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「時間稼ぎ」の金正恩に「助け舟」出した文在寅

4月末に南北首脳会談、トランプは「見守る」

2018年3月7日(水)

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「南北融和」を満面の笑みで演出する金正恩委員長だが…(提供:KNS/KCNA/AFP/アフロ)

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 韓国と北朝鮮が4月末に板門店(パンムンジョン)で首脳会談を開く。南北が肩を組んで「融和ムード」を演出し、国際社会の制裁強化と米国の軍事的圧迫の阻止を狙う。次の焦点は米国の対応だ。

「米国と虚心坦懐に対話」

 特使として3月5日から北朝鮮を訪問していた鄭義溶(チョン・ウィヨン)青瓦台(大統領府)国家安保室長が3月6日、ソウルに戻り発表した。2007年10月以来、3回目の南北首脳会談となる。

 聯合ニュースの「南北首脳会談 4月末開催で合意=北『米と非核化対話の用意』」(3月6日、日本語版)によると、鄭義溶・室長は「北朝鮮は非核化を議題にした米国との対話に前向きだ」とも語った。鄭義溶・室長が明かした北朝鮮側の発言は以下の通り。

  • 対話が続く間は、追加の核実験や弾道ミサイルの試射など戦略的な挑発を再開しない。
  • 非核化問題の協議と米朝関係の正常化のため、米国と虚心坦懐に対話をすることができる。
  • 軍事的な脅威が解消され、体制の安全が保障された場合、核兵器を保有する理由がない。
  • 核兵器はもちろん、在来型兵器を韓国に向け使用しない。

米韓演習を認める金正恩

 トランプ(Donald Trump)大統領は3月6日朝(米国東部時間)「北朝鮮との対話が進展するかも……世界は見守っている!偽りの希望かもしれないが、米国はどちらの方向に行くにしろ、しっかりと取り組む用意がある」とツイートした。

 ペンス(Mike Pence)副大統領も同日、声明を発表し「米国と同盟国は金正恩政権が核計画をやめるまで最大限の圧力をかけ続ける」と強調。

 「非核化に向けた具体的な行動があるまですべての選択肢がテーブルにあり、我々の態度も変わらない」と経済・軍事両面での圧力を緩めない方針を示した。ただ声明では、南北首脳会談に関する評価には言及しなかった。

 下手に反対すれば「トランプ政権が平和的な解決の道を閉ざした」との批判を国内外から浴びかねないからだろう。

 北朝鮮が鄭義溶・室長を通じて「対話が続く間は核・ミサイル実験をしない」と表明したのも、融和姿勢を強調し米国の反対を封じる目的と見られる。

 平昌(ピョンチャン)冬季五輪・パラリンピックを理由に4月上旬に延期した米韓合同軍事演習に関し、北朝鮮が反対しない姿勢を示唆したことも「反対封じ」の一環だろう。

 聯合ニュースの「金正恩氏 韓米合同軍事演習『4月からの実施に理解』」(3月6日、日本語版)によると、青瓦台関係者は延期中の合同演習に関し「金正恩(キム・ジョンウン)委員長は『例年の水準で実施することを理解する』と韓国の特使団に述べた」と語った。

 南北は米国の顔を潰さないようにしながら、南北首脳会談を実施。それを米朝会談の開催につなげ、経済制裁や軍事的な圧迫の強化を防ぐ作戦であろう。

コメント62件コメント/レビュー

いきなり首脳会談は驚きましたが、花を持たせるとご機嫌になるトランプの性質を見切った(中国訪問時の動向から学んだ?)北朝鮮の見事な策に見えます。
これで、少なくとも5月までの時間は稼げたし、一時的にでも米国との対立を回避する事で中露のご機嫌を伺い、韓国にも花を持たせ、制裁迂回の物資を受け取るディールを持ち掛けやすくなったのでは。
核兵器を完成させ軍を完全に掌握したから出来る事なのかも知れません。
ただ、5月の首脳会談ではトランプも相当かましてくると想定されるので、トランプに花を持たせつつ実利を取るのは中々難しい交渉だと思います。(2018/03/09 15:26)

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「「時間稼ぎ」の金正恩に「助け舟」出した文在寅」の著者

鈴置 高史

鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)

韓国観察者

元日本経済新聞記者。1995~96年ハーバード大学日米関係プログラム研究員、2006年イースト・ウエスト・センター(ハワイ)ジェファーソン・プログラム・フェロー。02年度ボーン・上田記念国際記者賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

いきなり首脳会談は驚きましたが、花を持たせるとご機嫌になるトランプの性質を見切った(中国訪問時の動向から学んだ?)北朝鮮の見事な策に見えます。
これで、少なくとも5月までの時間は稼げたし、一時的にでも米国との対立を回避する事で中露のご機嫌を伺い、韓国にも花を持たせ、制裁迂回の物資を受け取るディールを持ち掛けやすくなったのでは。
核兵器を完成させ軍を完全に掌握したから出来る事なのかも知れません。
ただ、5月の首脳会談ではトランプも相当かましてくると想定されるので、トランプに花を持たせつつ実利を取るのは中々難しい交渉だと思います。(2018/03/09 15:26)

会談する=北朝鮮の核を認めるということではないと思いますけどね
むしろこれで決裂した場合のことをムン大統領が考えているのかの方が気になります
核を認めるということはないでしょう
フセイン大統領のこととあわせて世界ではいくら制裁されても核さえできてしまえばこちらのもの絶対核廃棄の言葉など聞くなになるでしょうし、北朝鮮の核兵器や情報が中東にでも流れたらそれこそもっと悪い状態になるでしょう
とはいえアメリカが最悪の選択をする可能性はあるから日本はそれに備える必要はあるでしょうけどね
そうなったらアメリカも威勢良く吠えていたけどいざ核ができたら尻尾巻いて逃げた腰抜けと世界から思われることにはなりますが(2018/03/09 13:08)

ついに、トランプと金正恩の会談が決まりましたね。
これまで一貫して「アメリカは北朝鮮の核保有を認めるわけがない。」
と主張していた人は息してますか?(2018/03/09 10:39)

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