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東工大との産学連携でアンモニア革命狙う味の素

  • 丸山 正明=技術ジャーナリスト

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2017年6月27日(火)

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 企業が成長し続けるには「オープン・イノベーション」による技術シーズの獲得が不可欠だと、いわれ続けてきた。しかし、日本の大手企業の中で実際に本気で「オープン・イノベーション」を実践している企業はまだ少ないのが実情だ。

 こうした中で、日本を代表する食品メーカーである味の素は、中核事業であるアミノ酸事業の競争力を強化するために、設立されたばかりの東京工業大学発ベンチャー企業に2億円強を投資し、事実上の共同研究体制を構築した。狙いはアミノ酸事業で重要となる副原料のアンモニア(NH3)の原料調達コストを大幅に低減させると同時に、アミノ酸の製造工程を合理化し、グローバルな事業競争力を確固たるものにするためである。

 味の素は、1909年に世界で初めてアミノ酸を利用した“うま味調味料”である「味の素」の事業をもって創業した。その前年の1908年に東京帝国大学(現・東京大学)理学部化学科教授の池田菊苗教授が、うま味成分であるL-グルタミン酸ナトリウムを発見したことが事業化の出発点になった。当時は「産学連携」という言葉もない時代だったが、共同研究によって創業した点では、味の素は東京大発ベンチャー企業だったともいえる。

 こうしたルーツを持つ味の素だけに、先進的な東工大発ベンチャー企業との連携による事業競争力強化にためらいはなかったのだろう。この事業強化の推進を始めたことを、4月末に科学技術振興機構(JST)が開催した記者会見の中で公表した。

 JSTは広報資料の中で「生体を構成するアミノ酸やタンパク質には窒素という元素が必ず含まれており、窒素は生命活動を維持するのに不可欠な元素だ」と伝えた。そして「アンモニアは“窒素源”となる重要な化合物で、世界総生産量は1年間当たり1億6000万トンを超えているとし、この約8割が肥料の原料、残り約2割は様々な食品や医薬品の原料や化成品の原料として利用されている」と伝え、新しいアンモニア合成法が登場する意味合いを強調した。

2017年4月27日午後にJST東京本部内で開催された記者会見風景。JST、味の素、ユニバーサル マテリアルズ インキュベーター、つばめBHBの各代表者に加えて、東京工業大学の細野秀雄教授(右から3人目)と三島良直学長(一番右)が出席した(写真提供=東工大元素戦略センター)

アンモニア合成を根底から変える可能性

 具体的には、味の素とベンチャーキャピタルのユニバーサル マテリアルズ インキュベーター(UMI、東京都中央区)、そして東工大の細野秀雄教授の3者が、ベンチャー企業のつばめBHB(東京都中央区)を共同で設立したもの。同社が、「世界で初めてオンサイト型のアンモニア合成システムの事業化を図る」というのが発表の目玉だ。“オンサイト型”では、化学産業の重要な基礎材料の一つであるアンモニアを低温・低圧で合成できることから、各工場内に置いた小型の合成装置によってアンモニアを製造できる。

 現在アンモニアは、高温・高圧による大型製造施設での一局集中型手法によって大量生産されている。この大型製造施設がある場所から、アンモニアを液化ガス化して輸送し、各工場内で液化ガスの状態のままで保管する手法が用いられている。

コメント4件コメント/レビュー

低温低圧がどの程度なのか記事からはわからないけど、低温低圧でアンモニア合成反応が起き、またこれが可逆反応だとすると水素貯蔵にも使えそうな...。(2017/07/03 12:42)

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いただいたコメント

低温低圧がどの程度なのか記事からはわからないけど、低温低圧でアンモニア合成反応が起き、またこれが可逆反応だとすると水素貯蔵にも使えそうな...。(2017/07/03 12:42)

大学発のベンチャー技術が企業で実用化された例としてとても興味深い。この技術が他の企業、できれば海外も含めて、でも採用されるのかまた採算はどうなのかフォローした記事が出ることを期待している。(2017/06/27 20:23)

大いに期待しています。(2017/06/27 09:01)

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