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苦戦のドローンメーカー、3D Robotics路線転換

  • 瀧口 範子

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2017年5月27日(土)

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 「ピボット(Pivot)」は、よく知られたスタートアップ用語だ。当初計画していたビジネスモデルやテクノロジーがうまくいかないと判断したら、強みを残して方向転換を図るという意味である。現在必死にそのピボット中なのが、ドローン開発会社の米3D Roboticsだ。

 3D Roboticsは、創業2009年。ドローン開発会社としてかなり早い時期に設立されたことも話題になったが、共同創業者の一人がクリス・アンダーソン氏だったことも同社を有名にした。アンダーソン氏は雑誌「Wired」の元編集長で、『The Long Tail』(邦題:ロングテール)や『Free』(同:フリー)など、インターネットのユニークな本質をわかりやすく解き明かしたベストセラー本の著者として知られている。

 またアンダーソン氏が2012年に表した著書『MAKERS』(邦題も同じ)は、「3Dプリンター」などを活用した「メイカーズ・ムーブメント」を生み出した。3D Roboticsはアンダーソン氏が同書で示した方向性を実践したスタートアップでもあった。

 同氏と共に3D Roboticsを設立したホルディ・ムノス氏はメキシコ移民の青年で、独学でドローンの仕組みを学んだ。ムノス氏が20歳だった頃に、二人はドローンのオンライン・コミュニティーで出会い、ムノス氏の知識にアンダーソン氏は惚れ込んだ。これが3D Roboticsの起点となった。アンダーソン氏は2012年にWired編集長の職を離れて、3D Roboticsの仕事に専念する。

 アンダーソン氏の名声もあって、3D Roboticsには順調に投資資金も集まり、2015年春までに米国の有力ベンチャーキャピタルであるトゥルー・ベンチャーズやメイフィールド・ファンド、クアルコム・ベンチャーズなどから総額約1億ドルの資金を集めていた。投資者の中には、英バージン・グループ創設者のリチャード・ブランソン氏の名前も見られる。一時、同社の企業価値評価は3億6000万ドルにまで達していた。

消費者向けドローンで苦戦

 3D Roboticsは「IRIS」や「Aero」など数モデルの消費者向けドローンを発売したが、不調が見え始めたのは2015年だ。同年春に発売した新モデルの「Solo」は大量生産でつまずいた上、クリスマス商戦でも売り上げがあまり伸びず、在庫が大量に残った。

 クリスマス商戦での苦戦の理由は、ドローン市場での競争激化だった。何と言っても強敵は2006年に創業した中国企業のDJI Technologyで、同社の「Phantom」は機能性が高い上に安価で、既に米国市場で大人気となっていた。DJIの世界市場シェアは現在、85%とも言われている。

 3D Roboticsは2016年に入ると、ピーク時に350人いた社員の150人を解雇し、メキシコの製造拠点近くにあった支社など米国内の数カ所のオフィスも閉鎖した。またドローンの売上が苦戦する中、ドローンによって撮影された画像分析ソフトウエアを手がけるなど、食いつなぐための手に出る。そしてついには一般消費者向けのホビー用ドローン開発製造から、産業向けのドローンとソフトウエア開発の企業への方向転換を発表する。共同創業者だったムノス氏は、このビボットの中で同社を去っている。

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