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糸状太陽電池、衣服に織り込み「着る発電所」に

2030年に6兆円市場、シリコン系から有機系へ拡大

2016年11月21日(月)

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これまでの常識を覆す、軽くて柔軟性に富んだ太陽電池が相次いで登場している。糸状に加工して生地などに織り込むことで、自由自在に曲げられるようになる。衣服やカーテンなど、身の回りの様々なモノが「発電所」になろうとしている。

太陽光で発電する生地
●福井県工業技術センターが開発した新型電池
「太陽光発電糸」を横糸にして、縦糸とともに織り込んだ生地。柔軟性と伸張性を兼ね備えた発電する生地を作れる(写真=2点:スタジオキャスパー)

 住宅の屋上や日当たりの良い広大な土地で、誰もが目にするようになった太陽光パネル。現在の主流はシリコンの結晶を原料としたもので、太陽光を電気エネルギーに変える「変換効率」は20%を超える。

 一方、シリコンの太陽電池には弱点がある。シリコン自体の重さや屋外で耐久性を持たせるための強化ガラスによって、必然的に重くなる。パネルの重量は1平方メートル当たり10~20kgだ。容易に曲げられないのも難点。その結果、設置できる場所が限られる。

 こうした問題を克服すべく、新たな太陽電池の開発競争が熱を帯び始めた。太陽電池が「曲げられる」ようになれば、自動車の窓などにも装着できる。さらに「畳める」太陽電池が実現すれば、衣服やカーテンなど、これまで想像すらしなかった場所で発電できるようになる。身の回りのあらゆる「モノ」が電気を生み出せるようになるわけだ。

シリコンを「球状」に加工

 どうすれば従来の太陽電池にない、柔軟性を獲得できるのか。産学官連携の技術支援を手掛ける福井県工業技術センターが、一つの答えを見いだした。シリコン製の太陽電池を糸状に加工した「太陽光発電糸」だ。

 上の写真は太陽光発電糸を横糸に、汎用の繊維を縦糸にして織り上げた生地だ。自由自在に折り曲げられるのが特徴だ。

 太陽光発電糸の要となるのが、スフェラーパワー(京都市)が開発した直径1.2mmの「球状太陽電池」だ。シリコンを平面ではなく球状に加工することで、様々な方向からの光を受けて発電できるようにした。

 この球状太陽電池を、2本の導電線で挟み込む。導電線はロープなどに使う有機繊維を芯糸とし、そこにスズでメッキした糸を2本巻き付けたもの。金属繊維と同等の導電性を持ちつつ、布として加工できる屈曲性と伸張性を保てるという。導電線に、球状太陽電池を一つひとつ数mm間隔ではんだ付けしていく。球状太陽電池の片方がプラス極、もう一方はマイナス極となる。

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「糸状太陽電池、衣服に織り込み「着る発電所」に」の著者

染原 睦美

染原 睦美(そめはら・むつみ)

日経ビジネス記者

日経パソコン、日経ウーマンオンラインを経て、2013年4月から日経ビジネス記者。IT担当などを経て、日用品・化粧品担当。趣味は洗濯、昼酒、ピクニック。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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