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米中貿易戦争のゴングに乗じた北朝鮮の「強気」

北朝鮮は誰の核の傘に入るのか

2018年7月10日(火)

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7月8日に会談したポンペオ米国務長官と河野太郎外相、康京和韓国外相。北の攻勢に押される米国に、日本、韓国は果たして……。(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

前回から読む)

 北朝鮮は「誰の核」に守られるのか。非核化交渉の本質はここにある。

あいまいな「安全の保証」

鈴置:北朝鮮の非核化を話し合いで解決するというトランプ(Donald Trump)大統領。交渉役のポンペオ(Mike Pompeo)国務長官とともに「核を手放せば経済発展を全面的にバックアップする」とニンジンを見せています。

 しかし、北朝鮮にとってそのニンジンだけではとても足りません。肝心の安全が確保できるのか、確信が持てないからです。

シンガポールで結んだ米朝合意で米国は「北朝鮮の安全を保証する」と約束しました。

鈴置:確かに米朝共同声明で、非核化の見返りに「トランプ大統領は北朝鮮の安全を保証する」と謳いました。以下です。

  • President Trump committed to provide security guarantees to the DPRK, and Chairman Kim Jong Un reaffirmed his firm and unwavering commitment to complete denuclearization of the Korean Peninsula.

 でも、これではあまりに抽象的です。「どうやって安全を保証するのか」がはっきりしないのです。共同声明では4項目の合意を明文化しています。

 米朝は1番目の項目で両国の関係改善を、2番目の項目で「永続的で安定的な朝鮮半島の平和体制」を約束しています。いずれも「安全の保証」に関わる約束ですが、これらも具体性を欠いた表現に留まっています。

  1. The United States and the DPRK commit to establish new U.S.─DPRK relations in accordance with the desire of the peoples of the two countries for peace and prosperity.
  2. The United States and the DPRK will join their efforts to build a lasting and stable peace regime on the Korean Peninsula.
  3. Reaffirming the April 27, 2018 Panmunjom Declaration, the DPRK commits to work toward complete denuclearization of the Korean Peninsula.
  4. The United States and the DPRK commit to recovering POW/MIA remains, including the immediate repatriation of those already identified.

 非核化の手順と同様、「安全の保証」に関しても米朝は全く詰めていない。シンガポールでの首脳会談は周辺の期待とは裏腹に、何の前進もなかったのです(「から騒ぎに終わった米朝首脳会談」)。

コメント46件コメント/レビュー

著者の強気発言の元となった米国の強気が、シンガポール会談であっさりと崩壊してしまったので、書くに書けない状況となりましたか。それでも、書いてくださいよ。ファンは多いです。(2018/08/13 15:14)

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「米中貿易戦争のゴングに乗じた北朝鮮の「強気」」の著者

鈴置 高史

鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)

韓国観察者

元日本経済新聞記者。1995~96年ハーバード大学日米関係プログラム研究員、2006年イースト・ウエスト・センター(ハワイ)ジェファーソン・プログラム・フェロー。02年度ボーン・上田記念国際記者賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

著者の強気発言の元となった米国の強気が、シンガポール会談であっさりと崩壊してしまったので、書くに書けない状況となりましたか。それでも、書いてくださいよ。ファンは多いです。(2018/08/13 15:14)

本日8月11日、前回の掲載から丸1ヶ月以上あいだが空いたことになる。
読者からは健康を気遣うようなコメントも投稿されるようになった。

私などが言うまでもなく、こうした連載型のページでは、こうしたコメントが投稿されるのは、"一種の"注意信号だ。

これはまったくの憶測だが、もし本当に健康問題で無いのなら、事態が"ある種の膠着状態"になり、"ある種流動化"してきたので、これから先の展開について"読めなくなった"ために"迂闊に記事を書けない"と判断されてのことかと思う。

ただ、このまま事態の推移を見極めよう、という腹づもりなら、それこそ中間選挙(11月6日)直前まで動きはないだろうし、遅ければ、中間選挙後まで動きはないかもしれないので、それまで連載を延期となれば読者が待ってくれるかどうか。

たとえば青山参議院議員などは、軍事攻撃の可能性が出てきた、と論評している。

実際のところ、事態の見極めも大事だが、これまでの推移や各関係筋のさまざまな見立てなどをまとめた記事も出してはどうだろうか。(2018/08/11 15:16)

最近更新されないのはもしかしてお身体でも悪いのでしょうか…?
杞憂であることを願っております。(2018/08/10 00:01)

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齋木 昭隆 三菱商事取締役・元外務次官