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瀬戸社長「M&A、手段が目的になっていた」

大幅下方修正のRIZAPグループ・瀬戸健氏に聞く

2018年11月16日(金)

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急成長していたRIZAPグループが突然、159億円の最終利益を見込んでいた2019年3月期予想を70億円の赤字に大幅下方修正した。プロ経営者として知られる前カルビー会長兼CEO(最高経営責任者)、松本晃氏をCOO(最高執行責任者)に招いたが、社内では古参の経営幹部と意見が対立していた。何が起きているのか。宣言した構造改革をどう進め、再生するのか。瀬戸健社長に聞いた。(聞き手は主任編集委員 田村賢司)

6月まで増益としていた今期予想を第二四半期決算で突然、最終赤字に大幅下方修正しました。なぜ大きく変わったのですか。

瀬戸健氏(以下、瀬戸):例えば業績が大きく悪化した子会社のワンダーコーポレーションは今年3月に買収した際にはもっとうまくいくと思っていました。ところが、始めて見ると計画通りにはいかなくなってきました。(第二四半期では)毎週のように売上高が落ち、利益も計画通りにはいかないと分かりました。

 実はワンダーコーポレーションが販売するCDは、このまま持っていても売れる見込みがないとして最後は1枚1円で評価し直しました。それでワンダーだけで商品評価損など計39億円の構造改革費用を計上しましたが、決算発表の当日まで同社の幹部は「そこまでしなくても」と“反対”したほどです。

 そのほか、非上場の理美容品販売、ジャパンゲートウェイも多額の宣伝費をかけたけども売れ行きは伸びず、これも修正せざるを得ないとなりました。そんな判断の積み上げです。

瀬戸 健(せと・たけし)氏
1978年5月生まれ。健康食品の通販企業として2003年4月に創業。フィットネス事業に進出し、「結果にコミットする」という派手なコマーシャルで人気を集めて急成長した。2018年3月期の売上高は1362億円、営業利益136億円に達したが、今期は第二四半期決算で赤字予想に大幅下方修正した。(写真=清水 真帆呂)

「事業再生」より「落ち込み」スピードの方が速かった

大幅な下方修正はいつ判断したのですか。

瀬戸:業績が計画ほどのびないようだと見えても、自分としては最初は前期並みの営業利益136億円は維持できると思っていました。それが途中で50億円になり、ゼロになり、最後は赤字に踏み込まなければならないとなりました。その意味では段々に判断したということです。

ワンダーコーポレーションがCD販売の不振などで業績が低迷したように、市場としてそもそも縮小する分野の企業をいくつも買収しています。業績悪化は元々、避けがたかったのではないですか。

瀬戸:我々は買収した後に既存の事業を立て直したり、既にグループ化した企業の事業で再生したものをそこに移したりするといった形で再建を図ってきました。その再生のスピードよりも既存事業の落ち込みの方が速かった。この大幅な下方修正はそうしたことの結果です。本当に申し訳ないと思っています。

それら企業の中には買収価格が会社の正味資産である純資産(総資産から負債を差し引いたもの)を下回るところがかなりありました。会計上その差額は「負ののれん」として利益計上できます。その比率は前期の営業利益の54%を占めるほどです。それを狙ったのではないですか。

瀬戸:そうではありません。私が当社を創業したころ、食べ続けるとダイエット効果があるという豆乳おからクッキーを開発し、大ヒットしました。一時は売上高が100億円を超えるほどになりましたが、類似品が出てきたことなどでその後2年ほどの間に10億円まで落ちるという経験をしています。さらにその後、美顔器を開発している企業を買収したところ、それが当たってなんとか一息つきました。

 売上高や利益はそれくらい変動する。だからそれらを見る損益計算書(P/L)だけを意識していてはだめだと思ったのです。純資産を含む貸借対照表(B/S)を重視し始めたのはそれからです。負ののれんというより純資産を活用し、その不振企業を再生して、RIZAPグループとして成長しようと考えたのです。

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「瀬戸社長「M&A、手段が目的になっていた」」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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