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セブンのオムニ率いた鈴木康弘氏、退任を語る

敏文・前会長の次男「後継者のつもり無かった」

2016年12月21日(水)

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 セブン&アイ・ホールディングスで、創業家である伊藤家の存在感が高まっている。創業者の伊藤雅俊・名誉会長の次男、伊藤順朗取締役が12月19日に常務執行役員に昇格した一方で、今春までグループに君臨してきた鈴木敏文前会長の次男、鈴木康弘取締役は年内に退任する。その康弘氏が日経ビジネスに対し、退任の経緯を語った。

「ちょうど大安だったこともあり、12月5日に退任届を出しました。みなさんには慰留してもらったし、井阪隆一社長からも『どうしてですか』と聞かれましたが、翌日の役員会議で退任の挨拶をしました」

 鈴木康弘氏は12月19日、日経ビジネスの取材にこう明かした。

 康弘氏はコンビニエンスストアを日本に根付かせたセブン&アイのカリスマ経営者、鈴木敏文前会長の次男。富士通やソフトバンクを経て、ソフトバンクがヤフーやトーハン、コンビニ事業会社のセブン-イレブン・ジャパンと設立したネット通販会社の社長に就任。同社が2006年にセブン&アイ傘下に入ると、システム基盤の整備などを担当してきた。その後は2014年12月に最高情報責任者(CIO)に就き、2015年5月には取締役に昇格するなど、グループ内で急速に出世する。ネットとリアル店舗の融合を図る「オムニチャネル戦略」の責任者として、関連部門を率いてきた。

「セブン&アイがオムニチャネル戦略の推進を宣言した2013年から、1日も休んだことはありません。それほど力を入れてきました」

 康弘氏は過去数年の自身の働きについてこう振り返る。

鈴木康弘氏。2014年に撮影。(写真:竹井俊晴)

 ところが敏文氏は今年に入って、セブン-イレブン・ジャパン社長だった井阪氏の退任を提案。結果として社内混乱を招いたことで、2016年5月に退任する。グループ内部では、康弘氏が相次ぎ要職に就いたことで、父親である敏文氏が世襲させようとしているという疑念が一部浮上した。結果として、井阪氏の人事をめぐる混乱の遠因になったとの見方もある。セブン&アイ株を保有する物言う株主の米サード・ポイントも、セブン&アイの取締役に今春送った書簡で、康弘氏への世襲の可能性に懸念を表明していた。だが、康弘氏はこうした見方を明確に否定する。

「僕は自分がセブン&アイの後継者だなんて思ったことはありません。前会長だってそんなこと思っていない。そんな素振り、一度も見せたことないです」

会社の支柱は、鈴木家から伊藤家へ

 焦点となった自らの退任案が4月の取締役会で否決され、5月にはセブン&アイ社長へ昇格することになった井阪氏。敏文氏がいなくなったあとの巨艦をどう舵取りするのか。注目が集まるなか、井阪氏が選んだのは創業家への回帰だった。

 象徴的だったのが2016年10月6日の記者会見だ。井阪氏は「このグループの素晴らしさは(イトーヨーカ堂を創業した伊藤雅俊)名誉会長が躾のように植え付けてくださった企業理念」と発言し、会社の精神的な支柱を創業家に据えることを印象づけた。

 セブン&アイは同日、敏文氏の右腕としてオムニチャネル向けの商品開発にあたった松本隆そごう・西武社長の退任を発表する。12月19日には伊藤家の次男・伊藤順朗取締役が執行役員から常務執行役員に昇格した。こうした流れをみると、康弘氏の退任も、井阪氏が「鈴木体制」と決別しようとする流れの中にあるとみえる。ただし、康弘氏は

「そろそろ辞めどきかな、とは今年の春より前から考えていたのです」

 とし、退任があくまで自らの意思によるものであったと強調する。

「僕はシステムエンジニアで、グループ各社が使っているITシステムを統一する仕事を進めてきた。将来的にもセキュリティを担保することを考えると、これはなかなか骨の折れる仕事です。『オムニセブン』が立ち上がったことで、ひとつ区切りがついたのかなと」

 オムニセブンは、セブン&アイが2015年11月に本格的に提供を始めたネット通販サービス。ネットで注文したものをセブンイレブンで受け取るようにするなど、ネットと店舗事業の連動を軸に、消費者にとっての便利さを実現しようというコンセプトだ。

