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なぜ日本企業の社員の「やりがい」は低いのか

日本の「働き方改革」の光と陰(その2)

2018年9月13日(木)

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 この数年、企業の「働き方改革」はブームのように広がり、それに関する話題が毎日のように各社から発信されるようになった。だが、世界中で「働きがいのある会社」の調査・分析をしているグレート・プレイス・トゥ・ワーク(GPTW)のデータで世界と比較してみると、日本企業は「働きがい」という点において世界標準からはかなり立ち後れていることがわかる。そこで、この数年の「働き方改革」を総括するとともに、この先、日本企業が真の「働きがい」を実現するにはどうしたらいいのかを考えてみた。その第2回。

(前回から読む)

「働きがいのある会社」を構成する五つの要素

 GPTWでは、世界58カ国で「働きがいのある会社」の調査を実施し、ランキングを発表している。調査対象は、世界各国の6000社以上の企業(合計でおよそ1000万人を雇用している)で、約400万人の従業員だ(日本の「働きがいのある会社」ランキングはこちら)。

 調査では、従業員と会社の二つの視点から評価を行っている。「従業員がどう働きがいを感じているか」と「会社側が従業員の働きがいを高めるために、どのような努力をしているのか」という視点だ。この両者の視点をそれぞれスコア化し、従業員の視点と会社の視点を2対1の比率で集計し、スコアの合計が一定水準を超えた企業を、「働きがいのある会社」(ベストカンパニー)として発表している。

 どちらか一方の視点から評価されたランキングは数多く存在するが、GPTWのランキングは双方の視点を評価するという点で非常にユニークなものと考えている。

 私たちは、従業員から見た「働きがいのある会社」を、「従業員が経営者・管理者を信頼し、自分の仕事に誇りを持ち、一緒に働いている人たちと連帯感を持てる会社」と定義している。定義の中心となるのが、従業員とマネジメント(ここでは、経営者・管理者層を指す)の間の「信頼」であり、これが従業員の「働きがい」を大きく規定する。

 「信頼」は、「信用」「尊敬」「公正」の三つの要素から成り立っている。ここに、会社や仕事に対する「誇り」と、仲間との「連帯感」を加えた五つが、働きがいのある会社を構成する要素となる。

 「信用」は、従業員がマネジメントを信用できるかどうか、もっと具体的に言うとマネジメント層の能力や誠実性が信用に足るかどうか。信用が築かれている組織では、マネジメント層は会社の方向性や事業計画について常に従業員と対話し、意見を求めている。結果として、経営資源を効果的に分配・調整することができ、従業員は自分の仕事が会社の目標とどのようにつながっているのかを明確に理解できる。

■図 従業員から見た「働きがいのある会社」モデル

 「尊敬」は、経営者・管理者層が従業員を一人の人間としてどれだけ配慮し、尊重しているか。近年、「働き方改革」の旗印のもと、企業では残業削減や休暇の充実、リモートワークの推進など、様々な施策が進められるようになった。一般的な「働き方改革」の多くの施策は、ここで言う「尊敬」につながる。

 「公正」は、従業員を公平、中立に扱っているか。「誇り」は、仕事やチーム、会社に対する誇りやそれに携わることを名誉に思う気持ちがあるか。「連帯感」は、従業員同士が協力し合う関係があるかどうか、あるいは一体感があるか。

 一方、マネジメントから見た「働きがいのある会社」の定義は、「『信頼』に満ちた環境で、一つのチームや家族のように働きながら、個人の能力を最大に発揮して、組織目標を達成できる職場」。働きがいを高めるマネジメント上の重要な場面や機会を、私たちは「9つのエリア」に分けて定めている(図参照)。

■図 マネジメントが働きがいを高める9つのエリア

コメント8件コメント/レビュー

ハイコンテクストカルチャーは本当に強みか?
単一民族で宗教色・政治色の薄い、均質化され自社に帰依したプロパーの企業戦士のみで構成されていた20年前はそうだったろうが、現代においてはむしろ対策が遅れた最大のウィークポイントであると言う見立てである。
会社を見渡せば、かつてよりもはるかに外国人が増え、女性が増え、中途採用が増え多様化してはいないだろうか?仕事を外部委託やアルバイトなど、仕事の経緯や位置づけなど知る由もない、場合によっては興味すらない相手に出していないだろうか?そして少子高齢化と国内市場の縮小が猛スピードで進むなか、将来的にはどちらに進む見通しであろうか?

