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[新春放談]今年こそ通念を破壊する

経済同友会の小林代表幹事VSアジア成長研究所の八田所長(前編)

  • 日経ビジネス編集部

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2018年1月9日(火)

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 順風の年――2018年の経済見通しをそう表現する記事が目立つ。暦年で見ると日経平均株価は6年連続で上昇しており、小売り各社の初売りは軒並み好調だった。主要国の中でも日本は政治的に安定しており、2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでは追い風が続くという見方が多い。2008年のリーマン・ショック以降、長らく続いてきた世界経済の停滞期は脱しつつあるのは確かだ。

 この好調期に何をすべきか。それが平成の次に続く時代の、日本の未来を決するだろう。超高齢化社会を乗り切るために社会保障と財政のバランスをどう取るか。生産年齢人口が減る中で、生産性をどのようにして向上させていくか。「失われた20年」でこびりついたデフレ心理を払拭するという難題にも対処していかなければならない。

 そこで日経ビジネスオンラインでは、経済同友会の小林喜光代表幹事とアジア成長研究所の八田達夫所長(大阪大学名誉教授)の対談をお送りする。両者に共通するのは、今こそ日本に蔓延している通念(常識・観念・俗論)を打破して、新しい挑戦に取り組まなければならないという問題意識だ(司会は日本経済研究センターの斎藤史郎参与が務めた)。

アジア成長研究所の八田達夫所長(左)と経済同友会の小林喜光代表幹事(右)。写真は的野 弘路(以下同)

好景気だが「GDP600兆円」は簡単ではない

斎藤史郎氏(=司会、 以下斎藤):明けましておめでとうございます。日経平均株価は26年ぶりの高値水準にあり、景気に明るさが広がっています。2018年の今年、日本経済の状況をどう見ていますか。

小林喜光氏(以下、小林):消費者物価が思うほど上がらないという部分を除けば日本経済は好調に推移していると感じます。やはり世界景気に支えられてきたところが大きいでしょう。欧州は意外に調子がよく、米国も政治状況にはいささか混乱がありましたが堅調と言えるでしょう。中国の経済成長率も2017年は6.8%程度を維持しました。

小林喜光(こばやし・よしみつ)氏
三菱ケミカルホールディングス会長。1946年生まれ。東京大学大学院理学系研究科修了後、イスラエルのヘブライ大学、イタリアのピサ大学に留学。74年三菱化成工業(現:三菱ケミカル)に入社。2007年三菱ケミカルホールディングス社長に就任、15年4月より同会長に就任(現職)。このほか、経済同友会代表幹事や未来投資会議構造改革徹底推進会合会長、東芝の社外取締役なども兼ねる

 また、この5年間の安倍政権下で異次元緩和が行われ、円安が進み輸出産業の利益が増えた。輸出自体も相当、活性化されました。2017年第3四半期の国内総生産(GDP)は過去最高額となり、成長率も実質年率換算で2.5%。名目で3.2%となりました。

 これは、内閣府がかつて想定していた理想的なシナリオで、その線に来たという意味でこれは面白いなと思いますね。

 ミクロで見ても、我々のような素材産業でも好景気を感じます。当社(三菱ケミカルホールディングス)は今期(2018年3月期)は過去最高の収益となりそうです。想像以上に景気がいいんですね。数値を見ると「へー、こんなことがあるんだ」と思うくらい、良いですね。

 2018年度の経済成長率見通しも実質1.8%、名目2.5%ということで、急に減衰するとは思えない。米国でも法人税率が21%に引き下げられます。市場のメンタルにも相当なインパクトが出てくるでしょう。米国に進出している日本企業にとってもプラスがあるでしょう。日本企業はこれから、ますます多国籍的に海外に出ていくというトレンドが生まれるような気がします。

斎藤:経済成長はしばらく続くと?

小林:政府は「名目GDP600兆円」というスローガンを掲げてきました。僕は、これは「高いところにあるパン食い競争だな」と感じていました。パン食い競争は、ちょうど届くかどうかの高さにパンを吊さないといけませんよね。余り高いところに吊すと食う気をなくさせてしまうよ、と思っていました。ところが、2017年度の名目GDPが550兆円だとすると、3%成長が3回続けば、2020年度にはちょうど600兆円になるじゃないですか。大変結構なことだとも言えます。

 ただし、よく考えてみると、名目GDPのうち約30兆円は研究開発費(の統計上の基準変更)や防衛費などでゲタを履いているんです。確かに安倍政権になってGDPは伸びてきていますが、仮に600兆円に届いたとしてもそれは形の上での達成ということでしょう。しかも前提となる「名目3%の成長」は本当に現実的なのか。2018年度の見通しは実質1.8%、名目2.5%です。それでは足りません。やはり「名目GDP600兆円」は、簡単なターゲットではないのです。

 ただ、我々のようなグローバル企業にとっては、創業以来の好景気であることは間違いありません。だから賃金も上げたくなるようなメンタリティーになっている状況だと思います。

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