 セブン&アイはオムニセブンには、個性のある独自商品の強化が必要との考えから、2013年以降、雑貨店「フランフラン」を運営するバルスと資本提携したり、高級衣料専門店であるバーニーズジャパンを買収したりしてきた。オムニで重要な役割を果たすことが期待される百貨店のそごう・西武や、赤ちゃん本舗も、2006年以降に買収した会社であり、もともとITシステムはバラバラ。オムニセブンの立ち上げには各社の商品を同じように取り扱うために、統合作業が必要だったというわけだ。

コメント4件コメント/レビュー

どう読んでも言い訳にしか聞こえない。マスコミ報道は本人も分かっているはずだから、こういうインタビューに応じる必要はない。却って痛くもない腹を探られ恥をかくだけだ。鈴木会長も7-11を同業他社に比べ圧倒的に凌駕した実績は誰しも認めている。しかし永久にカリスマを維持できるはずもないし、退け時を最後に誤ったとしか思えない。井阪氏との折り合いが悪かったのでしょう。特に立派な経営者に良くあることです。経営のトップに永年立つと自分自身が見えなくなり、後継者を育成しなかったり、身内にあまくなったり、周囲から見たら何であの人がと思うよう
な決断をしたりします。今回の7-11の騒動は企業犯罪とまでは行かなかったけど、取締役等に甘い日本の会社法では今後も企業のお家騒動はなくならないでしょう。井阪氏で正解かどうかは後
2,3年で答が出るでしょう。(2016/12/21 22:31)

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「セブンのオムニ率いた鈴木康弘氏、退任を語る」の著者

藤村 広平

藤村 広平(ふじむら・こうへい)

日経ビジネス記者

早稲田大学国際教養学部卒業、日本経済新聞社に入社。整理部勤務、総合商社インド拠点でのインターン研修などを経て、企業報道部で自動車業界を担当。2016年春から日経ビジネス編集部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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どう読んでも言い訳にしか聞こえない。マスコミ報道は本人も分かっているはずだから、こういうインタビューに応じる必要はない。却って痛くもない腹を探られ恥をかくだけだ。鈴木会長も7-11を同業他社に比べ圧倒的に凌駕した実績は誰しも認めている。しかし永久にカリスマを維持できるはずもないし、退け時を最後に誤ったとしか思えない。井阪氏との折り合いが悪かったのでしょう。特に立派な経営者に良くあることです。経営のトップに永年立つと自分自身が見えなくなり、後継者を育成しなかったり、身内にあまくなったり、周囲から見たら何であの人がと思うよう
な決断をしたりします。今回の7-11の騒動は企業犯罪とまでは行かなかったけど、取締役等に甘い日本の会社法では今後も企業のお家騒動はなくならないでしょう。井阪氏で正解かどうかは後
2,3年で答が出るでしょう。(2016/12/21 22:31)

小生、セブンイレブン上場以来の株主です。またセブンの加盟店でもあります。鈴木敏文氏は業界のカリソマといわれていますが、近くで見ていますと、思いつきの繰り返しでたまたま「当たり」がでるとそれを自分の成果と宣伝していただけの人物です。「おでんを日本の代表的ファストフード」にした。現在では「おでん」は何の利益も上げず、廃棄ロスばかり出る困り者です。「オム二チャネル」は明らかに失敗です。われわれ加盟店は全くやる気がありません。微々たる手数料で面倒な業務が増えるだけです。その辺の現場の人間の労働について全く考えが及んでいません。鈴木親子は、業務命令をだせば現場は思いのままに動くと思っている特異な人格の持ち主だと考えます。親子がでていって清々しているセブン関係者を沢山知っています。(2016/12/21 19:25)

井阪氏体制になるし、ちょうどいい区切りなのかもしれないですね。
ただ、井阪氏の言う、「アカチャンホンポ...そごうで買い物」のくだりはアホらしいとしか言えません。ポイントカードで囲い込みするつもりでしょうか。ハードで買い物をするのではなく、ソフトを求めて買うのです。そういう意味では商品が大事。どの業界も一緒ですね。
楽しみです。この会社の行方が(2016/12/21 08:54)

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小田嶋 隆 コラムニスト