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心を傷つけたら、「事を大きくし」スピード解決を

クレームに「正しく」対応しないと会社は潰れる

2018年5月30日(水)

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(c) SOURCENEXT CORPORATION /amanaimages

 クレーム。まっとうな企業活動をしていても、また名の知れた超エリート企業であっても、「絶対に」避けられないもののひとつです。わが社はなにしろ天下の落ちこぼれ集団ですから、「創業以来、クレームの発生しなかった月はない」と言っていいくらいです。さすがに最近は少しは改善されてきましたが、一番ひどかったころは私の週の半分をクレーム対応に費やしていたこともありました。あなただってお客様のもとに出向いて頭を下げたことは一度や二度ではないはずです。

 ところでビジネス書・雑誌などでは、しばしば「クレームは業務改善のチャンス」とか、「クレームを梃子(てこ)に、お客様をいっそう自社のファンにさせる」とかいった内容の記事を目にすることがありますね。これは真理で、クレームは(見方を変えれば)お客様が「ここを直しなさい」と教えてくださっているものに他なりません。またクレームに真摯に対応することは「わが社はお客様が大切です」という強力なアピールになります。それはお客様のロイヤリティを大きく高めます。

 こうしたことを実現するためには、場あたり的な対応では駄目です。いくらあなたが真摯に事態にあたろうとしていても、ことクレームに関しては「正しく」対応しなければかえってお客様の不興を買ってしまうことになる。と、このように書いたところで、ひとつケーススタディをご紹介しましょう。私が懇意にしているフリーランスの編集者・Aさんの体験談です。

 その日、Aさんはいつものように仕事もそこそこにネットサーフィンにいそしんでいました。どういうきっかけだか、とあるハイブランドショップ(以下B社とします)の読み物ページにたどりついたところで、Aさんは目を疑いました。というのは、遡ること10年ほど前に制作・発表した記事が、写真も文章もほぼそのままに転載されていたからです。これは(法律上認められている)引用ではなく、もうはっきりと著作権侵害だ。そう判断したAさんは、B社に抗議の電話をかけました。

二名の役員が直々に謝罪に来る

 Aさんは電話口に出た女性スタッフに事情を伝え、早急な善処と連絡がほしい旨を伝えました。翌々日、B社のウェブ担当者から電話がありました。若い男性の声だったそうです。

「どうもこのたびはご迷惑をおかけしまして」
「で、どうしてくださるんですか」
「どうもすみません。先ほど削除しておきましたから」
「え、それだけですか?」
「だから削除しましたって」

「その万引き犯と同じことを御社はしたのだ」

 その声色ややりとりからAさんは、担当者は「当該記事を削除さえすればいいのだろう」くらいの軽い気持ちでいる印象を感じ取りました。さあ、Aさんの怒るまいことか。彼は語気を強めてB社の担当者にいいました。「そんな軽いお気持ちでいていただきたくはない」「御社が店頭で万引き犯を捕まえたとして、彼が『すみません、品物はお返ししますし、もういたしません』といったら見逃すのですか。警察に突き出すでしょう」「その万引き犯と同じことを御社はしたのだと認識していただきたい」。

コメント7件コメント/レビュー

若い頃、親会社からクレームで呼び出されたことがありますが、
担当者のみ → リーダの呼び出し → 課長の呼び出し と段々炎上しました。

確かに、当初から上位の責任者と謝罪に行けば、炎上が回避できていた気がします。
上位者が誤りに行ってくれる環境は良いですね。(2018/05/31 15:37)

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「心を傷つけたら、「事を大きくし」スピード解決を」の著者

小山 昇

小山 昇(こやま・のぼる)

株式会社武蔵野 社長

1948年山梨県生まれ。76年に武蔵野に入社し、89年から現職。赤字続きの同社で経営改革を断行。2000年、2010年に日本経営品質賞を受賞。ダスキンの加盟店業務の傍ら、550社以上に経営を指導。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

若い頃、親会社からクレームで呼び出されたことがありますが、
担当者のみ → リーダの呼び出し → 課長の呼び出し と段々炎上しました。

確かに、当初から上位の責任者と謝罪に行けば、炎上が回避できていた気がします。
上位者が誤りに行ってくれる環境は良いですね。(2018/05/31 15:37)

日大もそうだけど、クレーム対応よりもクレームが出た原因を直さないとダメでしょ。
いくら相手を納得させるクレーム対応だって、編集者の例ならまた著作権侵害が起きたら無意味なわけで、日大の謝罪だってうまくマスコミ、国民を丸め込んだ場合には、また同じような理不尽な選手指導が行われ続けたはずで、むしろ謝罪に失敗してダメ監督、ダメコーチが抹殺されて選手達には良い結果になったはずだし。(2018/05/31 07:14)

>一番ひどかったころは私の週の半分をクレーム対応に費やしていたこともありました。

小山氏は他社の指導よりも、自社のチェックをした方が良かったんじゃないのかね?
そんなにクレーム多い企業って存在するの?まぁ、今は改善されたようだけど。(2018/05/31 06:58)

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