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トヨタ・スープラ復活。BMWとの協業の現場から

スープラ開発責任者・多田哲哉氏に聞く(前編)

2018年3月28日(水)

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ジュネーブショーで世界初公開された「GR Supra Racing Concept」。このレース仕様の開発は欧州のモータースポーツ活動拠点であるトヨタモータースポーツ有限会社(Toyota Motorsport GmbH)が担当

 3月6日に行われたジュネーブ国際モーターショーのプレスデイ初日、トヨタは新型スポーツカー「スープラ」のレース仕様である「GR Supra Racing Concept」を世界初公開した。市販車はBMWとの共同開発中で、来年の第1四半期の発売が予定されている。

 なぜレース仕様を先行公開したのか、BMWとの共同開発はいかなるものなのか? スープラのチーフエンジニア多田哲哉氏が、現地を訪れた報道陣に向け開発の経緯を明らかにした。

1978年に登場した初代(A40/A50型)。国内名称は「セリカXX(ダブルエックス)」
多田 哲哉(ただ・てつや)GazooRacing Company GR開発統括部チーフエンジニア・スープラ開発責任者 1987年トヨタ自動車入社。入社後、ABSの電気評価やスポーツABSなどの新システム開発を担当し、1993年にはドイツでWRCラリー用のシャシー制御システム開発等に従事。のちラウム、パッソ、bB、ラクティス、WISH、アイシスなどのチーフエンジニアを勤める。2007年、新たなスポーツモデルの企画統括に携わり、開発責任者として、スバルと共同で86をまとめあげ、のちに現職。

 「スープラ」は今から40年前、1978年に初代(A40/A50型)が誕生した、トヨタのスポーツモデルだ。この「スープラ」は実は北米仕様の名称で、第2世代(A60型)までは日本国内では「セリカXX(ダブルエックス)」として販売されていた、といったほうがクルマ好き世代には、ピンとくるかもしれない。

 1986年にデビューした第3世代(A70型)からグローバルで販売がはじまり、国内でも名称がスープラとなる。そして1993年に登場した第4世代(A80型)は、2002年をもって生産中止となった。これは当時の排ガス規制の影響によるものだが、時を同じくして日産GT-R(R34)、シルビア(S15)、マツダRX-7(FD3S)など、日本のスポーツカーの多くが2002年に生産を終えている。

 スープラの開発責任者である多田哲哉氏は、スバルとの協業でトヨタ86(スバルBRZ)を復活させた人物してよく知られている。まずスープラを担当することになった経緯について尋ねてみた。

「BMWと一緒にクルマが作れるか調べてこい」

多田さんがこのモデルの開発責任者にアサインされた当時から、10年以上も途絶えていた「スープラ」の名を復活させることは決まっていたのですか?

多田:最初からそういうふうに指示を受けたわけじゃないんです。開発がスタートしたのは実は86を出した直後のことで。86を2012年に発売して、その年の5月にヨーロッパのジャーナリスト向けの試乗会をスペインでやりました。

 その期間中に突然、内山田さん(内山田竹志・現トヨタ自動車会長)から電話があって、「おまえ、明日誰にも内緒でミュンヘンへ行け」と。BMWの本社にいくと◯◯さんという人が待っているから、そこでBMWと一緒にクルマが作れるか調べてこいと。

 えぇ~、と思いながら、向かったんですけど、国際試乗会のあいだに突然チーフエンジニアがいなくなって、しかもどこに行ったのか誰も知らないみたいな(笑)、あとから大騒動になったと聞きました。そのときにはまだ具体的な話があったわけじゃなくて、お互いのクルマ作りやその考え方について話をして、BMWの担当もいい人でしたし、これならできるかなと感じて日本にレポートしたことがきっかけです。いざ始まってみると、そんな甘い考えで返事をするんじゃなかったってことになるんですけど(笑)。

コメント11件コメント/レビュー

クルマの世界では「1から10まですべてを自社で製作するコト」が大事だと思い込んでいる輩が非常に多い。とくにスポーツカーに関しては、だ。すなわち86&BRZや今回の新型スープラのような他社とのコラボレーションはNGだと。しかし多田氏のお話を伺う限り、それが本当に正しいのだろうかという疑問が沸く。こういった機会を通して、自分たちが今まで知らなかった世界を知ることができたのは、間違いなくこれからのTOYOTAにとって大きな財産になったハズだ。世界的な大企業でも時には柔軟になって考える、そして素直な気持ちで「習う」コトが大事だと多田氏のインタビューから感じられた。これからの時代「井の中の蛙」になる必要はまったくない。まさしく「障子を開けてみよ、外は広いぞ。」豊田佐吉氏の言葉どおりであるといえよう。(2018/05/02 01:51)

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「トヨタ・スープラ復活。BMWとの協業の現場から」の著者

藤野 太一

藤野 太一(ふじの・たいち)

フリーランスエディター/ライター

大学卒業後、自動車誌カーセンサー、カーセンサーエッジの編集デスクを経てフリーの編集者兼ライターに。日経ビジネスオンラインでは、連載開始時より2017年まで「走りながら考える」のアドバイザーを務めていた。自動車関連の分野をはじめとしビジネスマンを取材する機会も多く日経トップリーダー、日経デジタルマーケティングなどにも寄稿する。JMS(日本モータースポーツ記者会)所属

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

クルマの世界では「1から10まですべてを自社で製作するコト」が大事だと思い込んでいる輩が非常に多い。とくにスポーツカーに関しては、だ。すなわち86&BRZや今回の新型スープラのような他社とのコラボレーションはNGだと。しかし多田氏のお話を伺う限り、それが本当に正しいのだろうかという疑問が沸く。こういった機会を通して、自分たちが今まで知らなかった世界を知ることができたのは、間違いなくこれからのTOYOTAにとって大きな財産になったハズだ。世界的な大企業でも時には柔軟になって考える、そして素直な気持ちで「習う」コトが大事だと多田氏のインタビューから感じられた。これからの時代「井の中の蛙」になる必要はまったくない。まさしく「障子を開けてみよ、外は広いぞ。」豊田佐吉氏の言葉どおりであるといえよう。(2018/05/02 01:51)

「直6のエンジン、そしてFRのレイアウト、この2つは外せないと。これを変えたらスープラとは呼べないなと思ったわけです。」

スカイラインもこの2つに丸形2連テールランプが追加されてれば、あんなに沈まなかったろうにねぇ…マイチェンで慌てて丸テールランプにしても後の祭り。(2018/03/29 13:57)

「BMWの社員でもポルシェに乗ってるメンバーはたくさんいる」と、現場の人間が言えるのは、自社の製品に自信があるからでしょうね。その点、日本に多く見られる、社員駐車場では他社製は遠くに止めろだとか、自社製を必死に社員に売りつけるようなところは、結局は社員を井の中の蛙にするだけ。そういうことと愛社精神は別物で、多様性を否定すれば、自ずと生き残れなくなるんじゃないかな。(2018/03/29 12:35)

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