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「1対6」だけでは見誤る、G7サミットの本質

「米国孤立」は通商問題の“本流”ではない

2018年6月7日(木)

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6月8~9日にカナダで開催される主要7カ国(G7)首脳会議を前に、通商問題で米国が孤立する「1対6」の構図が取り沙汰されている。だが、通商問題の“本流”はそこにはない。むしろ米欧日の協調という、別の潮流が大きくなっている。

6月1日にカナダで開催されたG7財務相・中央銀行総裁会議(写真:ロイター/アフロ)

 6月1,2日に開催された主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議で、米国の関税引き上げに各国から批判が集中して紛糾した。米国が孤立して、「1対6」の構図になったことが大きく報道され、今週開催されるG7首脳による首脳会合(G7サミット)の結束力に暗雲が垂れこめている。

 

 しかし、これだけに目を奪われていると本質を見失う。

 実は同時期にパリで起こっていることの方が重要であった。日米欧三極の貿易大臣会合である。

 三極貿易大臣会合で米国は積極姿勢に

 この会合で出された共同声明では、中国の不公正、不透明な産業補助金や国有企業問題、さらには外国企業に対する強制的な技術移転要求を念頭において、厳格なルール作りに取り組むことが合意された。さらに注目すべきは、そこには3つの付属文書が公表されており、具体的に今後議論を深めていく方向性が記されているのだ。

 

 実はこの付属文書を用意してきたのがライトハイザー米国通商代表だというから驚きだ。中国に対する米中二国間での交渉や一方的制裁にばかり目が奪われているが、同時に日本、欧州と共同で構造改革を迫ろうとする意図は明確だ。

 

 三極貿易大臣会合の直後にパリで開催された経済協力開発機構(OECD)閣僚会議でもこの流れが踏襲された。そしてこれがG7サミットの経済部分につながってくるのだ。

 ところが、日本国内の報道では、パリの三極貿易大臣会合への関心は薄く、小さい、ベタ記事の扱いがほとんどだ。サミットの経済分野の中身を左右するのは、この三極会合の成果であることを日本のメディアは理解していないようである。

コメント9件コメント/レビュー

「3極」というが,米,欧の2極はいいとしてもう1極はどこなのだろうか。日本が単独で1極を演じる状況でなくなって久しい。そうした中で,TPPやASEAN拡大会議などを通じた地域での影響力・発言権確保とその影響力を背景とした米欧との対話・交渉が外交戦略の基本ではないだろうか。もちろんその中には中国,北朝鮮との交渉,対応も重要な要素になっている。日本にはこうした全体を見ての絵が変える人がいるのだろうか。またそのための組織が機能しているのだろうか。心もとない。安心できるような報告が記事として上がってくるとよいのだが…「1対6」ではなく「1対5(付録1)」ではさみしすぎるし,容易ならざる事態ということになる。(2018/06/07 14:26)

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「「1対6」だけでは見誤る、G7サミットの本質」の著者

細川 昌彦

細川 昌彦(ほそかわ・まさひこ)

中部大学特任教授(元・経済産業省米州課長)

1955年1月生まれ。77年東京大学法学部卒業、通商産業省入省。「東京国際映画祭」の企画立案、山形県警出向、貿易局安全保障貿易管理課長などを経て98年通商政策局米州課長。日米の通商交渉を最前線で担当した。2002年ハーバード・ビジネス・スクールAMP修了。2003年中部経済産業局長として「グレーター・ナゴヤ」構想を提唱。2004年日本貿易振興機構ニューヨーク・センター所長。2006年経済産業省退職。現在は中部大学で教鞭をとる傍ら、自治体や企業のアドバイザーを務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

「3極」というが,米,欧の2極はいいとしてもう1極はどこなのだろうか。日本が単独で1極を演じる状況でなくなって久しい。そうした中で,TPPやASEAN拡大会議などを通じた地域での影響力・発言権確保とその影響力を背景とした米欧との対話・交渉が外交戦略の基本ではないだろうか。もちろんその中には中国,北朝鮮との交渉,対応も重要な要素になっている。日本にはこうした全体を見ての絵が変える人がいるのだろうか。またそのための組織が機能しているのだろうか。心もとない。安心できるような報告が記事として上がってくるとよいのだが…「1対6」ではなく「1対5(付録1)」ではさみしすぎるし,容易ならざる事態ということになる。(2018/06/07 14:26)

日本が国際的な視野を持って戦略的に活動していることに驚いた。
これは経済産業省が主管ということでしょうか。その試みに至ったことを賞賛したい。(2018/06/07 10:30)

日本の殆どのメディアが表面的な部分だけ、かつなぜか日本をあおる(~に遅れているとか)ような記事に仕立てるのが大好きなので、本質がどうとか興味もないんじゃないかと感じてます。(2018/06/07 08:25)

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齋木 昭隆 三菱商事取締役・元外務次官