ハイコンテクストな会話というものは、相手の理解力や過去の共通理解に基づき、会話における説明や確認のプロセスを一部省略した結果として現れるのものだ。それ自体に何らかの実態のあるものではなく、ましてや共通点や関係性、共有する時間がどんどん薄くなる中で成立する可能性は極めて少なくなっている。そのような中でそういったものがあると言う予断をもって行動することは危険で害をもたらし得る。

多様化し、高度化し、複雑化するこれからの世界においては、誤解は当然発生するものだと警戒し、きちんと説明と確認を積み上げて相互理解を得ようと努力する、ダイアローグとしての会話こそが重要であり、もはや成立しない過去の成功体験としてのハイコンテクストカルチャーは致命的な罠となる可能性のある極めて危険なものなのではないか?(2018/09/17 11:06)

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「なぜ日本企業の社員の「やりがい」は低いのか」の著者

岡元 利奈子

岡元 利奈子(おかもと・りなこ)

働きがいのある会社研究所代表

大学卒業後、人事測定研究所(現:リクルートマネジメントソリューションズ)などを経て、2014年4月より現職。「日本に働きがいのある会社を増やす」をミッションとして、日々活動を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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ハイコンテクストカルチャーは本当に強みか?
単一民族で宗教色・政治色の薄い、均質化され自社に帰依したプロパーの企業戦士のみで構成されていた20年前はそうだったろうが、現代においてはむしろ対策が遅れた最大のウィークポイントであると言う見立てである。
会社を見渡せば、かつてよりもはるかに外国人が増え、女性が増え、中途採用が増え多様化してはいないだろうか?仕事を外部委託やアルバイトなど、仕事の経緯や位置づけなど知る由もない、場合によっては興味すらない相手に出していないだろうか?そして少子高齢化と国内市場の縮小が猛スピードで進むなか、将来的にはどちらに進む見通しであろうか?

ハイコンテクストな会話というものは、相手の理解力や過去の共通理解に基づき、会話における説明や確認のプロセスを一部省略した結果として現れるのものだ。それ自体に何らかの実態のあるものではなく、ましてや共通点や関係性、共有する時間がどんどん薄くなる中で成立する可能性は極めて少なくなっている。そのような中でそういったものがあると言う予断をもって行動することは危険で害をもたらし得る。

多様化し、高度化し、複雑化するこれからの世界においては、誤解は当然発生するものだと警戒し、きちんと説明と確認を積み上げて相互理解を得ようと努力する、ダイアローグとしての会話こそが重要であり、もはや成立しない過去の成功体験としてのハイコンテクストカルチャーは致命的な罠となる可能性のある極めて危険なものなのではないか?(2018/09/17 11:06)

成果が測定し難いにも関わらず妙な成果主義もどきで
社員間の協力体制が崩れたり、個人主義は強くなり、
ISOだなんだの対策に対し、本来の意図や目的ではなく形ばかりの手続きが増え、
職場における社員の歯車具合が増大した上に、
下のほうにまで裁量が降りてこない割には責任ばかりが残るので
上も責任回避ばかり上手くなるなら、下も回避の為に
指示待ちやマニュアル人間増えて当然でしょ、
そしてそれで「やりがい」は無いだろう。(2018/09/14 03:01)

やりがいが無くても、結果を出すのがプロです。(2018/09/14 00:10)

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私がじゃなくて、神様が見ても、 誰が見たって(リニアは)いけるんです。

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