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税制改正、財務省は「それなりに満足」

「政治の論理」に軌道修正も「脇役」メニューには達成感

2016年12月13日(火)

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 2017年度の与党税制改正大綱がまとまった。「大玉」と目された所得税改革は踏み込み不足が否めないが、ビール系飲料の税額統一など「脇役」メニューは体裁を整えた格好だ。「政治の論理」が壁となる中、実務を担った財務省内には一定の満足感も漂っている。

 自民、公明両党が2017年度税制改正大綱を決めた。政府が掲げる「働き方改革」の一環として焦点となっていた所得税の配偶者控除の見直しについては、配偶者(妻)の年収上限を103万円から150万円に事実上引き上げることで決着した。

配偶者控除については、2018年1月から妻の年収要件を103万円から150万円に事実上、引き上げる。パート主婦が働きに出やすい環境を整える。(写真:Haruyoshi Yamaguchi/アフロ)

実態は「パート主婦減税の拡大」

 103万円は企業の配偶者手当の基準になっている場合も多い。パート主婦が就業調整して働く時間を抑える傾向がかねてより問題視されていた。対象を拡大することで新たに約300万世帯が減税になるとみられ、自民、公明の税制調査会幹部や財務省はパート主婦がより長く働きやすくなる効果が期待できるとしている。

 一方で、財源を確保するため世帯主(夫)の年収が1120万円を超える世帯への適用は制限する。その結果、これまで減税を受けてきた100万世帯は増税となる。

 要は、主に専業主婦世帯を優遇する配偶者控除を事実上維持し、パート主婦への減税を拡大する。それに伴う減収分を高所得の専業主婦世帯への増税で穴埋めするというのが今回の改正の姿だ。

 財務省や自民税調幹部が当初思い描いていたのは、配偶者控除を廃止し、一定の年収以下であれば専業主婦だけでなく共働きの世帯も優遇する「夫婦控除」を創設する構想だった。

 安倍晋三首相も9月上旬の政府税制調査会で「女性が就業調整をすることを意識せずに働くことができるように多様な働き方に中立的な仕組みを作っていく必要がある」と発言。見直し論議に意欲的な姿勢だった。

 そこへ立ちふさがったのが「選挙の壁」だ。来年夏には公明が重視する東京都議選が控える。さらに、永田町では早期の衆院解散・総選挙の観測がにわかに広がり、支持層に専業主婦世帯などが多い公明内では「増税世帯からの反発が大きくなると選挙に響く」との懸念が一気に拡大した。

 公明とのパイプが太い菅義偉官房長官もこうした空気を踏まえ、財務省幹部に「違和感がある」と表明。慎重姿勢を鮮明にしたことで、10月上旬には早々と先送りの流れが固まった。

 昨年の税制改正論議では、軽減税率の対象品目を巡り自民、公明の対立が先鋭化。首相官邸が公明に配慮し、自民・財務省の主張を退けた経緯がある。

コメント4件コメント/レビュー

配偶者控除の是非はさておき、この話の年収上限の緩和が女性の社会進出に寄与する、しかも女性の社会進出のモチベーションになるとの考えがあるようだが、私にはさっぱり理解できない。
私の妻もパートをしているが、時給は900円、この時給で150万円を稼ごうとすると、平日ほぼフルタイム並みに働く必要がある。フルタイムで1年働いて僅か150万円!なんという低賃金か!!
政府は例えば子育てを経てそれなりの年齢になった、もしくは子育てをしている女性に、最低賃金の労働力になれというのだろうか?
一方で今回税制のみを言っているが、社会保険料は一定規模の会社では106万円の壁が存在し、それを超えると、年収がフルタイムでも150万円程度の仕事では無視できない手取り収入の減となる。世間一般常識では社会保険を払うのは当たり前!だが、年収150万円の仕事では手取り収入を確保し、目の前の生活を維持することが選択肢となる。目減りするなら働かないほうがマシとなる。
アルバイト減税の上限を緩和し、低賃金の労働が蔓延するのを放置どころか後押しし、1年真面目に働いても食べていけない仕事に対して、「女性たちよ、働け!!」と言っているに等しいように思う。
仕事とは、少なくともまじめに働けば食べていけることが最低条件だと思う。所得税にしても、社会保険にしても個々の人が働き、責任を持つことは当たり前であるが、それであれば蔓延する1000円を切る低賃金の業態を広く認めることはおかしいと思う。少なくとも2000円以上の時給、もしくは適切な昇給制度が必要となる。
財務省は財務のことしか考えないのか?何が満足なのか?よく理解できない。(2016/12/22 14:39)

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「税制改正、財務省は「それなりに満足」」の著者

安藤 毅

安藤 毅(あんどう・たけし)

日経ビジネス編集委員

日本経済新聞社で経済部、政治部などを経て2010年4月から日経ビジネス記者。2012年4月から現職。政治、経済政策を中心に執筆している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

配偶者控除の是非はさておき、この話の年収上限の緩和が女性の社会進出に寄与する、しかも女性の社会進出のモチベーションになるとの考えがあるようだが、私にはさっぱり理解できない。
私の妻もパートをしているが、時給は900円、この時給で150万円を稼ごうとすると、平日ほぼフルタイム並みに働く必要がある。フルタイムで1年働いて僅か150万円!なんという低賃金か!!
政府は例えば子育てを経てそれなりの年齢になった、もしくは子育てをしている女性に、最低賃金の労働力になれというのだろうか?
一方で今回税制のみを言っているが、社会保険料は一定規模の会社では106万円の壁が存在し、それを超えると、年収がフルタイムでも150万円程度の仕事では無視できない手取り収入の減となる。世間一般常識では社会保険を払うのは当たり前!だが、年収150万円の仕事では手取り収入を確保し、目の前の生活を維持することが選択肢となる。目減りするなら働かないほうがマシとなる。
アルバイト減税の上限を緩和し、低賃金の労働が蔓延するのを放置どころか後押しし、1年真面目に働いても食べていけない仕事に対して、「女性たちよ、働け!!」と言っているに等しいように思う。
仕事とは、少なくともまじめに働けば食べていけることが最低条件だと思う。所得税にしても、社会保険にしても個々の人が働き、責任を持つことは当たり前であるが、それであれば蔓延する1000円を切る低賃金の業態を広く認めることはおかしいと思う。少なくとも2000円以上の時給、もしくは適切な昇給制度が必要となる。
財務省は財務のことしか考えないのか?何が満足なのか?よく理解できない。(2016/12/22 14:39)

言葉を生業にしている新聞社の記事に誤字があってはいかんでしょう。
所要が所用になり、要件が用件になっているようでは、記者もデスクも
国語力を疑います。
しっかりしてほしいものです。(2016/12/14 00:18)

所得税改革は踏み込み不足との論調が多いが、私は配偶者控除を3段階定額、しかも所得制限まで導入してきたことに吃驚しました。
150万円の根拠も時給1000円で1日6時間×5日を1年間で144万円。多少余裕をもって150万円らしいが、親の病院や診療所への送迎とかPTAなどの学校行事に狩り出されるとか補助的に働いている方ってそういった諸雑用もこなしているはずですし、5日×6時間フルに使える人は少ないと思います。都市圏は人手不足で苦しんでいる事情があるとはいえ、そのため収入制限で配偶者控除が受けられなくなる人が出てくれば現場の総務部門は説明を求められて混乱すること必至。巻き込まれる方も大変です。(2016/12/13 13:07)

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