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船舶の燃費性能「見える化」で中韓勢に対抗

業界横断の共同研究を7月に開始

2017年6月21日(水)

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 中国や韓国勢と激しい競争にさらされる日本の造船業界。競争力を保つうえで譲れないのが燃費性能などの優位性だ。造船や海運など日本の関連業界が結集し、机上ではなく、海上での「実燃費」を正確に測定する共同研究が今年7月から始まる。

 「燃費効率の良い船を今後も真剣に作っていきたいのであれば、参加は必須のプロジェクトと言わざるを得ない」。造船大手幹部がそう語る業界横断型の共同研究が今年7月から始まる。

日本勢は省エネなどの性能で中韓勢との勝負に挑む(写真はジャパンマリンユナイテッドが建造した大型タンカー)
 

 中韓勢との激しい競争下にあって、燃費性能を差異化のポイントとして訴えてきた日本の造船。だが、様々な波風を受ける「実海域」を船舶が航行する際の燃費性能を正確に測定するような共通ルールが確立されているとは言い難い。主に存在していたのは、平穏な状態で航行した場合の性能評価に過ぎなかったのが実情だ。

低燃費を共通の尺度で証明、中韓勢に対抗

 「詳細な燃費情報に基づいて船舶を比較したい」。船腹過剰による運賃低迷に苦しむ海運大手を中心に、コストの中でも大きな割合を占める燃費を見える化したいとの声が高まっていた。同じ波風の条件であればどの程度の燃費になるのか、正確に比較できるようになれば船隊の編成をより合理的に組めるようになる。

 低燃費であることを客観的に示すことができれば、新造船の発注者に対する説得力が増し、日本の造船業にとっても競争力が高まる。こうした理由から造船大手のジャパンマリンユナイテッド(JMU)など、造船・海運企業が結集しつつあるのが今回のプロジェクトだ。

 具体的な研究は、今後3年かけて国立研究開発法人である海上技術安全研究所の保有する大型水槽などで実施する。波風などの条件が変わると、燃費にどのような影響を及ぼすのかを詳細に調べる。目指すのは設計段階で完成後の実海域での燃費を推定する手法の確立や、就航済みの船舶の実海域での燃費を計測したり比較したりする手法の確立だ。その後は日本発の国際標準ルールとして売り込むことを視野に入れている。

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「船舶の燃費性能「見える化」で中韓勢に対抗」の著者

寺井 伸太郎

寺井 伸太郎(てらい・しんたろう)

日経ビジネス記者

2002年、慶応義塾大学を卒業し、日本経済新聞社に入社。東京や名古屋での企業担当などを経て、直近は決算を取材する証券部。15年から現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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