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若者よ、「野心」を抱け 新社会人に贈る言葉

日本経済に欠けているのは「アニマル・スピリッツ」

2018年3月28日(水)

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さっぽろ羊ヶ丘展望台のクラーク博士像(写真:PIXTA)

 ウィリアム・スミス・クラーク博士の「少年よ、大志を抱け」(Boys be ambitious)は、若者を励ますのに最もふさわしい言葉とされてきたが、ambitious をなぜ「大志」と訳したのかには疑問が残る。ここはあえて、素直に「野心」と置き変えてみたい。「若者よ、野心を抱け」となると、その印象は一変する。「大志」ではなく「野心」こそ新社会人に贈りたい言葉である。

 もちろん「大志」がふさわしいという考え方はあるだろう。クラーク博士は「少年よ、大志を抱け」に続けて「しかし、金銭のため、利己心のため、名声のためではなく、人間としてあるべきすべてを求める大志を抱け」と語りかけたという説もある。札幌農学校の学生のなかには、クラーク博士の精神を受け継いだキリスト教思想家の内村鑑三や「武士道」の新渡戸稲造ら、それこそ「大志」にふさわしい大人物がいる。

 しかし、この「Boys be ambitious」という言葉は札幌農学校の学生たちに馬上から投げかけた「別れの言葉」だったという。別れの言葉のあとに、長々とした説教が続いていたとは考えにくい。せいぜい「Good luck」に近いものだったのかもしれない。くだけていえば、「ひとつ、やってみろ」とか「いっちょう、やったれ」くらいの励ましの言葉だったのではないか。

 それを「大志」と重くとらえるか、素直に「野心」ととるかで、大きな開きが出てくる。「大志」にはどうしても、自分を捨て国家に奉仕する国家主義の匂いがある。戦前の日本が国家主義に走ったのは、若者が「大志」の呪縛から逃れられなかったことも背景に潜んでいるだろう。単純に「野心」ととっていたら、日本人の精神はもっと解放されていたかもしれない。

コメント2件コメント/レビュー

クラーク博士のambitious以降の全文を読んだ時、この全文を一言「大志を抱け」と訳したんだと感動しました。日本語は素晴らしいな。訳したのは有島武郎だろうなと思いながら。
クラーク先生は、ひと旗揚げるために海を渡ってきた、野心的なアメリカの青年に「人間のあるべき姿のために」と伝えたかった事を、北大の学生にも伝えたのだと。
クラーク先生は半年くらいしか滞在していなかったようですから、日本人をよく知らなかったのだろうなと。(2018/03/29 20:43)

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「若者よ、「野心」を抱け 新社会人に贈る言葉」の著者

岡部 直明

岡部 直明(おかべ・なおあき)

ジャーナリスト/武蔵野大学 国際総合研究所 フェロー

1969年 日本経済新聞社入社。ブリュッセル特派員、ニューヨーク支局長、論説委員などを経て、取締役論説主幹、専務執行役員主幹。早稲田大学大学院客員教授、明治大学 国際総合研究所 フェローなどを歴任。2018年より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

クラーク博士のambitious以降の全文を読んだ時、この全文を一言「大志を抱け」と訳したんだと感動しました。日本語は素晴らしいな。訳したのは有島武郎だろうなと思いながら。
クラーク先生は、ひと旗揚げるために海を渡ってきた、野心的なアメリカの青年に「人間のあるべき姿のために」と伝えたかった事を、北大の学生にも伝えたのだと。
クラーク先生は半年くらいしか滞在していなかったようですから、日本人をよく知らなかったのだろうなと。(2018/03/29 20:43)

ネットで見かける世論は、自分のやりたいことで仕事を選ぶ人を「わがまま」とか「甘え」と批判し、「そんな奴は使えない」と切り捨てる意見ばかり。

そんなにやりたくない仕事に就くことを推奨するのは何故なの?我慢は美徳?

私は、やりたい仕事に就くべきだと考えているのだが、そんなことを言うと白い目で見られるのが日本の現状。

みんな、仕事の内容ではなく会社や組織で選ぶから、自分の仕事に誇りや責任を持てない。上司の言うことが道徳や法律から外れていても意見しないんだと思う。

だから、会社のため、組織のため、上司の面子のため、悪いことに手を染めてしまう。文書の改ざんもそう。自分の仕事に誇りを持っていれば、不正に手を染めて自分を汚す前に、そんな狂った会社や組織を辞めて、自分の腕をふるえる会社へ転職すると思う。(2018/03/28 12:47)

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