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ワコール宿泊事業参入、透ける京町家の危機

大丸松坂屋やスタバなど町家活用した店舗が続々

2018年3月8日(木)

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 婦人下着大手ワコールは今年4月、京町家をリノベーションした宿泊施設をオープンする。「本業との相乗効果はあまりない」(担当者)のに、なぜ宿泊事業に参入するのか。透けるのは京町家の危機だ。
J.フロントリテイリング傘下の大丸松坂屋百貨店は、京町家の活用で企業イメージを高める。2016年に開業した「大丸京都店 衹園町家」には、高級腕時計ブランド「ウブロ」が入る。

 「住人が亡くなった後に取り壊すことはよくある。維持するのもお金がかかって大変だから、潰して駐車場として貸し出す場合も多い」。

 こう話すのは京都市内の瓦業者の男性だ。男性は仕事柄、京都の伝統的な家屋である「京町家」の屋根を修繕することも多い。だが近年、京町家の減少を肌で感じるという。男性自身も、「10年ほど前に父親が亡くなり、住んでいた町家は取り壊してしまった」。

 伝統的建築物として価値の高い京町家だが、近年その数が減少し続けている。京町家の定義は一定ではないが、京都市の定義では、建築基準法が施行された1950年以前に建築された木造建築物で、平入りの屋根や坪庭といった特徴を有する。

 京都市は2008~10年に市内中心部に4万7000軒の町家があることを確認した。だが、16~17年に追跡調査を実施したところ、約5600軒の町家が消滅していた。さらに残存している町家でも、1割以上が空き家ということが分かった。

 町家減少の原因としては、高齢化による住人の減少や、後継ぎ不足が挙げられる。さらに、リノベーションで改善できるとはいえ、冬の冷え込みが厳しいなど住居としては不便な点も多い。町家の修繕をできるような職人が減っているといった問題もある。

 維持するにしても改装するにしても費用がかかり、個人の努力には限界がある。

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「ワコール宿泊事業参入、透ける京町家の危機」の著者

白井 咲貴

白井 咲貴(しらい・さき)

日経ビジネス記者

2017年3月大学卒業、大学では国際政治学を専攻。同年4月、日経BP社に入社。日経ビジネス編集部に配属され、旅行・レジャー・ホテル業界、家具・雑貨専門店を担当している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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