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「工芸」と「漫画」はブランディングで復活する

特別対談 中川淳(中川政七商店)×佐渡島庸平(コルク)

  • 日経デザイン編集部

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2016年12月16日(金)

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「日本の工芸を元気にする!」というビジョンの下、老舗の麻織物問屋を工芸品のSPA(製造小売)として再生させた中川政七商店。出版社から独立して漫画家や小説家のエージェント業を手掛けるコルクは、「心に届ける」というミッションを掲げている。両社は2016年から、コルクがマネージメントする漫画家・安野モヨコ氏の漫画「オチビサン」の世界観と、日本の工芸を掛け合わせてオリジナル商品を開発するという新たな取り組みを共同で開始した。

 オリジナル商品を「オチビサン」の公式ホームページで販売したところ、第1弾の「鎌倉彫の豆皿セット」は完売。中川政七商店の13代社長・中川政七氏とコルクの代表・佐渡島庸平氏はこの協業を通じて、「工芸」と「漫画」は異業種ではあるが、ブランディングにおいて共通する部分が多く、互いに共有できるノウハウがあると意見が一致。互いに相手の社員たちにレクチャーする“交換勉強会”も開始した。

 その中川氏と佐渡島氏が、ブランディングに対するそれぞれの考え方について語り合った。

写真左、佐渡島傭平氏(コルク・代表取締役社長)。2002年に講談社に入社し、週刊モーニング編集部に所属。『バガボンド』『ドラゴン桜』『働きマン』『宇宙兄弟』『モダンタイムス』『16歳の教科書』などの編集を担当。2012年に講談社を退社し、作家のエージェント会社、コルクを設立。
写真右、中川淳氏(中川政七商店13代社長)。1974年生まれ。2000年、京都大学法学部卒業後、富士通に入社。2002年より中川政七商店に。2008年2月、十三代代表取締役社長に就任。2015年、イノベーティブで独自性のある戦略によって高い収益性を達成した日本企業に贈られる「ポーター賞」を受賞。2016年、創業300周年を迎える。(写真:名児耶 洋)

中川淳(以下、中川):漫画や小説のプロデューサーである佐渡島さんと私は扱うものが違いますが、同じ職能だと思っています。佐渡島さんは、作家の思いを「漫画」という形で成立させることのプロ。私は、企業の思いを「モノ」として成立させることのプロ。ある世界観を形作り、アウトプットするところは一緒ですよね。

佐渡島傭平(以下、佐渡島):コルクがいま目指しているのは、作家の世界観を「本」以外の「モノ」に落とし込むことです。その方法論はまだ確立していませんが、本の市場は約1兆4000億円で、モノの市場は約60兆円と言われています。作家もモノの市場で勝負できるようになれば、より明るい未来が開けるのではないかと思うんです。

既存の流通経路が機能しなくなった

中川:作家をブランド化してモノの市場を狙うのは、出版業界の流通が崩れつつあることが1つの要因ですよね。そこも工芸の世界と似ています。工芸にも昔からの流通経路がありますが、百貨店が元気だった頃のようには機能しなくなってきている。

 だから私は、自社ブランドを作り、流通も問屋に任せるのではなく自分たちでやったほうがいいのではないか、と考えるようになったんです。コルクさんの場合も、同じですよね。

佐渡島:そうです。雑誌や出版という母体が崩れようとしているから、漫画家が自分でブランドを持ったほうがいいと思っています。インターネットを使って情報で世界観を作り、作家をブランド化するのです。作品の情報を発信する公式サイトにECサイトも組み込んでいきます。単なるECサイトではなく、モノだけで世界観を作るのとも違います。

 中川さんの場合は、自社でブランドを作り、直営店も出しているから、その実績を基にコンサルティング先の工芸メーカーにアドバイスできますよね。コルクの場合は、コルク自体は何者でもなく、コルクブランドもありません。

 交換勉強会では「(ブランディングにおいて)誰が意思決定しているか」という質問が出ました。コルクでは「担当者それぞれが意思決定する」と伝えているのですが、それでも再び「誰が意思決定するのか」と聞いてくる。それが延々と繰り返されているんです。なかなか伝わらないもどかしさがあります。

 中川さんがコンサルティングするとき、意思決定はどなたがするのでしょう。

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