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社員が不正に走る「危ない会社」に共通する欠陥

企業不正の研究(下)

  • 安岡 孝司

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2018年4月18日(水)

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神戸製鋼所の新社長に4月1日付で就任した山口貢新社長は、「神鋼が変わったと言われるよう不退転の覚悟で取り組みたい」と、品質データ改ざんで失墜した信頼の回復に努めることを宣言した。(写真:ロイター/アフロ)

前回から読む)

最終報告の謎(2)経営責任を不透明なままにしている

 前回は、神戸製鋼所の不正事件に関する最終報告が残した謎の1つ目を取り上げました。今回は、あと2つの謎を取り上げます。

 最終報告の公表に合わせて、社長と担当副社長の引責辞任が発表されました。しかし最終報告では現経営陣や過去の経営陣と監査役の責任について説明していません。この点でも社会通念上期待される説明責任を果たしているとはいえず、社長の辞任という結論には不透明感と唐突感が免れません。前回の表に記したように本件は1970年代から続いている問題であり、過去の取締役には不正の実行者もいます。現経営陣も過去の経営陣も責任は同質だからです。

 また1972年以降、神戸製鋼の社長は11人が務めているので、社長の在任期間は平均4.2年です。現社長は就任5年目で、ちょうど代替わりの時期です。このタイミングでの辞任を実質的な引責といえるのでしょうか。

「現場の妨害行為」はプレス発表したのに、役員になった不正実行者の発表はなかった

 暫定報告と最終報告では、長府製造所のアルミ押出工場で自主点検に対する妨害行為があったため、外部調査委員会による調査を開始したとしています。さらに「当社グループの品質自主点検における妨害行為について、2017/10/20」というプレスリリースを出し、厳正に処分するとしています。

 一方、最終報告では昔のデータ改ざんの実行者がその後専務や副社長に昇格し、不正について取締役会に報告していなかったとしています。同社はこの件をプレスリリースしていないようですが、従業員の妨害行為に比べてプレスリリースに値しないことなのでしょうか。経営と現場との距離というよりも、地位の格差を感じてしまいます。

 過去に船場吉兆(2008年廃業)が2007年に商品の賞味・消費期限を偽装していた問題で、当時の専務が「パート従業員の独断」と責任転嫁した発言を思い出してしまいました。

コメント18件コメント/レビュー

営業の苦労して、取ってきた受注に対して、製造のマネージメントの力を超えたとき、問題は起こる。
製造のマネージメントの力を超えたとき、支援をするマネージメントがないので、いくらやっても、この問題は解決しません。
品質管理の問題ではなく、営業と製造のコミュニケーションと本社支援が壊れれば、いつでも起こる問題です。(2018/04/23 19:23)

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営業の苦労して、取ってきた受注に対して、製造のマネージメントの力を超えたとき、問題は起こる。
製造のマネージメントの力を超えたとき、支援をするマネージメントがないので、いくらやっても、この問題は解決しません。
品質管理の問題ではなく、営業と製造のコミュニケーションと本社支援が壊れれば、いつでも起こる問題です。(2018/04/23 19:23)

この記事の結論の一つである監査機能が弱いということに同感です。本当にやる気があるなら、本社の品質統括部が直接抜き打ち検査をしなければなりません。そして、そのことに発する問題はすべて本社でかぶってもらう必要があります。
本社が「そんなことは知るか。不正をする方が悪いんだ」と言うなら(私の知っている会社ならそういうでしょう)、問題は全然解決しません。

工場の最優先課題は指定納期に指定数量を顧客に収めることです。品質も大事ですが、不正が発覚しても"問題にはならない"というような客先のコメントがあるようなら、それを守ることは明らかに最優先のポイントではないです。
自分の家が燃え上がることが分かっていてわざわざ火をつけるバカはいません。不正を隠せばそれで済むことです。自分の働いている工場が窮地に陥ることが分かっていて、誰が馬鹿正直に問題を報告するでしょうか。(2018/04/21 17:15)

不正の本質を理解しない意見ばかりになるのは、わが国では誤差の許容、そしてリダンダント設計を理解できないからです。今回の不正行為で、事故が起きなのですか?お客が採用停止しました?
役所の罰則で、出荷が遅れ、メーカーや販社が損した。でも最終ユーザーにも問題は起きていませんね。 米国設計のように誤差を大きく見積もり、リダンダントに設計すれば、今回の不正程度はすべて誤差の範囲で、正常とみなされ、検査結果の書き換えなど起こりようもありません。
残念ながらわが国では匠の極めを尊びますので、過剰品質や実現が不可能に近い目標を設定します。
 現場は目標に達しなかったとしても実用上問題ないことが分かっていますので、書類の書き換えで済まそうとします。目標数値を落としましょうとは、現場からは言い出せないでしょう。「お前たちは能力な無しか!!」
 経営陣が技術開発など理解できない文系が牛耳っているのではないですか?(2018/04/21 12:58)

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