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入管法改正、政府は法案成立を急ぐな

将来「人余り」に転じるおそれがある

2018年11月26日(月)

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安倍首相は今国会で「出入国管理法改正案」の成立を目指している(写真=代表撮影/ロイター/アフロ)

 今、外国人労働者の受け入れ拡大を目指す「出入国管理法改正案」についての議論が活発化している。今国会の最重要法案と言って間違いないだろう。

 これについて各新聞社は、法案成立は時期尚早だと異を唱えている。例えば朝日新聞は11月15日付朝刊の社説で、政府案の根拠は不明瞭だ、と指摘している。外国人労働者の受け入れ人数や対象業種について、政府は「14業種で初年度最大4万8000人、5年間で35万人」との試算を出したが、この根拠となるデータにどれだけ信憑性があるのか疑問だというのである。

 毎日新聞は11月2日付朝刊の社説で、「就労外国人 日本の転機 ごまかしから卒業しよう」と主張した。現在、日本で働く外国人は128万人に上る。そのうち、留学生のアルバイトなどの「資格外活動」は約30万人。途上国の若者への技術移転を目的とする「技能実習生」は約26万人を占めるという。つまり、60万人近くの外国人労働者が、不当な低賃金労働、長時間労働を強いられている可能性がある、ということである。

 一方で、日本は深刻な人手不足に陥っている。政府の試算では、5年後には145万人の人手が足りなくなるという。政府はこれを外国人労働者の受け入れ増加によって対応しようとしている。

 これに対し野党は、「政府は入管法改正案を来年4月から施行したいと考えているが、内容が全くない」と指摘している。具体的な内容が何もなく、議論ができないとの批判が出ているのである。マスコミの主張もほぼ同じだ。

人手不足の先に、「人余り」の時代が来るかもしれない

 なぜ、政府は具体案を出さないのか。

 実は、ここに非常に難しい問題が横たわっている。繰り返すが、政府は「5年後には145万人の人手が不足する」と発表している。しかし実はその一方で、AI(人工知能)等の発達により、7年後には人が余る可能性もあるのだ。

 英オックスフォード大学のマイケル・オズボーン准教授と、カール・ベネディクト・フレイ博士が、野村総合研究所との共同研究で「10~20年後には、日本で働く人の約49%の仕事がAIに代替される」という結果を15年に発表した。

 さらに昨年あたりから「シンギュラリティー(技術的特異点)」という言葉が注目されている。これはAIが人間の知能を超えることを意味する。早ければ45年、遅くても50年にはAIが人間の知能を抜き、その頃には人類の仕事の90%が奪われてしまうという見立てもある。多くのAIの専門家たちも、これを認めている。

コメント4件コメント/レビュー

私は、逆に、「だからこそ法案成立を急げ」と言いたい。
環境や前提が確実であればいい。その通り。それに越したことはない。しかし、確実になるまで待っていてはいつまでたっても意思決定はできない。我々は常に不確実ななかで意思決定をしなければならない。まずはやてみることだ。疑問が生じれば方向修正をすればよい。
犠牲が出るかもしれない? その通り。しかし、何もせずに放置した方がはるかに被害は大きい。だからこそリーダーは勇気を持って踏み出さないといけない。
日本には安全神話を完璧主義に毒された識者とメディアが溢れている。不幸にして彼らの声は大きく、甘く、大衆に届いてしまう。だから、日本は変われない。(2018/11/27 17:41)

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「入管法改正、政府は法案成立を急ぐな」の著者

田原 総一朗

田原 総一朗(たはら・そういちろう)

ジャーナリスト

1934年滋賀県生まれ。早大文学部卒業後、岩波映画製作所、テレビ東京を経て、フリーランスのジャーナリストとして独立。「朝まで生テレビ!」「サンデープロジェクト」等のキャスターを務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

私は、逆に、「だからこそ法案成立を急げ」と言いたい。
環境や前提が確実であればいい。その通り。それに越したことはない。しかし、確実になるまで待っていてはいつまでたっても意思決定はできない。我々は常に不確実ななかで意思決定をしなければならない。まずはやてみることだ。疑問が生じれば方向修正をすればよい。
犠牲が出るかもしれない? その通り。しかし、何もせずに放置した方がはるかに被害は大きい。だからこそリーダーは勇気を持って踏み出さないといけない。
日本には安全神話を完璧主義に毒された識者とメディアが溢れている。不幸にして彼らの声は大きく、甘く、大衆に届いてしまう。だから、日本は変われない。(2018/11/27 17:41)

難しいですね。AIにより相当な仕事がなくなるのはその通りだと思いますが、同時に新しい仕事は生まれる可能性は高いです。歴史的に見ても、パラダイムの変化点で失業する人はたくさんいましたが、新パラダイムには多くの新しい仕事が生まれました。そして、新しく生まれる仕事というのは多くの場合、労働効率が良いので、結果的に人々の稼ぎは多くなってきたと理解しています。つまり、AIが起こすパラダイムシフト後には、補って余りある新しい仕事が生まれる可能性が高いと私は見ています。それが何なのかは非常に難しいですが、IT革命の前に、現在の様々な職種(SE、クラウド事業者等)の内容や規模を思い描けている人はいなかったでしょう。AIは人を代替するからこれまでのパラダイムシフトとは質が違うという主張はあるのはわかりますが、AIが好みや趣向、意志を生み出せるわけではありません。AIをどのように使うかがこれからの人の仕事の中心になっていくことは確実だと思います。(2018/11/26 13:27)

現場は今人手が足りないから何とかしろと地方選出議員を煽っているのだろうが、そもそも臨時国会で議論するような軽いテーマなのだろうか。100歩譲って年内に法案を強引に成立させても、周知期間の問題もあれば、細則などの整備もあり、3カ月では見切り発車も甚だしく現場は大混乱に陥るだろう。
農業の自動化の話は現場を知らない方のたわごととしても、誰でもできそうなルーチンワークはかなり減ることが予想される。5年後には145万人の人手が足りなくなるも、今の好景気が続くことを前提にしていて、景気サイクルが不況期に入ることなど想定していないだろう。英語力に劣る日本人が海外に出て行って今と同水準の賃金水準で、アジアや欧米などで仕事に就ける可能性は低いだろうし、そうなればリーマンショックの時のように臨時の仕事を無理やり作り出して、雇調金を大判振る舞いせざるをえないが、その無理に作り上げた仕事を、数年前に入国させた単純就労目的の外国人と奪い合うことにもなりかねない。法案成立そのものが、次の不況から回復して雇用対策が不要になる時期からで十分。日本人を大量失業させたくないのならば、タイミングは十分に見計らうべきです。(2018/11/26 10:49)

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