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製薬業界の生殺与奪の権を握った首相官邸

薬価制度改革の具体的議論がスタート、業界陳情は5月と10月

2017年1月13日(金)

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 政府の方針で2017年中に結論を得ることになった薬価制度の抜本改革。具体的な議論が1月11日、厚生労働省の協議会で始まった。薬価にメスを入れるのは首相官邸の強い意向だ。製薬業界の将来を左右する議論が、今年急ピッチで進む。

厚生労働省の中央社会保険医療協議会。今年は製薬業界の将来に大きな影響を与える議論が進みそうだ

 政府の方針により2017年中に結論を得ることになった薬価制度の抜本改革に関する具体的議論が1月11日、厚生労働省の中央社会保険医療協議会で始まった。

首相の意向を受け菅官房長官が旗振り役

 政府は昨年12月20日、薬価制度の抜本改革に向けた基本方針を決定。ポイントは大きく次の2点だ。第1は、現在は原則として2年に1度の改定を「毎年」実施すること。本格的な薬価改定は従来通り2年に1度のペースを維持しつつも、その間の年には大手医薬品卸会社における販売価格を調べ、薬価と乖離幅が大きい品目については値段を下げる。第2は、効能追加などによって市場規模が拡大する医薬品は年4回の薬価収載の度に薬価を引き下げることを可能とする。

 前者の薬価の毎年改定については、過去にも幾度か議論の俎上に載りながら、日本医師会や製薬業界などが強く反発し、実現できずにきた。ところが今回は違った。経済財政諮問会議で民間議員の提案を受ける形で、政府は昨年11月末に薬価改革論議に着手し、それから1カ月もたたずに毎年改定などの方針が決まってしまった。

 旗振り役となったのは、菅義偉官房長官だ。高額な薬価が議論となった「オプジーボ」問題を背景に、歳出削減を狙う安倍晋三首相の意向も受けて一気呵成に政府方針をまとめあげた。

 政府の基本方針を受け、新制度の具体策は厚労省の中央社会保険医療協議会を中心に詰めることとなり、1月11日から議論がスタートした。同日は、厚労省から薬価制度改革の検討スケジュール案が提示された。同時に、市場規模が拡大する製品の年4回の薬価見直しを可能にするルールに関しても協議した。

 薬価制度の抜本改革の検討スケジュールは下記の通り。関係団体からのヒアリングは、5月と10月の計2回を予定する。生殺与奪の権を握られた製薬業界、そして日本医師会などがどのように巻き返していくのか注目だ。

【薬価制度の抜本改革の検討スケジュール】
2017年1月~4月:(1)効能追加等に伴う市場拡大への対応、(2)薬価算定方式の正確性・透明性1(類似薬効比較方式・原価計算方式)、(3)外国平均価格調整の在り方、(4)中間年の薬価調査・薬価改定1、(5)後発医薬品の在り方
5月:関係団体ヒアリング
6月:(2)薬価算定方式の正確性・透明性2(類似薬効比較方式・原価計算方式)、(6)新薬創出等加算の在り方、(4)中間年の薬価調査・薬価改定2、(7)長期収載品の薬価の在り方、(8)イノベーション評価
10月:関係団体ヒアリング
12月:骨子取りまとめ

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「製薬業界の生殺与奪の権を握った首相官邸」の著者

庄子 育子

庄子 育子(しょうじ・やすこ)

日経ビジネス編集委員/医療局編集委員

日経メディカル、日経DI、日経ヘルスケア編集を経て、2015年4月から現職。診療報酬改定をはじめとする医療行政や全国各地の医療機関の経営を中心に取材・執筆。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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