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量子コンピュータを何に使うか、VWやGSが明かす

2017年12月14日(木)

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 欧米の有力企業が量子コンピュータのビジネス活用を本格的に検討し始めている。独Volkswagen(VW)や米Goldman Sachs(GS)、欧州Airbusなどがその代表だ。米シリコンバレーで2017年12月5、6日に開催された「Q2B Conference」に3社が登壇し、量子コンピュータへの期待をそれぞれ語った。

 シリコンバレーにある航空宇宙局(NASA)の「エイムズ研究センター」で開催されたQ2B Conferenceは、量子コンピュータ向けのソフトウエア開発を手がけるスタートアップの米QC WareとNASAが共同で開催した量子コンピュータのビジネス活用をテーマにしたカンファレンスだ。

 量子コンピュータに関する議論は従来、学会の形式で開催され、登壇者や来場者はその分野の研究者がほとんどだった。今回のQ2B Conferenceのようにビジネス色が強く、「ユーザー企業」による講演まで実施するような量子コンピュータのカンファレンスが開催されるのは珍しい。欧米では既に量子コンピュータが研究のフェーズから産業のフェーズに移行していることを印象づけた。欧米の有力企業が量子コンピュータにどのような期待を抱いているのか。レポートしよう。

世界初の「量子コンピュータ活用企業」を目指すVW

 Q2B Conferenceでも異彩を放っていたのは、欧州最大の自動車メーカーであるVWだ。同社から登壇したのは量子コンピュータの研究者ではなく、グループCIO(最高情報責任者)を務めるMartin Hofmann氏だった(写真1)。

写真1●独VolkswagenのMartin HofmannグループCIO
[画像のクリックで拡大表示]

 VWは現在2種類の量子コンピュータに関して、実機を使った検証やアルゴリズムの開発を進めている。一つはカナダD-Wave Systemsの量子アニーリング方式の量子コンピュータである「D-Wave 2000Q」で、VWは2017年3月にD-Wave 2000Qを使った検証結果などを発表している。もう一つは米Googleが開発を進める量子ゲート方式の量子コンピュータだ。VWとGoogleは2017年11月に量子コンピュータ用のアルゴリズム開発などを主な内容とする提携を発表している。

 D-Waveの量子アニーリング方式に関しては、Googleなどが「パソコンよりも1億倍高速に解ける問題があった」との検証結果を発表しているものの、従来のコンピュータでは絶対に到達できない計算能力が実現できるかどうかはまだ分かっていない。またGoogleが開発中の量子ゲート方式に関しても、Googleは2017年内に従来のコンピュータでは実現不可能な計算能力があることを示す「量子超越性(Quantum Supremacy)」を実証するとしているが、そのようなハードウエアは現時点ではまだできていない。

 現状の量子コンピュータが「海のものとも山のものともつかぬ」状況であるにもかかわらず、VWが検証を開始したのはなぜか。HofmannグループCIOは「量子コンピュータが商用化された時に、それを可能な限り早く業務で使用する存在になりたいからだ」と説明する。

都市交通サービスの最適化に量子コンピュータ

 HofmannグループCIOはD-Waveのマシンの適応領域に関して、都市交通サービスにおける移動ルートの最適化を挙げる。「VWはオンデマンドのモビリティサービス(タクシーのような自動車を使った都市交通サービス)を提供することを考えている。そのようなサービスにおける車両の移動ルートを、量子コンピュータによって高速に最適化できるのではないかと検証している」。HofmannグループCIOはそう語る。

 都市の移動ニーズを予測するアルゴリズムは、従来のコンピュータを使った機械学習によって開発する。移動ニーズに応じた供給を実現するために、車両にどのようなルートを、どれぐらいの速度で走らせるかという問題を、量子コンピュータを使って解く。「Quantum Enhanced Optimization(量子コンピュータによって改善された最適化)」を実現するのがVWの狙いだ(写真2)。

写真2●VWが明かす量子コンピュータの活用例
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コメント3件コメント/レビュー

bitcoin他仮想通貨の採掘(hash値計算)があ~っと言う間にできてしまい、採掘の上限にすぐ達して、あれ?(2017/12/15 16:36)

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「量子コンピュータを何に使うか、VWやGSが明かす」の著者

中田 敦

中田 敦(なかだ・あつし)

シリコンバレー支局

1998年慶應義塾大学商学部卒業、同年日経BP社に入社。ITproや日経コンピュータを経て、2015年5月からパロアルトに開設したシリコンバレー支局を拠点に、シリコンバレーの最新事情を取材中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

bitcoin他仮想通貨の採掘(hash値計算)があ~っと言う間にできてしまい、採掘の上限にすぐ達して、あれ?(2017/12/15 16:36)

記事としては面白い。また量子ゲート方式が誤り訂正に難があるなどは知らなかったので単純に参考になった。いずれにしても量子ビットの集積度も「ムーアの法則」が効いてくるのだろうが,当面は
「インセクトイヤー」のスピードで1万ビットぐらいまでは進むのではないか。記事では商用化は6,7年後くらいの予想になっていたが来年末までには達成されるのではないだろうか。そのうえで10年後には10M量子ビットの汎用量子コンピュータが稼働しているのではないだろうか。そうなると2040年のシンギュラリティーというのもありかもしれない。その時クルマは運転するものか,ただ乗るものか。乗って楽しむものか,のって暮らすものか。はたまた乗せられるものか。そんな社会の未来予想にも量子コンピュータは使われるかもしれない。いかなる組織・企業であっても,情報を使いこなそうとする限り超高速大容量のコンピュータは不可欠だ。この開発レースに日本企業がメジャープレーヤーとして参加していることを期待する。(2017/12/14 19:14)

「最初は本当か?」と耳を疑ったが。これは全産業で役に立つ。特に、CAEでは、衝突解析や分子シミュレーションなど分子レベルの要素(Mesh)で膨大な量の計算を瞬時に行えるから。試作レスというか、本当に「実験レス」と成ると過度に期待してしまう。衝突解析など本当はアレは「架空」なのだが、実験と合わせて何とか本当と判断してるのだから。特に、衝突解析のLs_Dynaは「陽解法」なので、これをマススケーリング無しの陰解法に持って行くと、もう、大変な計算時間とメモリーや当然電力などが必要になるのだが、これが1億倍以上のインテル入ってるのSi製CPUに相当するから、そりゃ早いわんわん。場所も電力も劇的に減る。でもメモリは減らないな。むしろ、n乗則で増えるから、東芝、サムソンさんは買いか!!ハードディスクも、分子メモリーが必要になる。そうなると、三菱化学買いか?などと冗談が言えるようになるが、それより、Dynaの陰解法が使えるようになると、これは素晴らしいCAEの進展となる。トヨタさんはこの道のプロだから、トヨタさんの車の安全性や、燃費・効率が飛躍的にアップするか?日銀さんは大変だな。Fintec仮想通貨の本当の必要性・流動性・信用性が担保されるようになるから、Cashレス。。。。(2017/12/14 09:21)

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