争に発展する可能性もある。

 農産物のみならず、森林もなくなってしまう。海面上昇も起こる。150年先には、海面が5~6メートル上昇するといわれている。

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著者プロフィール

田原 総一朗

田原 総一朗

ジャーナリスト

1934年滋賀県生まれ。早大文学部卒業後、岩波映画製作所、テレビ東京を経て、フリーランスのジャーナリストとして独立。「朝まで生テレビ!」「サンデープロジェクト」等のキャスターを務める。

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いただいたコメントコメント17件

日本国のエネルギー政策にポリシーがないのは事実だが、
これを政治家に任せるのはそもそも間違い。

政治家の最大の関心事は、次の選挙に当選することであって
長期的な政策であるエネルギー煮など関心がないのは当然。
エネルギー政策は中長期の政策なので、官僚に任せることにならざるを得ない。
ただし、中央官僚がすべてを決めるのは危ない。
道州制を早く導入し、道州政府において決めるべき。(2018/09/14 17:07)

文系の政治家は、こういう科学的な問題に対して及び腰か、
根拠もなく楽観的な姿勢を示す人がほとんどで、
まともに向き合おうという姿勢が極めて希薄だと思います。

そのため理系の政治家に期待したのですが、鳩山由紀夫氏や管直人氏のように、
今度は政治的手腕に問題があり、結局こちらもうまくいきませんでした。
どのような政治家なら、環境問題に正面から向き合い、真摯に対応してくれるのでしょうか?

歴史に名前を残す事を目標とする安倍氏には、姑息な憲法改正などではなく、
こういった大きな問題に取り組んで、成果をあげて欲しいと思わざるを得ません。(2018/09/14 16:31)

現在既に事前合意が成立しているプルサーマル発電計画をただちに再開させるべきだと考えます。
プルトニウムをプルサーマルで焼却してしまえば半減期30年の核分裂生成物に変換でき、長期保管物質を大幅に削減できる。記事にあるような10万年もの管理は必要なくなります。

世界的なプルトニウムの余剰が核不拡散の観点から問題になっており、日本に蓄積されているプルトニウムも問題視されているのは皆が知るところです。「もんじゅ」で失敗した高速増殖炉ではなく、既存原発で実施できるプルサーマル発電はプルトニウム処理の有効な方法です。

福島第一原発事故以来、「原発」に過敏な世論が形成され、過剰なアレルギー反応によって有益な議論ができていないと思います。上記のプルサーマル発電についても、その意義すら理解しようとせず、ただただ否定するのみの反対派が多すぎます。

既存原子炉の寿命までにプルサーマル発電によって長期保管物質を少しでも減らしていくべきでしょう。発電停止・廃炉のみを声高に主張する原発反対派は、今の切迫した電力事情と、現在既に存在している長期保管物質の処理についても考えるべきです。
プルサーマル発電は、核のゴミを燃やして減らしながら発電できるのですから。(2018/09/14 15:48)

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