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日揮会長が土下座して復帰させた元副社長

日揮もはまった「後手後手リスク」、19期ぶりに最終赤字

2017年5月23日(火)

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 世界各地でのプラント遂行力に定評のある日揮が揺れている。このほど発表した2017年3月期の連結業績は最終損益が220億円の赤字(前の期は427億円の黒字)だった。米国やクウェートでのトラブルでコストが膨らんだのが主因。19年ぶりの最終赤字転落を受け、経営体制の一新に踏み切るなど、リスク対応を本格化させた。

石塚忠氏が現地責任者として1996年に完工させたタイのスター製油所

 「現場をよく知っている人に任せたい。土下座に近い状態で(復帰を)お願いした」。

 日揮の佐藤雅之会長は6月末に社長就任予定の石塚忠上席副社長への期待をこう語る。石塚氏は家庭の事情で2015年に一度退社しており、日揮には今年2月に復帰したばかりだ。石油プラントなどの現場経験が豊富で、中堅幹部時代にはタイのプラントを周囲が驚く短期間で仕上げた実績もある。営業出身の川名浩一社長は副会長に就任する。

日揮の社長に就任する石塚忠氏(右)と復帰を要請した佐藤雅之会長(左)

米国とクウェート、2大トラブルに直面

 日揮は前期、主に2つの案件で大きなトラブルに直面した。石塚氏が呼び戻されるきっかけになったのは1つ目、米国の案件だ。2016年春ごろに大規模な長雨に見舞われ、石油化学プラントの建設工事が停滞。半年程度の工期延長を余儀なくされた結果、ただでさえ高い米国での人件費などのコストが想定よりも膨らんだ。

 業績へのダメージが判明した16年冬から日揮上層部による石塚氏への復帰工作が本格化。当初は渋っていた石塚氏も古巣の非常事態に要請を受け入れた。

 佐藤会長は社長含みの復帰ではなかったとしているが、社長交代による経営体制の一新を決定づけたのが、2つ目のクウェートの案件だ。

 大型製油所の改修工事を遂行中だが、現場作業を担うインドやパキスタンなどの人員の就労にてこずった。その数、1万数千人。クウェートの制度変更に伴い、考えていたほどビザを円滑に取得できなかったのが要因だ。

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「日揮会長が土下座して復帰させた元副社長」の著者

寺井 伸太郎

寺井 伸太郎(てらい・しんたろう)

日経ビジネス記者

2002年、慶応義塾大学を卒業し、日本経済新聞社に入社。東京や名古屋での企業担当などを経て、直近は決算を取材する証券部。15年から現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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