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日米首脳会談から読む“ギアチェンジ”

2018年4月20日(金)

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(写真:AP/アフロ)

対話から交渉モードへのギアチェンジ

 今回の日米首脳会談の通商分野の結果は、「交渉への同床異夢のギアチェンジ」だった。

 昨年2月の日米首脳会談では、マイク・ペンス副大統領と麻生太郎副総理による日米経済対話(dialog)が合意されたが、今回それがロバート・ライトハイザーUSTR代表と茂木敏充経済財政担当相による協議(talks)へ移行することになった。これは単なる「看板の付け替え」ではない。

 より交渉の要素が強まったのは事実だ。しかし「交渉(negotiation)ではない」というのが日本側の説明だ。これに対してトランプ氏は、「交渉」の結果、「合意」を目指すと明確に発言した。少なくともトランプ氏の思いは交渉なのだ。

 トランプ氏の意を受けて忠実に交渉するだけの「交渉屋」であるライトハイザーUSTR代表が米側の責任者になった。これを受けて立つのがTPP11の交渉で評価を上げた茂木大臣である。この2人の人選が交渉モードへのシフトを物語っている。

 さらに本件もTPP同様、取りまとめ役を外務省ではなく、官邸主導にするとの意図も背後にある。強力な通商外交を展開するために、こうして実質的に内閣官房を徐々に「日本版USTR」にして体制強化していくのが官邸の方針だろう。

FTAは念頭にないが、協議の結果次第

 焦点であった日米FTAについては、今回の首脳会談の共同記者会見でも言及せず、その後の日本側の説明でも、「日米FTAは念頭にはなく、その予備交渉でもない」と明言している。やはりこれまで同様、今は明示的にFTA交渉というタイミングではない、との日本側の考えを米側が了解しているのだろう。

 昨年のペンス副大統領や最近のラリー・クドロー国家経済会議委員長が「いずれFTAを締結することが望ましい」との言い方をしているのもそうしたことを踏まえてのことだ。協議をした結果、それが将来FTAになるかもしれない、との位置づけだ(参照「事実上『日米FTA交渉』は既に始まっている」2017年11月8日」)。日本も現在TPP関連法案が国会審議にかかっていることもあって、まずはTPPを固めることが先決だ。米側はそれを邪魔しない代わりに、日本は二国間の協議もきっちりやる、との了解だろう。

 そういう意味では、昨年来の両国の暗黙の了解を踏襲したと言える。

コメント4件コメント/レビュー

日本の自衛隊には攻撃能力がないので、拉致問題を含め北朝鮮問題はアメリカにお世話にならざるを得ないが、同時に日本は在日米軍のサプライベースなんだから卑屈になる必要もない。鉄鋼・アルミへの高関税は粛々とWHO提訴でいいのはないか?もともと、力のある国に”配慮”はいらない。お互い様だ。(2018/04/20 20:54)

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「日米首脳会談から読む“ギアチェンジ”」の著者

細川 昌彦

細川 昌彦(ほそかわ・まさひこ)

中部大学特任教授(元・経済産業省米州課長)

1955年1月生まれ。77年東京大学法学部卒業、通商産業省入省。「東京国際映画祭」の企画立案、山形県警出向、貿易局安全保障貿易管理課長などを経て98年通商政策局米州課長。日米の通商交渉を最前線で担当した。2002年ハーバード・ビジネス・スクールAMP修了。2003年中部経済産業局長として「グレーター・ナゴヤ」構想を提唱。2004年日本貿易振興機構ニューヨーク・センター所長。2006年経済産業省退職。現在は中部大学で教鞭をとる傍ら、自治体や企業のアドバイザーを務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

日本の自衛隊には攻撃能力がないので、拉致問題を含め北朝鮮問題はアメリカにお世話にならざるを得ないが、同時に日本は在日米軍のサプライベースなんだから卑屈になる必要もない。鉄鋼・アルミへの高関税は粛々とWHO提訴でいいのはないか?もともと、力のある国に”配慮”はいらない。お互い様だ。(2018/04/20 20:54)

何か少しずれた部分があると思います。

トランプは選挙の時にTPPから離脱すると言ってそれをそのまま実行しているだけです。
トランプも大統領にまでなった人です。
目先の政局だけで物事を判断する程に馬鹿ではありません。
北朝鮮の問題は喫緊の課題ですが、それ以上に中国をどうするかがアメリカにとって(同時に日本も)の大きな問題です。
日本製の鉄とアルミに課税したのは例外が無いことを示すポーズです。
知っている人は解っていると思いますが、課税されても日本製鉄とアルミの輸出は停まりません。
一番困るのはアメリカの産業界ですが、その産業界に「困った!」と言わせるのがトランプの狙いです。
「おれは選挙公約を守ったが、産業界から乞われて致し方なく課税を撤廃する」
と言うだけです。
今回の会談で「安倍に恥はかかせない」とか言ったそうですが、そういう読みがあると思います。
トランプの評判は余り良くないですが、だからと言って彼の行動を政局だけを語るのは駄目です。
痩せても枯れてもトランプは世界一強国の大統領なのです。(2018/04/20 13:54)

いいんじゃないですか、通商交渉はこんな具合で。お互いにぶつかれば。鉄鋼も必ずしも日本に不利でもなく、他に代替がなく高く買わざるを得なくなる米企業もいるわけですよね。(2018/04/20 13:48)

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