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スティグリッツ氏が書く日本経済再生への処方箋

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2016年12月2日(金)

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米経済学者スティグリッツ氏は日本経済の再生には現状の政策より炭素税の導入が解決策になると提言する。低炭素社会にかじを切ることが大規模投資を促し、経済を活性化する。税収増は債務圧縮、教育に充てればよい。公的債務は永久債や財政ファイナンスも選択肢だが、それ以上にサービス業の生産性向上も課題だと指摘する。

ジョセフ・スティグリッツ氏
1943年米国生まれ。米アマースト大学卒、67年米マサチューセッツ工科大学で経済博士号取得。95~97年クリントン政権で大統領経済諮問委員会委員長、97~2000年世界銀行のチーフエコノミスト。2001年にノーベル経済学賞受賞。現在は米コロンビア大学経済学部教授。2011年に米誌「タイム」の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれる。『世界の99%を貧困にする経済』など著書多数。

 日本のバブルが崩壊し始めたのは25年前。それから四半世紀、「失われた10年」が繰り返される間、日本経済は低迷し続けてきた。

 そして日本の経済政策は批判にさらされてきたが、批判の一部は正当なものではない。経済成長は、それ自体が目的ではないからだ。我々が何より重視すべきは、国民の生活水準である。

 日本の人口は世界に先駆けて増加から減少に転じたが、生産性は上昇してきた。生産年齢人口1人当たりのGDP(国内総生産)伸び率は、特に2008年以降、米国を上回り、欧州よりもはるかに高い。

炭素税導入が投資拡大を呼ぶ

 それでもなお日本人は、成長率をもっと高められると信じている。私も同じ考えだ。

 日本は、供給サイド、需要サイドの両面に問題を抱える。また実体経済においても、財政面でも問題がある。これらの問題に取り組むには、日本の政策立案者たちがこの数年採用してきた政策よりも、もっと実効性の高い経済活性化策が必要だ。

 これまで推進してきた政策では、インフレ目標も達成できなかったし、経済が成長に向かうという信頼感を回復することも、経済成長を望ましい水準にまで押し上げることもできなかった。

 まず、大規模な炭素税を導入すればいい。加えて、同時に「グリーンファイナンス(二酸化炭素の排出が少ない社会を実現するための取り組みに資金を提供すること)」を整備すれば、経済の改善に向けた大規模な投資を促進できるだろう。

 こうした投資によって経済の資金が吸い取られる、あるいは炭素税導入により「炭素資産」の価値が下がる逆資産効果を招くというマイナスの効果は生じるが、炭素税導入に伴う大規模投資が生む効果の方が必ず上回る。

 逆資産効果の影響はごく限られたものにとどまる一方で、資本ストックが炭素税導入によってもたらされる新たな価格体系とうまく調和しないため、そのギャップを埋めるべく莫大な資金が投入されることになるだろう。どこかにボトルネックが生じない限り、その投資額は巨大になるはずだ。

 炭素税導入で増加した税収は、公的債務の圧縮に使うこともできるし、技術や教育への投資資金に充てることも可能だ。例えば供給サイドへの投資として、日本のサービス分野の生産性を向上させるための対策に投じるのも一案だ。

 このような支出は同時に経済を刺激する効果も発揮するので、日本はついにデフレからの脱却を果たせるかもしれない。

コメント1件コメント/レビュー

純粋な経済理論と、地球温暖化なんていうイデオロギー色の強い話は峻別してもらわないと警戒してしまうな。
炭素税で経済成長なんて大雑把な話をされても、正直、眉唾ではないかと猜疑心を持ってしまう。
スティグリッツ先生と比較するのも失礼な話なんだけど、
数年前の一部経済人のトリクルダウンを巡る詐欺的な言説を思い出してしまうんですよね。
結局こういう話を進めると、高学歴者・高度技術を持った人間に富が過剰に集中・滞留して、
社会の中流以下の層の人口の再生産にダメージを与えるんじゃないかな。
単純に国債を発行して、インフラ投資を大規模に進めた方が経済効果は大きいんじゃないか。
真偽のわからない地球温暖化に投資するより、老朽化するインフラの再構築に投資した方が
国家戦略としては筋が良いのではないかと思う。
その中に環境投資の要素を組み込むのもありだとは思うけど。(2016/12/02 11:48)

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純粋な経済理論と、地球温暖化なんていうイデオロギー色の強い話は峻別してもらわないと警戒してしまうな。
炭素税で経済成長なんて大雑把な話をされても、正直、眉唾ではないかと猜疑心を持ってしまう。
スティグリッツ先生と比較するのも失礼な話なんだけど、
数年前の一部経済人のトリクルダウンを巡る詐欺的な言説を思い出してしまうんですよね。
結局こういう話を進めると、高学歴者・高度技術を持った人間に富が過剰に集中・滞留して、
社会の中流以下の層の人口の再生産にダメージを与えるんじゃないかな。
単純に国債を発行して、インフラ投資を大規模に進めた方が経済効果は大きいんじゃないか。
真偽のわからない地球温暖化に投資するより、老朽化するインフラの再構築に投資した方が
国家戦略としては筋が良いのではないかと思う。
その中に環境投資の要素を組み込むのもありだとは思うけど。(2016/12/02 11:48)

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