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池袋と熊本、静岡と新潟、佐世保と佐賀を比較!

都市の重心はかく移動する(その1)

2018年6月21日(木)

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 「横浜都市発展記念館」という、「横浜という都市の歩み」を展示する施設があります。ちょっとマニアックな視点の企画が多く、現在は横浜の交通インフラとそのネットワークのあゆみを紹介する「伸びる鉄道、広がる道路 横浜を巡る鉄道網」(7月1日まで、企画展示案内はこちら)を展示中です。

 しばらく休載していた“地理人”、今和泉隆行さんの連載を再開するにはもってこいではないかと思いついて「この展示をテーマにいかがですか」とご紹介したら、思った以上に火が付いてしまい、莫大な原稿と資料画像が送られてきました。今和泉さんのテーマのひとつ「移動する街の中心」に、この企画展がぴったりはまったようです。扱っている題材も、横浜だけではなく日本全体になりました。

 どうしたものかと思いましたが、こういう熱の入った原稿をそのままお見せできるのがウェブ連載のいいところだと思いますので、3回に分けてお送りします。

 世の中の誰が、池袋と熊本、静岡と新潟、佐世保と佐賀を比較して論考しようなどと思いつくでしょうか。全国の都市を誰に頼まれたわけでもなく今日も歩き回り、あれこれ仮説を立てて分析する、今和泉さんならではの視点をお楽しみください(と思ったら、こんどはウラジオストックに行かれたようです……)。

(編集Y)

「駅前が一番賑わう」とは限らない

 首都圏の人が地方都市に行ったとします。
 「街に何もなくてさ、この都市、寂れている…と思った」
 というエピソードを聞くことがわりとよくあります。

 実はこれまで、趣味で全国各地の地方都市に足を運んだことがあるので、「あれ、そんなはずはないんだけどな」と思うわけですが、その人は、駅前の様子を見てそう言ったことが分かりました。

 大都市圏で育つと、どの都市も駅前が最も賑わうため、そう思う人が多いのでしょう。実際には、駅と繁華街が離れている都市はかなりの数あります。例えば、池袋(東京都)と熊本(熊本県)の、中心駅と主要施設を載せた地図を見てみましょう。大型商業施設、公共施設、官庁、宿泊施設、駅等の交通拠点をプロットしています。

 池袋では、大型商業施設が池袋駅の東西にあり、駅を中心に均等に広がっています。熊本では、ほとんどの施設が熊本駅周辺にはなく、北東に離れたところにかたまっています。大型商業施設は、街で最も人の集まる場所にできることが多いですが、池袋のような、駅ができてからできた街は、駅を中心に街が広がっていることが読み解けます。一方、熊本駅と市街地は離れているのが分かります。

 なぜこうなるのか、答えは簡単です。

コメント12件コメント/レビュー

町の中心地は 港 → 城下町 → 駅 → 主要道路 へと変化する。

駅前再開発に補助金(税金)を投入するより、病院/ショッピングモールを核とした「小さくて近場」なコミュニティ整備にお金を投じるべき。

人口減&ネットショップが増え小売り業が厳しい現在、地価が高く駐車場の無い駅前で商売を成り立たせるのは難しい。(2018/06/25 15:42)

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「池袋と熊本、静岡と新潟、佐世保と佐賀を比較!」の著者

今和泉 隆行

今和泉 隆行(いまいずみ・たかゆき)

地理人

1985年鹿児島市生まれ。7歳ごろから、実在しない都市の地図(空想地図)を描き始める。大学では地理学、まちづくりを専攻し、教育系NPOにも関与。現在は空想地図の製作を中心に「地理人」として活動中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

町の中心地は 港 → 城下町 → 駅 → 主要道路 へと変化する。

駅前再開発に補助金(税金)を投入するより、病院/ショッピングモールを核とした「小さくて近場」なコミュニティ整備にお金を投じるべき。

人口減&ネットショップが増え小売り業が厳しい現在、地価が高く駐車場の無い駅前で商売を成り立たせるのは難しい。(2018/06/25 15:42)

問題は駅と城の関係だ。蒸気機関車の頃は、火の問題で駅が城には近づけなかった。

また、城、殿様と市民の関係だ。熊本はとにかく熊本城を誇りにしており、細川家との関係も強い。熊本県庁の職員は、地域のエリートであり、その多くが旧肥後藩の下級武士の子孫である。いまだに肥後熊本藩の侍によって、行政が行われており、侍文化が強く、公務員志向が強い。非常に保守的で、排他的である。

ところが対照的なのは、福岡市である。ここには大きな地域差があり、福岡城の周りの本来の福岡は、侍の町である。ところが、貿易によって栄えた「博多」の町は商人の町であり、開放的、進取の気性が強く、いい加減な文化である。博多出身の人が、九州男児ぽくないという、その理由は博多の町人文化の影響が強いからである。昔、福岡城を市民の寄付金で再建しようという話がでたが、博多の商人はそんなものいらん。金の無駄遣いと言って、結局再建はされなかった。城下町の意識がないのが、博多商人であり、本来の福岡市と商人の町「博多市」ができるところを、無理に一つの都市にしたひずみが出ているのだ。
したがって、町人の町の旧中心の中洲川端とその周辺地の博多駅は、もともと「博多」の地域である。対して天神は福岡城下寄りであり、中心地が分かれているのも、侍文化と商人文化の綱引きによる争いである。(天神には私鉄の西鉄福岡駅があり、JR対私鉄の中心地争いの面もある)

城下町と言っても、熊本のような完全な城下町は、城の周囲の旧市街が強く、町人文化の強い福岡市では、城の影響力は弱くなる。
同じ城下町でも、県庁所在地は県全体の経済力で、城の周囲の開発が進み、県庁所在地ではない市の城の周囲は、廃れていく。佐賀市などは佐賀県全体の金で、佐賀市を作っていくような感じだが、長崎県佐世保市は県庁所在地の長崎市から、常にないがしろにされ、発展しない。(その恨みが常にあり、佐世保市の人は、金だけ取られて、長崎市の発展にしかつながらない長崎新幹線に反対している)

地図だけではなく、歴史や住民の市民性も大事な問題である。(2018/06/24 18:06)

地元熊本が例に出されていたので思わず読みました。確かに中心市街地より西側は山も多く開発しにくい土地。タラレバになりますが西側ではなく東側に駅が出来ていたら、今よりは駅が栄えていて使いやすかったのかもしれないですね。(2018/06/22 09:33)

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ジェレミー・ハンター 米国クレアモント大学経営大学院准教授