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「安請け合い」こそが出世の糸口

経験なくして成長はなく、成長なくして出世はない

2017年2月8日(水)

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Iくんという「万年課長」の話

 わが社にIくんという古参の社員がいます。彼は非常に高い能力のある人材で、入社してわずか2年で課長職に昇進しました。これは当時のわが社としては異例のスピード出世といってよく、私は彼の成長をとても楽しみにしていました。将来必ずや私の右腕となって八面六臂の活躍をしてくれるに違いない、と。

 ところが私の思惑は外れました。課長になってからのIくんはどうにも冴えないのです。仕事ぶりは概ねそつがないから降格させるほどではないのですが、かといって部長に抜擢するにはいささか成長が足りない。やむなく私は、その後およそ20年にもわたり彼をずっと課長に据え続けました。この間、彼を追い越していった後輩は実に30名以上にも及びます。

 ふつうの人は、後輩が自分より出世すると「なにくそ」と発奮するものですが(あるいは面白くなくなってやる気をなくしたり、それで辞めてしまったりするものですが)、Iくんに限ってはそういうこともない。達観しているというのかなんというのか、ある意味では見上げた根性です。実はいまも彼は課長のままで、だから「万年課長」というあまり名誉とはいえない座をゆるぎないものにしています。おまけに基本給は課長ナンバーワンです。

 しかしこういうことは、そう珍しくはありません。入社10年、とりあえず課長には昇進できた。しかし「その先」がない──すなわち次長・部長といったポストがなかなか見えてこない。そういうジレンマを感じている管理職の方々は決して少なくないのです。

「経験」しようとしない管理職に、それ以上の職責は任せられない

 いったいそれはなぜでしょうか。仕事は問題なくやっている。まず満足すべき成果も挙げている。能力が足りないということも、少なくともこの連載をお読みの皆さんであればあり得ないでしょう。にもかかわらずそれ以上の出世の芽がなかなか出てこないとすれば、考えられる理由はただひとつ。先のIくんの例ほどには極端ではないでしょうが、「成長が足りない」と目されているからです。

 会社組織の中では一般に、課長職くらいまでであれば(言葉は悪いのですが)ほぼだれでもなれます。課長はまだ権限は少なく、求められる仕事の質もそれほど高くない。だから一般社員のときの感覚の延長線でも、なんとか務まる。ところが「その先」を望むとなると、もう一般社員と同じではいけません。部長職以上ともなればその責任は一般社員の比ではないくらいに重くなり、よりシビアに人となりが見極められます。

コメント6件コメント/レビュー

小山様、記事を大変楽しく読ませていただきました。


私は、小山様の意見に賛成です。
大企業では、失敗しない人を優秀な人材としてみる風潮があるのかもしれませんが、
「失敗をどれだけ克服したか」で評価をしなければ、挑戦もしない人だらけになって
しまいます。

私は中小企業の従業員ですから、大して力はないです。
しかし、大企業にいてもなお大して力はなかったです。
人間、力を発揮するのは職場の環境によってではなく、本人の自覚の大きさによってです。
本人の気づきによって、人間は大きく成長していくわけです。

言い換えれば、こうした「人間力」を身に付けることこそが、人材の育成の目的であり、
人を成長させていることと言えるでしょう。(2017/02/17 14:54)

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「「安請け合い」こそが出世の糸口」の著者

小山 昇

小山 昇(こやま・のぼる)

株式会社武蔵野 社長

1948年山梨県生まれ。76年に武蔵野に入社し、89年から現職。赤字続きの同社で経営改革を断行。2000年、2010年に日本経営品質賞を受賞。ダスキンの加盟店業務の傍ら、550社以上に経営を指導。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

小山様、記事を大変楽しく読ませていただきました。


私は、小山様の意見に賛成です。
大企業では、失敗しない人を優秀な人材としてみる風潮があるのかもしれませんが、
「失敗をどれだけ克服したか」で評価をしなければ、挑戦もしない人だらけになって
しまいます。

私は中小企業の従業員ですから、大して力はないです。
しかし、大企業にいてもなお大して力はなかったです。
人間、力を発揮するのは職場の環境によってではなく、本人の自覚の大きさによってです。
本人の気づきによって、人間は大きく成長していくわけです。

言い換えれば、こうした「人間力」を身に付けることこそが、人材の育成の目的であり、
人を成長させていることと言えるでしょう。(2017/02/17 14:54)

小山氏の経歴見ても、大企業での業務経験なんてありませんね。
私の経験から言えば
「安請け合いは絶対するな!」
「下手に会社内で目立つな!」
「上司にだけは有能だと思わせろ!」
これだけ実践できてれば、部長・支店長レベルまでは行けます。
※それ以上を望むならこれだけでは無理(2017/02/10 12:55)

経営者として、人材の見極めを失敗したことを、その人のせいにしているだけですね。
その万年課長と、腹を割って話したのでしょうか?(2017/02/09 10:21)

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